ヤマボウシは6-7月の梅雨の時期に白い花をつけ(正確に言うと、白い花のように見える部分は「総苞(そうほう)」といって花の付け根の葉であり、実際は黄色の子花が中央に集まって咲く)、8月から9月の中頃にかけて、赤く熟した実をつけます。
また、秋には葉が赤く紅葉するので、季節ごとに花・実・紅葉を楽しめる樹木として、庭木などのシンボルツリーとして植えられることも多い樹木です。
ヤマボウシととてもよく似ている樹木がハナミズキ!
ヤマボウシもハナミズキも同じ「ミズキ科ミズキ属」に分類される樹木で、樹形や花の雰囲気が似ていますが、ハナミズキは葉の出る前の4月下旬頃から花をつけるため、その様子がとても華やかに見え、人気のある樹木です。
一方、ヤマボウシは葉をつけた後、ハナミズキの花期が終わった後の6-7月頃に花をつけます。
ヤマボウシとハナミズキは花期の違いで見分けることは簡単ですが、花をつけていない時期でも、ヤマボウシの樹皮はうろこ状にはがれ落ちるのが特徴です。花だけでなく、樹皮でも両者を見分けることができるのです。
花のつけ方の華やかさや、大ヒット曲の曲名になったこともあり、今やヤマボウシよりもハナミズキの方がよく知られていて、親しみを持っている人も多いのではないでしょうか。実はハナミズキは20世紀以降に日本に持ち込まれた北アメリカ原産の樹木で、1912年に当時の東京市長がアメリカ合衆国ワシントンD.Cにソメイヨシノを贈り、その返礼として1915年にハナミズキを贈られたことが日本に根づいた始まりといわれています。
一方、ヤマボウシは古くから日本の山地(本州以南から九州)に自生する樹木。
本来、私たち日本人にとってはヤマボウシの方が親しみのある樹木といえるのかもしれません。
神奈川県では箱根の芦ノ湖周辺などで、自然の群生地を見ることもできます。
わが家のすぐ目の前の緑道にもヤマボウシがたくさん植えられています。
子どもたちは例外なく木の実が大好き!!
緑道へ遊びに行くと、3歳の息子も1歳の娘もヤマボウシの実を見つけてはたくさん拾い、なぜか集め始めます。
私はヤマボウシの実を食べられるということは知っていたものの、マッチ棒のような見た目のインパクトから食べる勇気が出ず(笑)、食べたことは無かったのですが……。息子が赤く熟した実を拾ってきてキラキラした目で「ママ一緒に食べよう!」と誘われたので仕方なく食べてみると……何と! マンゴーのような甘い味わい! まさか都会に落ちている木の実を食して、南国のような味覚が楽しめるとは!!
その優しい甘みがとても美味しかったです。
しかしながら、ヤマボウシの実は小さい種が多く、丸ごとは食べづらいので、果実酒などにする方が向いているのだそう。
庭木に一本ヤマボウシがあれば、一年中楽しめそうですね♪
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