子どもが丸太を担げちゃう!? 皮むき間伐「きらめ樹フェス2014」レポート
我らが湊家では、4月26日、「きらめ樹フェス2014」に参加すべく静岡県富士宮市にある朝霧高原へいってきました。一番の目的は「きらめ樹」体験です。「きらめ樹」とは皮むき間伐の愛称なのですが、女性や子どもも出来る間伐ということで、どんなものなのかドキドキわくわくしながら向かいました。(text:湊光代)

朝霧高原に到着すると、すでに100人近くの人が、今か今かとはじまりを待っていました。年に1度の森を楽しむお祭りというだけあって、オープニングのライブあり、美味しそうなパンやお菓子のお店が出ていて……各方面からイイ匂いがします。

 

美味しいそうな匂いに後ろ髪引かれながら、さあ、「きらめ樹」(皮むき間伐のこと)に出発です!森に入って行くこと5分、目印がつけられている木を皮むきします。6-8人で1グループになり、スタッフの方にやり方を教わりました。

 

「きらめ樹フェス2014」を主催するのは、静岡県富士宮市にあるNPO法人森の蘇りです。かつて森ノオト編集長のキタハラマドカも皮むき間伐に参加し、その様子をレポートしました。

 

目印のある木の皮をむく。真剣に話を聞き入る人たち

まず、小さなノコギリで樹の下部をぐるりと一周、樹皮の厚み分だけを切ります。
次に白木と樹皮の間に、木づちを使って竹べらを入れていきます。
思ったよりも簡単に竹べらが樹皮の裏側に入っていき、「お!」と誰もが声をあげています。

ぐるりとノコギリで削る作業も非日常的で楽しい!

自分の目線ほどの高さまで、幅10cmほどに竹べらが入れば、上から下にむかってスルスルっと皮をむくことができます。
この、むけている部分が樹を1周したところで、樹皮をみんなでそれぞれ持って、一気に上に向かって引き上げます。
「Let’s キラメキーーーーーー!!!」
大きな掛声とともにベリベリベリーーーとむける気持ちよさといったら、もう。
面白いぐらいに簡単に、上の方までつるんとむけます
途中節があってキレイに上までむけなかった人は次こそは! と皮むきに夢中です。
こんなふうに樹皮がつるんとむけるのは、樹が水を吸い上げる4月-8月の間だそうです。

「 Let’s キラメキーーー!」

 

服を脱がされた木肌はひんやり、しっとり。赤ちゃんの肌のよう気持ちよさです。娘も何度もほっぺをぴたっとくっつけていました。また皮をむくと、ヒノキの香りが一層立ちこめて癒されます。したたる樹液に生きている樹の命を感じ、この樹を無駄にしてはいけないと心を新たにした瞬間でもありました。

1歳の娘も木肌の気持ちよさに離れたくなーいという感じ

 

この木は、この森はこの後どうなるのでしょうか。
皮をむくことで木は枯れ、葉は落ち、森に光がさしこみます。
光がさしこむようになった地面には草花が生え、虫や鳥でにぎわう森になる。
1-2年後、皮をむかれた木が立ち枯れ、自然乾燥したころに伐採されるそうです。
伐採した木は2メートルほどの長さに切ると、ビックリ! 女性一人でも軽々持ち上げることができました。
小学校3年の男の子と一緒に息子(後ろ)も挑戦。みんなに応援されて恥ずかしそうにしながらもふたりで担いでいました。

 

重そうな顔をしていますが、実際は重くはなかったそうです

その後、子どもたちは森遊びに突入! 付き添い母さんたちはこの後におこなわれた製材工程をこの目で見ることはできませんでしたが、これらの間伐材は天然乾燥され、フローリングや内壁、卒塔婆になるそうです。
ミナトファニチャーでも「いただきますの日」のお箸作りのワークショップで、ここ富士宮市の皮むき間伐材を使わせてもらっています。天然乾燥されたヒノキは香りも豊かで艶があります。
今回自分の手で樹皮をむいたことで、なおこの木を無駄にしてはいけないなと思いました。

「きらめ樹」には木肌きらめく、森きらめく、新しい生命きらめく、の3つ意味がこめられていて、その思いをしっかりと家族で体感した1日になりました。

NPO法人森の蘇り代表の大西義治さんによると、1人あたり年間13本の木を皮むきすることで、この国の森は健全に保たれるとのこと。「これならできそう!」と思いました。のこぎりと竹べらと木づちがあれば女性でも5歳児でも間伐に参加できる……ということに、私でも森を守れる! と、メキメキと自信がつきました。
なかなか遠くの森までは行けなくても、わたしの住む寺家ふるさと村や町田三輪エリアにも緑豊かな里山があります。ここの里山はどのように間伐しているのだろうか。近くの森を知りたくなりました。

Information

NPO法人森の蘇り

http://mori-no-yomigaeri.jimdo.com

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