リサイクルで海外支援! WEショップみやまえ 鷺沼に移転オープン
以前から「近所にリサイクルショップがあったらいいのになー」と思っていたところ、昨年末、娘と散歩中に鷺沼の駅近くにオープンしているのを見つけました。早速お店をのぞいてみると、ここはただのリサイクルショップではなかったのでした。
(Text:松岡美和)

東急田園都市線鷺沼(さぎぬま)駅の北口改札を出て右、線路沿いに坂道を2、3分ほど下っていったところに「WEショップみやまえ」があります。以前はお隣の宮前平、尻手黒川道路添いにあった店舗が、2013年の12月1日に鷺沼のこの地に移転オープンしました。

私と「WEショップみやまえ」との出会いは去年の12月5日。娘と一緒に散歩していたときのことです。しばらく空き店舗だったところにリサイクルショップがオープンしているではないですか! 早速、お店の中をのぞいてみると、雑貨コーナーに前々から欲しいと思っていた「トランスパレントペーパー」を発見したのです(トランスパレントペーパーとは、色付きの薄いパラフィン紙のこと。星形に折って窓に貼り付けると、ステンドグラスのように光を通すのできれいなのです。クリスマスの飾り付けにも最適♪)。

WEショップみやまえでは、毎月5日を「こどもの日」として、こども用品が半額なのだそうです。この日は幸い5日。200円と値札が付いていたこども用の雑貨を、100円でお買い上げ♪ 寒い日でしたが、掘り出し物を見つけてほくほくした気持ちで帰ったのを覚えています。

 

売れ残った商品も無駄にはしないシステムがある。繊維として再生して作られたエコ手袋

 

すっかりこのお店が気に入った私。後日、家にあった不要品を整理して、いただき物のタオルなどを持っていくと、「寄付になりますが、よろしいですか?」と聞かれました。

そう、一般的なリサイクルショップだと、不要品を持っていくと現金で買い取ってもらえますよね。WEショップでは買取を行っていません。寄付として集まった物に値段を付けて販売し、その売り上げで海外支援を行っています。そこが、普通のリサイクルショップとは違うところです。

そんなWEショップの成り立ちを、みやまえ代表の渡辺あつこさんにお話をうかがいました。

 

運営は独立して行うが、WEショップ全店で倉庫などを持っている。季節に合わない商品などは倉庫へ保管される。各店舗を回るトラック「CARRY」。取材当日、たまたま荷物のあげおろしがあった

 

「WE21ジャパン」はリユース・リサイクルを通じて、資源循環型の社会をつくり、アジア地域を中心とする海外へ支援を行い、貧困や環境問題について学ぶ場を提供するNPO法人です。今から15年前に、神奈川県の女性たちが声をあげ、厚木にリサイクルショップWEショップをオープンしたことから始まりました。現在では神奈川県全域に55店舗を展開しています。

WEショップみやまえが開店したのは2002年の2月のこと。コミュニティカフェなどがなかった頃なので、ちょっと来てお話できるような地域のたまり場的な場所になればいいなと思って始めたのだそうです。また、宮前区には外国人の方も多く住んでいるので、外国の方と交流できるように……との想いもあったのだそうです。実際、リサイクルショップを開店してみると、安いからと日用品を買っていく外国の方も多くいたそうです。

WEショップのそれぞれの店舗は独立して運営していて、みやまえも2年目の2003年にNPO法人化したそうです。有償のスタッフ2人の他は、地域のボランティアの手で運営されています。

昨年度(2013年)の売り上げは約400万円。そのうち、家賃代・光熱費などもろもろの経費を差し引いて、年間23万円弱を海外支援に回すことができました。

2002年から継続して行っているのが、保健医療を中心とした国際支援活動を行っているNGOシェアの活動支援です。出生率が高い一方で、乳児や妊産婦の死亡率も高い東ティモールで、安全にお産ができるように母子保健指導や人材育成のための学校教育などを行っています。また、10月の貧困デー(貧困撲滅のための国際デー)には、その日の売り上げ全てをアフリカのブルギナファソに寄付しているそう。他にも、募金やフェアトレード商品の販売など、様々な取り組みをしています。

 

東ティモールでの活動の様子。シェアNGOで活動している人が帰国した際には、活動報告会を開くのだとか

 

渡辺さんは「いろんな人たちに、日常的に支援のことを知ってもらいたいです。品物を持ってきたり、買ったりする以外にも支援することができるんです」と話していました。

使われていない物を捨てるのではなく、誰か別の人に使ってもらう「リサイクル」の輪。物の一生を考えたとき、捨ててしまえばそれまでですが、地域の中で誰か別の人が利用してくれるのであれば、その方がお互いにメリットがあります。もちろん、最初から捨てるような物は買わないことが理想ですが、そうは言っても家の中を見回すとなかなか……。

 

右が代表の渡辺あつこさん。左が副代表の喜多麗(うらら)さん。詳しく説明していただき、ありがとうございました!

 

渡辺さんにこれからの目標をうかがうと「もっともっとたくさんの方に来てもらって、買い物してもらって、支援につなげたいです! あと、若い方にもボランティアに来ていただきたいですね」とのことでした。WEショップ宮前が鷺沼に移転してきてからは、こども連れのお父さんやお母さんなど、以前よりも若い利用客が増えたのだとか。今後、こども用品が増えるなど、地域のお客さんに合わせてお店で扱う商品の内容も変わってくるかもしれませんね。

今日も娘は散歩中、お店の前を通ったときに、「おーい」と言ってお店の中の人に手を振りながら駆け寄っていきました。スタッフの方もいつも優しく、すっかり常連となってしまいました。

来る、2月22日には「カップめんから世界が見える」と題したワークショップを行うそうです。お近くの方はぜひ、足をお運びください。

 

<イベント情報>

「カップめんから世界が見える」

2014年2月22日(土) 10:30-12:30

場所:ふれあいスペース宮前

参加費:300円

カップめんのふたを開けて、中身の具材がどこから来たのかを考えてみると……。

何気なく食べていたり使ったりしているモノの向こう側で、何が起きているのかな?

お問い合わせはWEショップみやまえへ。

Information

WEショップみやまえ

住所:宮前区土橋3-2-6 鷺沼プールサイドスカイマンション103

TEL/FAX:044-854-6561

営業時間:10:30-17:30

定休日:土曜日・祭日・第3水曜日

WE21ジャパン

http://www.we21japan.org/

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