これまで、この連載では子どもの気持ちに寄り添った楽しい優しい絵本をたくさん紹介してきた気がしますが、絵本は優しいだけの世界ではありません!!
こどもが怖いものといえば?
おばけ、鬼、地獄、といろいろあるものです。
そして、鬼の姿は? といえば、私の場合は赤い大きな体の“おにろく”が浮かびます。
でも、“おにろく”は、ただ怖い存在、というわけではなく、なんとなく人間味があって、日本に古くから伝わる妖怪のような、どこか身近な雰囲気かもしれません。
大工はある日、川にはしをかけるように頼まれます。
ですが、川は大きく、なかなか難しそうです。
そんなときに、鬼が川から現れて、名前をあてたらはしをかけてやる、そのかわり、わからなかったらめだまをよこせ。
……と、はなしを持ちかけてきます。
絵は、赤羽末吉さん。
以前にも紹介している、『おおきなおおきなおいも』の絵本とはガラリと変わって、昔話。『ももたろう』、『かさじぞう』など、日本の昔話の絵といったら、赤羽さん! と言いたくなる雰囲気ある絵は何度見ても飽きません。
川の青さ、山の蒼さ、鬼の赤、橋の紅色、
日本に昔からある美しい色合いを味わえる絵本を見ていると、今の都市部からは失われた昔の日本の山々の景色も、目の前に浮かんでくるような気がします。
さて。物語の中でのおにろくは、めだまを手にいれられるのが楽しみで、うっかり自分の名をもらしてしまいます。
絵本の中では、大工はひと安心するのですが……。
もうすぐ節分。
今年は4歳の次男くんが、幼稚園に現れる迫力ある鬼に度肝を抜かれることになるでしょう。母も、その場面がいまから楽しみ。一年間、母がずっと頼ってきた鬼が現れたら、一体次男くんは!?
ちょっとかわいそうな気もしますが、節分が楽しみな母です。
ちなみに、お兄ちゃんも相当怖かったようで、年長さんの時の節分のことは、今でもよく話題にのぼります。幼稚園で作ったお面も、作った人の味が出ていて、いまでもこの季節には飾っています。
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