ありのままを受け止める育児!「子育ち」お試し講座開催
リポーターの松岡美和です。私には2歳9カ月の娘がいるのですが、ちょっと変わった育児のやり方をしています。「子育ち」という育児法です。「育児は親が子を育てるのではなく、子が自ら育つのを助けるもの」という考え方にたち、子どものありのままを見つめます。私はこの育児法を聞いた時にものすごく感動して、衝撃を受けたので、いつか森ノオト読者の皆さんにも紹介したいなあ、と思っていました。(written by 松岡美和)

「子育ち」講座の講師の遠藤英一さんと私(松岡)と娘

 

皆さん、育児って誰から教わりましたか? 今の母親世代とその親のおばあちゃん世代とでは育児の価値観がずいぶん違ってきていると言われています。私自身、親に聞くより本を読んだりネットを検索したりして集めた情報の方が圧倒的に多いのです。自分にぴったりくる育児方法が見つかればよいのですが、情報が多すぎると逆に迷いが出てきてしまったりします。

 

私は、自然な育児がしたいと漠然と思っていたのですが、自然な育児って何だろう……とまた悩みのスパイラルへ。オムツ無し育児はやってみてうまくいったものの、育児はそれだけではありません。結局は、具体的方法は各自で選んでいくしかないのかな、という思いでした。

 

そんな時に、友人から「子育ち」という育児講座の存在を教えてもらって、「これだ!」と思いました。おっと……、何だか、あやしい宣伝のような文句になってしまいましたね(笑)。でも本当に、昨年その講座を受講してから、私の中でブレない育児が始まりました。

 

「子育ち講座」とは、静岡にあるおもちゃと絵本のお店「もりの」の店主の遠藤英一さんが独自に開いている育児講座です。普段は、静岡にあるお店で定期的に講座が開かれているのですが、少し遠方でも希望者が集まれば、お店の定休日などに遠藤さんが出張してきてくれるのです。私も8名の友人と一緒に出張講座をお願いし、全7回の講座を1年がかりで受講しました。

 

遠藤さんは静岡からバンに乗ってやってきます。バンの荷台にはおもちゃがたくさん積み込んであります。積み木、人形、ままごとキッチン、棚、カーペット……。あまりの多さに近所の方に、「保育園の引っ越しですか?」と間違われたこともあるくらいです。

 

空間を作る遠藤さん。ちなみに、ここは私の自宅リビング。子育ちを始めて、リビングにあったソファなど大きな家具を処分した。おもちゃ空間のセッティングのため……というのもあるが、子育ちでは6歳まで大型家具がない方が、生活がしっかりすると聞いたから

 

遠藤さんはまず、カーペットを敷きます。そして、棚を置いて「空間」をつくります。それから、大量のおもちゃをスピーディーに整然と並べていきます。すべてのおもちゃには定位置があり、セッティングに迷いはありません。子どもたちは、出来上がった空間で自由に遊び、母親たちは遠藤さんの育児論を聞くのです。

 

カーペットと棚でつくった空間におもちゃを並べていく。写真奥はままごとキッチンのある生活体験再現(ごっこ遊び)空間。手前は積み木やレール列車など組み立てたりする構造系の空間。片付けは子どもにやらせず、母親が徹底的に元の場所に戻すのが子育ち! 親が元の場所に戻すところを見て、子どもは散らかさないようになっていくので、すべてのおもちゃに定位置を決め、おもちゃ箱にまとめてガサっと入れるようなことはしない

 

こちらは0-2歳向け、くり返し操作のできるおもちゃの空間。空間を作る間も遠藤さんのお話は止まらない……

 

おもちゃのセッティングがひと通り終わると講座が始まる

 

子育ちでは、子どもがありのままに育ち、子どもの日課を安定させ、家庭での生活をしっかりできるように、子ども専用のほうき・ちりとり・踏み台・まな板・包丁・エプロン・洗濯板などの道具を用意したりして、環境を整えていきます。

そして、母親は子どもの言うことを否定したりせずに、真似で返します。すべて肯定することで自己肯定感が育ちます。2歳8ヵ月の娘が茶色を見て「みどりだよ」と言っても、私は「緑だね」と真似で返します。普通の人の感覚だと、「それは、緑色じゃなくて、茶色なんだよ」と否定して正解を教えるということをやっちゃうと思うんです。でも、茶色を緑と言うのも、今の娘の「ありのまま」なんですよね。

 

そして、育児を赤ちゃんがおなかの中にいるマイナス1歳から20歳になるまでの「21年間」としています。遠藤さんは、その期間の親としての役割を徹底的に教えてくれるのです。

講座の内容は多岐に渡ります。おもちゃの揃え方、家庭でやること、母親と父親の役割の違い、ゲームやメディアのこと、学習のこと、お金のこと……。

例えば、メディアにしても、幼い子どもにとってテレビやパソコンって悪いのかな……? と思いますが、「子育ち」では、固定のメディアは最初から家のリビングにあってよいそうです。でも、液晶のサイズを小さくするか、布をかけて電源を切っておくなど、なるべく存在感を小さくしておきます。ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイル(移動型のもの)を与えるのは13歳以降にし、情報を自分で選び取ることができるようにします。

21年間の育児のうち、今一体どういうことをやればいいのか具体的にこと細かく教えてくれるので、私はとっても楽になりました。

 

「育児に間違いはないから、どんな育児をしてもいいけど、正解があるとしたらこうかなと思って考えています。今しっかりやったら後が楽、本当に楽ですよ」と遠藤さん。

保育でもなく、教育でもなく、育児。その育児をトータルでここまで考えている人は、日本に遠藤さんただ一人なのではないかな? と私は思っています。

 

遠藤さんは子どものことが本当に大好きみたいです。子どものことを真剣に考える分、母親にはとっても厳しい人です。ちなみに、遠藤さんは子どものことを「子」と呼びます。「ども(供)をつけたら、子に失礼でしょ!」と言っていました(が、ここでは「子ども」という表記を使わせてもらいます。すみません)。

講座では、お母さんたちが子どもの様子(物語)を発表する時間があるのですが、それぞれに遠藤さんはコメントを返します。子どもがシャワーの水で遊んでいるのを見て、「シャワーを止めてください」と何度もくり返し指示を出して、子どもが止めないので怒った時のことをお話していたお母さん。遠藤さんに「だ〜か〜ら〜、それやっちゃまずいでしょう!」と怒られてへこんだり……。子育ちでは、水道の蛇口やシャワーの水で遊ばせないので、さっさと親が止めちゃってよかったんです。厳しい口調もありますが、それぞれの物語に対するアドバイスはいつも的確で、みんな遠藤さんのことも「子育ち」のことも大好きなんです。

 

「子育ち」講座は20年近く前から始まり、遠藤さんと講座を受講したお母さんたちとのやり取りの中で講座内容はどんどん進化を遂げてきたそうです。新しくなった講座を聞けた私は、先輩お母さんたちに感謝しながら育児をする日々です(今後も講座内容が変わる可能性はあるんですけどね)。

 

講座を受講するお母さんたちはほとんど子連れでやってくる。子どもたちは自由に遊び始める。くり返しになるが、「おもちゃを片付けるのは母親」

 

お母さんたちはメモを取りながら、真剣に遠藤さんの話を聞いていた。ほぼノンストップで毎回約4時間。結構キツい……が、毎回講座の内容には目からウロコが落ちる

 

育児のやり方は本当にたくさんあるので、「子育ち」をやるかやらないかは自由です。でも、私は「子育ち」を実践しながら、「親からありのままの自分を受け止めてもらえる子が世の中にたくさんいたら本当に幸せだな」と思うのです。森ノオトエリアにも「子育ち」が広まったら素敵だなって。

 

そう思って、10月28日(火)に講師の遠藤英一さんをお招きし、「子育ち」のお試し講座を開催することにしました! ぜひこの機会に、遠藤さんの「子育ち」講座を聞いてみませんか?

 

1年前に開催した「子育ち」お試し講座の時の様子。この時、お試し講座に参加した方の中から7名のお母さんたちが集まり、現在青葉区内で「子育ち講座」を受講中。今年も新たな受講希望メンバーが集まりますように!

Information

<information>

「子育ち」お試し講座

日時:2014年10月28日(火)10:30-12:00(受付10:00-)

*講座終了後は、講師の遠藤さんを囲んでの食事会となります。

おかず一品持ち寄り制となります。お時間のある方はぜひご参加ください。

場所:東急田園都市線田奈駅すぐ

*場所の詳細はお申し込みの際に個別に連絡いたします。

定員:25名(あと若干名募集します!)

*先着順での受付となります。定員に達した際には募集を締め切ります。

参加費:1,000円

申し込み対象:青葉区周辺で0-1歳の子を持つ母親

*「子育ち」は小学生くらいまでの母親向けなのですが、今回は人数の都合上、対象を制限させていただきます。

申込・問い合わせ:miwa1010m☆gmail.com(松岡)まで

(☆を@に変えてお送りください)

*お試し講座には参加出来ないけれど、出張7回講座には興味があるという方もぜひお問い合わせください!

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