今年2月、キタハラは震災以降初めて福島県に降り立ちました。実家のある山形に帰省するたびに通過する、隣県・福島。同じ東北地方として親しみを感じていた土地が、特別な場になってしまったのは、3.11、そして原発事故の影響が大きいです。
報道で、インターネットで、SNSで、映画で、評論で、福島県について、いろんな人が、いろんなことを述べていました。それぞれの立場からのそれぞれの意見があふれていて、情報の多さと価値観の多様性に混乱することもありました。
福島を「フクシマ」と表現する瞬間に、自分と他者の間に一種の線を引くような感じがして、伝えることも、考えることも、忘れたくなるような……。
私が歩いた福島市は、一見すると何も変わらず、駅前の大きな道を歩行者が往来し、日常を取り戻しているかのように見えました。バス停を探している私に地元の人が気さくに声をかけ案内してくださって、人々の温かさを感じました。迎え入れてくださった福島の方々は、広大な大地のようにおおらかでやさしい方ばかり。食べ物も美味しかったし、行く先々で地域の風土に根付いた手仕事の文化を感じました。
でも、時折ガイガーカウンター(放射線量計)をかざすと、私たちが暮らす横浜よりも、ところによって空間線量は2-5倍ほど高かった。それを気にするも、気にしないも、目にも見えずにおいもないものからの不安に常にさらされる現実は、いかばかりかと感じました。
リフレクソロジストでgomoku+として親子をゆるめる活動をしてきた相原あやさんは、福島市の出身。彼女の同級生で写真家のおがわてつしさんは、原発事故以降たびたび故郷に戻り、福島市に暮らす子どもたちと、その「たからもの」を写真に収めています。昨年に続き2回目の開催となる今回の写真展。「その後も活動を続けるおがわさんへの応援と、「ふくしま」に関心を寄せ続けることの大切さを地域の皆さんと共有したい」(相原さん)との思いから、今年も企画したとのことです。
あたたかく、愛情にあふれ、寄り添う気持ちが伝わってくる、おがわさんによる「たからもの」の写真。
私が今月、福島に行った時に感じたのも、その土地が育んだ豊かさと温かさでした。そして今思い出すのも、原発事故の事実よりも、そこで生きる人たちのおおらかな魅力なのです。
「フクシマ」ではない、やさしくやわらかい響き「ふくしま」の写真を観て、今年も一緒に、感じ考えませんか。
日時:2014年2月16(日)〜2月23日(日)10:00〜17:00
場所:Hula-meshi(フラメシ)(※現在ウルチカとして営業中)
横浜市青葉区鴨志田町561-1
045-981-6522
※ 2014年3月23日(日)にはおがわてつし氏によるスライドショー&トークイベント開催(10:30から30分程度・無料)
主催:gomoku+
Hula-meshi(フラメシ)※現在「ウチルカ」として営業中
横浜市青葉区鴨志田町561-1
045-981-6522
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