個人的なことですが、今、私の中で苔(コケ)ブームがきています!
というのも、先月息子の通うセンター北にある「もあな保育園」のバザーで苔玉づくりワークショップを担当したのがきっかけで、苔を今まで以上に大好きになりました。
苔玉はその独特の形と、一時期ブームになったことから、知っている方は多いと思いますが、私は植木屋の嫁であるにも関わらず、恥ずかしながらこれまで一度も苔玉を育てたり、作ったりしたことはありませんでした。
しかしながら、ワークショップの準備をはじめてみたら、すっかり苔と苔玉の魅力にハマってしまいました! 苔玉は出来上がった時のシルエットの可愛らしさはさることながら、緑色でしっとりと水分を含んだ苔からは視覚的にも潤いを感じ、またさわった時のふわふわの感触もとても気持ち良く、不思議と心が癒されます。
苔は、日本では高山から海岸まで、山奥から都会のど真ん中まで、どこにでも生えています! 苔は体が小さいのでほんの少しでも適した場所があれば生育できます。また、土壌の上でなくても、岩の上や木の幹、ほかの植物の上でも生育することができるそう(苔の種類によって生育場所はだいたい決まっています)。
苔は日本だけでも約2500種類あるといわれ、その多くの種類は空中湿度の高い場所(渓谷や林内など)に生育しています。苔は日陰を好むイメージがありますが、実は日光がないと生きていけません。種類によって必要とする日光の量に違いはありますが、光合成を行って養分を生成するため、全く日光が当たらない場所では生育できないそう。
また、苔には花や実や種はありません。種によって増えるのではなく、胞子を風で飛ばすことで増えます。胞子とは、植物が無性生殖を行うために形成する生殖細胞……と言っても、中学校の理科以来久々に聞く単語に「???」とクエスチョンマークが並んでしまいます(笑)。私たちは普段、植物と言えば花や実をつける種子植物を想像しますが、苔は種子植物というよりも同じく胞子で増えるシダ植物の方に似ているといえ、さらにシダ植物よりも簡単な体のつくりをしているので、もっとも原始的な陸上の植物ともいわれています。
苔の体のつくりは、緑色の葉の部分とその下の少し茶色っぽい茎、その下には糸状の「仮根(かこん)」と呼ばれるもので苔自身の存在を支えています。また、苔には水分をためておく器官や、水や養分を吸い上げる根はありません。水分は体全体で吸収しますが、乾燥を防ぐしくみはないため、集団で生えることで水分を保ち、また風雨などで倒れないようにしているのだそう。
苔は街中でも谷地形の場所や木のたくさん植えられている公園ではよく見ることができますし、道端のコンクリートの壁やブロック塀、ガードレールの上にまで! 本当にどこにでも生えています!
日常の景色の中に当たり前にあるものだから、普段気にして見ることもなかなかないと思いますが、ちょっと意識して見てみるだけで、色んな場所に発見することが出来ると思います。
そして、見つけた苔をよーく観察してみると、見た目には同じように見えても実は形状が違っていて、様々な種類があります。ルーペや虫めがねで見てみないと違いは分からない場合もありますが、そんなミクロの世界なのも苔の面白いところです。
苔は時間をかけてゆっくりと成長する植物。1年に1センチほどとも、もっとゆっくりとも言われています。
コンクリートのたった1センチのすき間でも、悠久の時と自然の息吹を感じさせてくれます……ぜひみなさんも見つけて、観察してみてください!
日常の景色がまた違って見えてくると思います♪
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