「今度寺家ふるさと村の田んぼでヨガをします。良かったらぜひ」
寺家ふるさと村の田園風景を心のオアシスとするわたしに、そんなステキな誘いをくれたのは、同じ保育園に息子を預けるママ友の森田由里さん(32歳・青葉区桂台在住)。ピンッと伸びた背筋と、真っ直ぐに見つめる大きな瞳が初めて挨拶をした時からとても印象的で、ヨガ講師をしていると聞いたとき妙に納得した覚えがあります。
アメリカ留学中に、ヨガのインストラクター資格を取ったという由里さん。2007年に帰国してからは都内のスタジオを中心にインストラクターとして活躍してきました。息子さんが生まれる2年前までは、職場と家とを往復する日々だったそう。「息子の保育園への送迎をするようになって、毎日寺家ふるさと村を車で通るようになりました。人と自然が共存している、こんなステキな環境でヨガ教室を出来たらよいなと思うようになっていって」。そんな思いが募った2015年、長年勤めたスタジオを辞め「里-yoga」という名前でヨガ教室をスタートさせました。
教室の舞台は寺家ふるさと村の「四季の家」と「自然の中」。室内での定期レッスンはベーシック、リラクゼーション、子連れヨガに分かれ、いずれも少人数制です。また月に1、2回程度、誰でも参加できるオープンクラスでは、室内レッスンと合わせて寺家ふるさと村周辺の水田や野山などの外ヨガ体験もセットで開催しています(※天候に応じて外ヨガは開催しない場合もあります)。
「都会でのヨガもすごく大事。だけど自然の中でこそ人はシンプルになれるんです」。駅前にはない静けさと空の広さ。日本の四季を確かに感じることのできる寺家ふるさと村の中で、「ヨガを通して心を静め、皆さんの心の中にある自分の“里”にかえってくるような感覚を感じてもらいたい」という由里さん。それは「里-yoga」という名前にも込めた大切な思いです。
由里さんが自然の中でのヨガのフィールドにしている「天水田」は、寺家ふるさと村で農業を通じて里山再生の活動をしているNPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク代表の木村広夫さんとの出会いで見つけた場所でした。「“自然との共生”という私のヨガでもテーマにしていることを、木村さんは農業を通して実践していて。そういう巡り合わせってあるんだなぁと思いまいした」
また、息子たちの保育園で「あったか山」(緑ゴルフコースの裏)と呼んでいる山の中の広場も、もう一つのフィールドです。その広場を管理している地域の方に相談したら、気持ち良くつかわせてもらえることになったのだとか。由里さんの熱意が、人とのつながりを生み、人と自然のつながりを生んでいっているように思います。
私が初めて由里さんのレッスンに参加したのは昨年12月。室内での通常レッスンの後、寺家ふるさと村の水車小屋を越えたあたりにある天水田に移動し、外でのヨガも体験しました。胸がすくような青空の下、田んぼの中に足を踏み入れ、土を感じながら簡単なポーズをしたり、草の上に座ったり寝転がって呼吸法をしたり。頭や顔には太陽の光と温かさを感じ、頬に当たる風の心地良さ、度々服にくっついてくるてんとう虫……。
室内でのヨガとは違って天井のない空間で、人にはコントロールできない自然を全身で味わい、その自然の中に自分がいることをじんわりと感じるものでした。その感覚は今でも思い起こせるほど、体の中に染み渡っている気がします。
今後はプライベートレッスンやヨガワンデイトリップの企画も考えているという由里さん。「ヨガを教えるというよりも、たくさんの人が自然の中で共に生きていることを感じられる機会を作っていきたい」と丁寧に言葉を選びながら語ってくれました。
春を迎えた寺家ふるさと村。自然の中でのヨガ体験はいかがでしょうか?
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