しかも、その野菜は鴨居駅付近の線路沿いに広がる畑で採れた野菜がほとんど! 最高に便利なロケーションで、最高に新鮮な野菜を手軽に入手できる「鴨居駅マルシェ」を取材してきました。
「いらっしゃいませ!」
「よこはま産の新鮮野菜はいかがですかぁ!」
ん? ここはスーパーの青果売場? はたまた野菜直売所?
いやいや!違うんです。実はJR横浜線「鴨居駅」改札前!!
昨年9月から毎月1-2回の頻度で開催されている「鴨居駅マルシェ」。
横浜市とJR東日本横浜支社は、横浜線沿線の住民が地産地消にふれる機会を増やしながら、地域農業の活性化を推進することを目的に協定を結びました。そして地産地消の取組みをわかりやすく伝えられる「マルシェ」を開催しているのです。
毎月開催をたのしみにしているお客さんもたくさんいて、毎回ほぼ完売の盛況ぶりです。
ここで、ひとつ、疑問が浮かびます。
なぜ、鴨居駅なの…?
そこで、鴨居駅マルシェを企画し、実現に導いたJR東日本横浜支社事業部企画課事業計画グループの山口修さんにお話をお伺いしました。
「鴨居駅マルシェの成功は、改札付近のスペースを確保できたことはもちろんですが、お客様にとって電車から畑が見えるので農業を身近に感じてもらえますし、農家さんにとっては駅からすぐそばに畑があるので、お客様へ野菜のお届けをスピーティにできることにあります」
そう、鴨居駅マルシェに届く野菜のほとんどは、鴨居駅近くの畑で栽培された野菜です。駅から見える畑の新鮮野菜が食べられるなんて、まるで農家の直売所のようですよね。
さらに山口さんは、
「鴨居駅の1日の乗車数は約38,000人。実は鴨居駅改札付近は生活導線になっているので、電車を利用しない大勢の方々も改札近くを行き来しています」
改札前の線路をはさんで延びる通路は、鴨居駅周辺住民にとっての大動脈だったとは。たしかに他の横浜線の駅をイメージしてみると、鴨居駅のように生活導線になっている駅は見当たらないことに気が付きます。
そして、鴨居駅マルシェ開催で忘れてはならない人がいます。
横浜の地産地消イタリアンの名店・ナチュラーレ・ボーノおよびREVEVE RECIPE TENZO(リバイヴ・レシピ・テンゾ)のオーナー植木真さんです。
山口さんは横浜市農業振興課の紹介で、植木さんに周辺農家さんのまとめ役を依頼しました。植木さんはこの取組みに賛同し、出荷調整や出店者などマルシェ運営に関わることを一手に引き受けることになりました。
各農家さんのストーリーを伝えたい、販路が少ない農家さんの野菜も販売したいとの思いから、鴨居駅マルシェの野菜は植木さんのネットワークで毎回6-7軒の農家さんの野菜が並んでいます。
そして野菜を単に販売するだけでなく、野菜ソムリエコミュニティかながわに所属するはまふぅどコンシェルジュのメンバーによる「はまキッチン」スタッフが食べ方の説明も提案してくれています。「はまキッチン」の存在は、これまで横浜市が地元農業活性のために取り組んできたネットワークの賜物です。
「JR東日本×横浜市×地産地消団体が三位一体となって取り組んでいるのが鴨居駅マルシェなのです」(山口さん)
山口さんは、今度も横浜線沿線の地産地消、横浜線沿線住民に貢献するために、こうした取り組みの積み重ねを大切にしたいと話します。そのためにも「JR東日本×横浜市×地産地消団体」の関わりが重要になりそうです。
鴨居駅から出発して、新鮮野菜を買える駅が今後も増えていくことをたのしみにしたいですね。
【hitomi’s point】
JR東日本の山口さんは、横浜市沿線を盛り上げるために、沿線住民に貢献できることは何かと調べているうちに横浜市が実は農業がさかんであることを知ったそうです。しかしそのことは残念ながらあまり知られていない。だったら駅から情報を発信しよう、と鴨居駅マルシェが実現したそうです。
野菜が地域活性の手段となることは、企業にも、農家にも、住民にもプラスになりますし、森ノオトとしても何よりもうれしいことです。今後もJR東日本と横浜市の取組みに注目したいと思います。
<直近の鴨居駅マルシェ情報>
日時:2014年6月10日(火) 11:00-15:00(売切次第終了)
場所:JR鴨居駅改札外コンコース
※毎月、森のマルシェネットワークでも紹介しています
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