青葉区の自然再発見! 「あおば川ガール森ガールになろう!」参加レポ(前編)
六浦さんから、植物の葉の付き方について説明を受ける参加者たち。普段何気なく見ている植物の葉だが、「互生」「対生」「輪生」「根生」など、いろいろな付き方があり、改めて勉強になった
去年森ノオトでも紹介した「あおば川ガール森ガールになろう!」という講座を覚えている方はいますか? 2015年の秋から初冬にかけて、青葉区周辺の自然散策を楽しんだ私。そして講座終了から4カ月、なんと4月から「あおば川ガール森ガールになろう!2016 <第2期>」が開催されるとのこと。去年の様子を思い出しながら、魅力ある講座の内容を前・後編にわたってレポートします!

(text&photo:ながたに睦子)

 

去年の夏、森ノオトで北原まどか編集長が紹介した「あおば川ガール森ガールになろう!」の告知記事を見た私は、その内容に興味津々。「青葉区の身近な自然に親しもう」というコンセプトや、森ノオトでお馴染みの講師陣、さらに毎回、地産地消のおやつやランチ付き!! という魅力的な講座にひと目で惹かれ、しかも第三子を妊娠中で大きなお腹なのにも関わらず、申し込みから講座までのひと月の間が待ち遠しかったのを覚えています。

 

さて、2015年9月13日(日)に開かれた1回目の講座は「ようこそ青葉の自然へ」。講師は以前に森ノオトでも紹介した「よこはま里山研究所NORA」理事の石田周一さん。田園都市線が開通した1966年に5歳で青葉区に来てからずっと青葉区で育ったという石田さんは、ご自身が子どもの頃の青葉区の写真などをスライドで紹介しながら、「昔は雑木林や田畑が至るところにあって、遊ぶところに困らなかった。今の青葉台駅があるすぐそばでもカブトムシやザリガニをたくさんつかまえていた」など、懐かしそうに話してくださいました。

 

青葉区のいま、むかしや、ご自身の幼少時の写真などをスライドで紹介してくれた石田さん。楽しかった幼少時の遊びのお話をするときは、目がきらきらと少年のように輝いていた

青葉区のいま、むかしや、ご自身の幼少時の写真などをスライドで紹介してくれた石田さん。楽しかった幼少時の遊びのお話をするときは、目がきらきらと少年のように輝いていた

石田さんのお話では、青葉区の緑被率(一定の地域の中で、樹林・草地・農地・園地など、緑で覆われる土地の面積割合)は、40年前と現在を比べると、約半分になってしまっているとのこと。今では青葉台東急スクエアを中心にたくさんのお店や人で賑わう青葉台駅前からは想像できませんが、昔は草地がたくさん広がっていて、石田少年はそこで毎日のように泥んこになって遊んだそうです。そして高度成長期を経てどんどん緑が減っていった現在の青葉区ですが、今後更に緑被率は下がっていくのではと石田さんは心配もしており、うんうんと頷いている参加者の方も多かったです。

 

私が石田さんのお話で特に印象的だったのは、「子どもは内なる自然の種を宿して産まれてくる。それを育てるのは大人や周りの環境です」という言葉。私が育った千葉の田舎にも、昔は自然がたくさんあり、私も石田さんと同じようにザリガニやカブトムシを捕まえて遊び、それが今の自分の芯にもなっている気がします。そして地元に帰ると、その自然が少しずつ失われていることも同時に感じます。石田さんのお話を聞きながら、我が子にも自分と同じように、土、緑、水のような自然にできるだけ触れさせて育ててあげたいという思いを改めて強くしました。

 

石田さんのお話が終わったあとには休憩タイム。ここで振る舞われたお菓子は、以前に私が取材した、jique-cafeの大平奈々さんによるもの。実は私、このお菓子がとっても楽しみでした! 美味しいお菓子を食べながらの雑談に参加者の皆さんもどんどん打ち解けていきました。

 

休憩を挟み、改めて参加者全員で自己紹介です。講座に参加する前は「川ガール森ガール」というネーミングと可愛らしいチラシから、30代前後の女性ばかりかな? と想像していましたが、年齢層もばらばらで男女入り混じり、実に多彩な顔ぶれ、そしてご年配の方が多いことにも驚きました。

 

参加者の皆さんからは、「青葉区に永年住みながら、あまり青葉区の自然については知らない」「日頃ランニングをしているのだが、走っているうちに自然に恵まれた良い地域だなあと思い、より知りたくなった」「都内の仕事場と青葉区の往復なので、この機会に青葉区の自然をもっと知ってみようと思った」などの声が聞かれ、1分間の自己紹介ではみな時間が足りなかったようです。そしてみなさんの青葉区愛が感じられ、このメンバーで散策するのがとても楽しみになりました。



和気あいあいと行われた自己紹介。「娘に誘われ参加しました」「夫婦で参加しました」「昨年青葉区に引っ越してきました」「FM SALUSでこの講座を紹介したのがきっかけ」など、さまざまな面々

和気あいあいと行われた自己紹介。「娘に誘われ参加しました」「夫婦で参加しました」「昨年青葉区に引っ越してきました」「FM SALUSでこの講座を紹介したのがきっかけ」など、さまざまな面々

 

2015年9月27日に行われた第2回目は「寺家ふるさとの森で自然を観察しよう」。寺家ふるさと村ウェルカムセンター講師の六浦勉さんと一緒に、まだ少し残暑の厳しい寺家ふるさと村を散策しました。

六浦勉さんはご自身で撮影したという寺家ふるさと村の植物たちの写真パネルを前に、ユーモアを交えながら自己紹介してくださった

六浦勉さんはご自身で撮影したという寺家ふるさと村の植物たちの写真パネルを前に、ユーモアを交えながら自己紹介してくださった

六浦さんは、横浜市役所で農業技術職だった経験があり、また「横浜市こども植物園」の園長などを務め、植物に関する知識はとても豊富です。すたすたと歩きながら道端の草花に目をとめ、「この名前はアカネです。昔はこれで着物を染めていたんですよ」「これはみなさんも知ってるシロツメクサですが、名前の由来を知っていますか? 昔、外国から割れ物を輸入したときに詰め物として使われたのです。だから『ツメクサ』というんです」「この匂いを嗅いでみてください。臭いでしょ? これはなんと『ヘクソカズラ』ひどい名前ですねえ!」「これは、先ほどのヌスビトハギに似ているけれども、アレチヌスビトハギと言います」などなど、雑学やユーモアも交えながら、次から次へスラスラと植物の名前が出てくるのには驚かされました。

六浦さんから、植物の葉の付き方について説明を受ける参加者たち。普段何気なく見ている植物の葉だが、「互生」「対生」「輪生」「根生」など、いろいろな付き方があり、改めて勉強になった

六浦さんから、植物の葉の付き方について説明を受ける参加者たち。普段何気なく見ている植物の葉だが、「互生」「対生」「輪生」「根生」など、いろいろな付き方があり、改めて勉強になった

参加者からは、「普段寺家ふるさと村の近くはよく通るのだけれど、こんなに森の中まで入ってきたのは初めて」「道端の植物はいつもなんとなく見ているだけだったけれど、こんなにもたくさん名前があることに驚いた」など、色々な声が聞かれました。

寺家ふるさと村の緑を堪能しながら、山道をテクテクと登る。けっこうな勾配があり息切れする人もちらほら

寺家ふるさと村の緑を堪能しながら、山道をテクテクと登る。けっこうな勾配があり息切れする人もちらほら

六浦さんの口から出てきた植物の名前は、その数なんと100近く! 普段何気なく見ている草花たちの名前が、こんなにわかるようになれば、自然散策もより楽しいのだろうなあと思わずにはいられませんでした。

 

最後に六浦さんからは「今回を機に、青葉区のさまざまなところに足を運び、自然散策をしてみてください。季節によって見られる植物も全然違います。よく観察してみてくださいね」との言葉が送られました。私も、これからは意識して道端の草花に目を向けてみようと思いました。

 

さて、後編では第3回-5回の講座の様子をお伝えします。

※「あおば川ガール森ガールになろう!2016<第2期>」は3/11(金)より第2期の受講生を募集します! 詳しくはこちらをご覧ください。

http://spiceupaoba.net/girl/

Information

よこはま里山研究所NORA

http://nora-yokohama.org/

石田さんによる「いしだのおじさんの田園都市生活」

http://nora-yokohama.org/reading/archives/category/denentoshiseikatu/

寺家ふるさと村

http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/green/furusatomura/jike-index.html

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