土志田祐子さんは、青葉区で4人のお子さんを育て上げたお母さん。青葉台の賃貸マンション「エスポワール松風台」のオーナーであり、田奈小学校の放課後キッズクラブを運営する「NPO田奈コミュニティーサポート」理事長でもあります。昨年、森ノオトの正会員にもなってくださって、お互いのコミュニティが混じりあい、様々に縁が広がっています。
エスポワール松風台では、2014年11月に行われたKUMIKIプロジェクトとのコラボ「はじめてのDIYリノベ体験!ハリハリ&ヌリヌリ大作戦」を皮切りに、第一回目の「エコストーブづくりワークショップ」の会場として、ヨガやtricccoの会場として集会室を開放し、住民の方だけでなく外部の方も参加して交流できる魅力的なイベントが定期的に開かれるようになりました。
それ以前は、管理会社の方にお任せで、住民との接点がほとんどなかったのですが、カスタムメイドできる賃貸住宅を提供して有名になった青木純さんの話を聞いて開眼し、空室D.I.Yや集会所での住民コミュニティづくりの試みを始めたそうです。今後は、tricccoと合わせて、みなづき珈琲もやってきたりと、楽しい企画を考えているようです。
土志田さんは、大学卒業後すぐに結婚し、20-30代は4人のお子さんの子育てに明け暮れました。末の息子さんが小学校4年生の時、PTA会長になったのをきっかけに地域活動に深く関わるようになったそうです。以来、15年以上、田奈小学校、田奈中学校の教育環境の改善や、子どもの居場所作りに関わり続けています。その間一時期「生活クラブの個別配送がはじまってからは運搬の仕事もしていました」というから驚きです。不動産業も全く素人の状態から引き継ぐことになり、最近では介護も……と、休むことなくはたらいてきました。
PTA会長だった当時は、今と違って生徒が増えすぎて校舎が足りない状況だったので、署名を集めて市に持っていき新校舎を建ててもらった経験が小学校時代、中学校時代と2度もあるそうです。「大変だったけれど、PTAに関わることで地域社会とつながって、今でも付き合いの続くお友達にも出会えてよかった」と語る姿に、子育てに一生懸命で知性も行動力もあるママたちがたどった無数の道のりを想像した私です。
ご主人のご先祖様にあたる本家の土志田清兵衛さんは、田奈小学校をつくった方として知られています。田奈小学校は今年6月で創立143年を迎える区内でも最も古い歴史を持つ学校で、当時(明治の始め頃)、教育の必要性を感じた清兵衛さんは、小学校のための土地を提供しました。女子教育のためには「お針田(おはりだ)」といって、田んぼの収入で家庭科の先生を雇うというシステムの導入もすすめました。
東急電鉄の創業者、五島慶太さんが、田奈・長津田エリアまで鉄道をひきたいと訪ねてこられた時に了承したのは、ご主人のおじいさま、清助さんだったそうで、田園都市線沿線に住むわたしたちは、知らぬ間に清兵衛さんや清助さんの恩恵を受けているとも言えますね。そんな流れもあってか、もともと田奈周辺では地域で学校を守るという思想が根付いているそうです。
土志田さんはお嫁さんとして、たまたま旧家に嫁いだわけですが、会社勤めのご主人の代わりに、地域のためにはたらく役割をどんと引き継ぎ、やりぬいてきたのだなあと感動しました。最近はご主人も、地域に目を向け始めたそうで、これからまた、田奈小、エスポワール松風台、それぞれにどんなコミュニティが育まれていくのか、森ノオトと一緒につくっていくことも増えそうで、楽しみです。
丘の上の家族基地(エスポワール松風台HP)
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