畑がステージとは一体どうなっているのだろう? 期待と不安を抱きながら会場に着くと、本当にそのまんま、普段畑として利用している土の上にステージがつくられ、家族連れでやってきた人々が野菜と混在しながら、シートの上に座って寛ぐ姿がありました。
泥んこ遊びに竹細工、生花アクセサリーづくり、イチゴ狩りに料理教室と、こどもたちが楽しめる工夫もたくさん。大人はビールやワイン、日本酒と豊富なお酒も楽しめます。
インドカレーから、イタリアン、フランス料理まで揃い、プロのお店が並ぶので飲食ブースもとても豪華。青葉区でおなじみのシュタットシンケンさんや、TAZ CAFEさん、北島乳業さんもいました。
会場となった小泉農園は、東急田園都市線の鷺沼駅から宮崎台駅行きのバスに乗って約10分、「グリーンハイツ東」停留所で降りて、左手道なりに5分ほどなだらかな坂道を下っていった住宅街の中にあります。STRAWBERRY HOUSEと書かれた大きなビニールハウスが目印で、その奥に広さ250坪ほどでしょうか、台形型のコンパクトな畑が広がっています。東側の切り立った崖のすぐ上には平小学校があり、のどかな雰囲気ながら、かなり起伏のある土地だなという印象を受けました。
都市型の小規模農業でいかに生きていくか、家族3代、総出で模索されている小泉農園さん。
野菜やハーブ、ジャムなどの加工品は生活クラブ生協の宮前平、登戸、たかつ3カ所のデポーのほか、麻生区黒川にあるJAの野菜直売所セレサモス、地元のスーパー山田など、主に川崎市内で購入できます。横浜では、たまプラーザの軽トラ元気市に出店することもあるそうです。たまプラーザのサンクアロマというフレンチレストランとも取引があるそうで、知らぬ間に小泉農園の野菜を食べていたという方も実は多いのかもしれませんね。
今年で4回目の開催となる農園フェスは、実行委員に新たなメンバーを加えて今まで苦手分野だった企画や広報に力を入れたため、いままでの倍以上、予想を超える集客だったとか。確かに私が伺った13時過ぎには、飲食ブースはどこも行列で、農園の外にも人があふれてしまうくらい本当に大盛況でした。
長い間手入れされてきた畑の中に土足で入って、歩き回ることに最初ちょっと躊躇した私ですが、野菜と同じ目線になり、土まみれになりながら、音楽を聴き、レベルの高い料理が食べられる祭なんてなかなかないし、こうしたイベントをきっかけに、地域の中、暮らしの近くに畑があるということの価値が改めて見直されていくといいなと思いました。
到着時、すでに満員御礼でイチゴ狩りには参加できず、イチゴジャムも買い損ねてしまった私は、農園ツアーと大人向けの畑の料理教室に同行させてもらいました。
畑を一緒に歩いて収穫してまわるだけで、参加者がみな笑顔にあふれて元気になってくるのが、この農園料理教室の最大の魅力でした。料理教室だけでなく、イベント全体でも若いお客さんが多い印象もあり、農業人口の減少、高齢化が進む一方で、農のある暮らしに対するイメージが確実に良い方へ変わりつつあることを実感しました。
11月3日(予定)には、今回のイベントに協力していたはぐるま農園でもフェスが行われるそうです。先日、清水朋子さんがリポートしてくれたハーブガーデンらららや、エコストーブde朝ごはんの会を開催しているカフェ・ド・シュロともつながりのある、はぐるま農園さん。こちらのフェスにも菊池シェフは登場するようですよ。
小泉農園でも、定期的にマルシェをやる企画が持ち上がっているそうで、宮前区の農に関わる人々の今後の動きが楽しみです。気になる方はぜひ、直接問い合わせをしてみてくださいね。
小泉農園
〒216-0022
神奈川県川崎市宮前区平6-8-15
野菜、ハーブ、焼き菓子のお問い合わせ
tel 090-6517-2828 fax 044-866-7352
イチゴの問い合わせ tel 080-6532-5306
農園フェス
はぐるま稗原農園
〒216-0012
神奈川県川崎市宮前区水沢2-10-2
044-920-9411
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