回して飾って色彩美も楽しめる!折り紙のコマ。
気がつけば今年も残すところあと2日となりました。クリスマスや忘年会、年賀状作りに大掃除と、師走という月は本当に息つく暇がありませんね。お正月はお家でゆったりと過ごしたいと考えているあなた、これからご紹介する折り紙のコマを作ってはみませんか? 彩り豊かなコマは、きっと安らぎと楽しさを届けてくれるでしょう。

私が折り紙のコマに出会ったのは、今年の春、帰省中に子どもと一緒に訪れたとある遊び場でした。くるくると回るその可愛らしい様に一瞬にして虜に!

このコマは、色んな色が組み合わさっているし、1枚の折り紙ではないなぁ、一体どんな風に作ってあるのだろうと、スタッフの方にお願いして、ひとつのコマを分解しながらどのように作ってあるのかを夢中になって観察したのを憶えています。

コマは、3つのパーツから出来ていました。実に絶妙なバランスで組み合わさっていて、指で摘まんでくるりと回しやすいようにまでなっているところが、これまた素晴らしいと感じました。

折り紙のコマを上から見た図。凛とした雰囲気を醸し出している

 

突起になっている部分を指で持って回す。立体的なシルエットが美しい

 

このコマ、ご存知の読者の方もおられるかと思いますが、知らない方のために、写真に沿って作り方を簡単にご紹介します。

まずは一番下になる土台のパーツを作ります。

 

(1) 折り紙が三角になるように半分におり、対角線に折り目をつける。4つの角を折り目が交わった中心に向かって折る。そしてもう一度中心に向かって折る

 

(2) いったん紙を広げるとこのような折り目がついた状態になる

 

(3) 写真のように折りたたんでいく

 

(4) ひとつ前の写真の袋状になっている部分を四角く折り広げるとこうなる

 

(5) 折り鶴の要領で写真のように四角を上に開くように折る

 

(6) 角を広げるように折ったら土台の完成

 

土台が折れたら、次に中間部分を折っていきます。

(7) 対角線で折り目をつけて中心に向かって折る。一度裏返して同じく中心に向かって折ると写真のようになる

 

(8) さらに裏返してもう一度中心に向かって折る

 

(9) 最後にもう一回裏返して、中心から外の角に向かって半分に折る

 

これで中間部分の完成です。

続いて一番上のつまみの部分を折っていきます。

(10) 対角線で折り目をつけて中心に向かって折る。今回は裏返しはせずにあと2回中心に向かって折って小さくしていく

 

(11) ここで裏返しにして写真のように折りたたむ

 

これで3つのパーツが全て完成しました。

ここから組み立てていきます。

(12) 写真のように土台に中間部分の四つ角を差し込んでいく

 

(13) 写真のように土台のとがっている部分を中に差し込んでいく

 

(14) 最後につまみ部分を合体させたらコマの出来上がり!

 

(15) 回すとこんな感じに! 色同士がつながりあい、くるくると回っている様は何度見ても飽きない

 

慣れないうちは時間がかかりますが、お子さんでも繰り返し作っているうちに、この一連の作業が楽しくなってくると思います。

作る工程を考えなくても指先でどんどんと折り進めていけるのと同時に、色んな色や柄の組み合わせで、回した時に色と柄が混ざり合ってその情景が目に飛び込んでくる感覚は、何とも言えないワクワクとドキドキ感に包まれているのです。

また、色、柄、紙そのものの素材感によっても、出来上がったコマの雰囲気やイメージは随分と異なります。

色や素材を変えて作ってみたコマたち。千代紙を使えば古風に、水玉やボーダーの柄紙はポップな印象を与えてくれる。回すと各々が持つ色味が個性を発揮して面白い!

 

従来の木で作られたコマが、「回る」という動きを利用してコマ同士を戦わせるけんかゴマという遊びに発展したのと同じように、折り紙コマもまた「回る」ことによって、色と色とが融合して混ざり合うことの新たな色彩美を生み出しているのではないでしょうか。

私が折り紙コマに魅力を感じるのは、豊かな彩りを感じさせてくれる折り紙や千代紙の素晴らしさと、「回る」ことでその彩りの違った一面や変化を運んできてくれるコマにしかできない動きがそこにあるからだと思います。

 

このコマは土台に黄緑とだいだいの両面色付き折り紙を使用し、中間に黒をもってきたもの。回転速度が速いときは黄緑とだいだいが混じり合い新たな色をつくり出している。中心の黒がインパクト大!

 

折り紙コマのこの良さを生かして、今回は遊ぶコマ以外に色合いを意識した折り紙コマを用意し、お正月にあった飾り物を2点作ってみました。

葉っぱが混ざった漉き和紙に慶事の赤と締まり色の黒を背景にもってきて、そこに椿を表す赤と紫の配色を施した折り紙コマを添えてみた

 

こちらは千代紙が醸し出す和の雰囲気を大切に、お正月ならではの配色を意識。慶事を表すおめでたい色の「赤」と、長寿と不変の象徴である松の「緑」を組み合わせ、もみ紙で作った2016年度干支の申をちょこんとのせて

 

作製中は、ああでもないこうでもないと、一人、物の配置やら組み合わせやらに時間を費やしてしまいましたが、無心になることの爽快感を感じることができた久々の充実したひとときでした。

もちろん、折り紙コマは小さなお子さんでも簡単に回すことができるので、お正月三が日はお家でぜひ親子で楽しめる折り紙コマ作りを楽しんでみてください。

そしてこれはお気に入りの配色だ! と自信を持って人に勧められるような折り紙コマも発見してみてくださいね。

それでは皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

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この記事を書いた人
今里元子ライター卒業生
大阪府出身、青葉区在住。2009年生まれ、2014年生まれの2人の男の子の育児に奮闘中。身体を整えるべく始めたヨガの魅力にはまり、ヨガの動きや考え方を追求。「ヨガ=つながり、結びつき」の精神をモットーに、縁あって出会えた場所やもの、こと、そして人とのつながりを大切に、日々新しい発見にワクワクしながら生活している。
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