デンキでまちを科学する?「森ノキッズエレキラボ」がはじまりました!
高圧の、電柱というより巨大な鉄塔をみんなで見上げてあれこれ観察中。今回はこれも電柱の一種として、観察してもらった(写真:山川紋)
電気とまち、電気と自然、電気とわたしの繋がりを感じる場をつくろうと、この春小さくスタートした「森ノキッズエレキラボ」。わたくし梅原が研究所長となり、6名の小学生研究員とともに、暮らしの足元からエネルギーを研究して世界に発信していきます。
 

キッズエレキラボは、パルシステム神奈川ゆめコープ市民活動応援プログラムの助成を得て運営しています。

 

デンキを勉強するのは好きな人以外には苦痛(?)かもしれませんよね。

 

でもデンキで遊んだり、デンキで見たり考えたりすることは誰にでもできます。

 

最近よく話題になっている電力自由化の波に乗って、電力会社を変えることももちろん大切ですが、目の前にあるデンキを知ることのほうが、ずっと大事なのではないか。とくに、子どもたちにエネルギーをめぐる本質的な問題に気がついてもらうには、ごくありふれた、日常の暮らしの中で深い学びが得られなければ……。うんうん考えた末、3月末にようやく講座のトータルなイメージが湧いてきて、4月23日を皮切りに、5月19日、第2回目の講座を終えました。

littlebits(リトルビッツ)で遊ぶ。このパーツとこれをつなげるとライトがついたり音が鳴る、という、いく通りものパターンを組み合わせていくことができる。プログラミングに触れる最初の一歩

littlebits(リトルビッツ)で遊ぶ。このパーツとこれをつなげるとライトがついたり音が鳴る、という、いく通りものパターンを組み合わせていくことができる。プログラミングに触れる最初の一歩

ラボの基本方針は「電気でまちを科学すること」。科学の部分は、哲学、文学、地学、工学、と置きかえてもよし。放課後の子どもの居場所でもあり、ちょっと変わった研究所、遊びながら学べる場です。対象は小学校3年生以上です。

 

第1回目、4月23日の午後は、最初にキッズエレキラボの説明と、エネルギーシフトの話をほんの少ししたあとは、なんのルールも設けずに、littlebitsという直感的に扱えるかわいいプログラミングのおもちゃでひたすら遊びました。あえて何も説明せずに、取扱説明書を時々みながらキットを組んでいるうちに、センサーで部屋の暗さを測ってみたり、シンセキットでDJみたいに音をあやつったり、2グループに分かれて、敷地内に音のするキットを隠してみつける宝探しが始まったり、こどもたちの遊びがどんどん変化していくさまを、こちらは見守るだけであっという間に時間が過ぎました。

 

第2回目のテーマは「電柱を分解しよう」。森ノオウチ付近の電柱を調べるために、みんなでフィールドワークしました。

 

私は以前から、まちの中に電柱が多すぎると感じていました。特に家との接続部分や、電線の設置部が丸見えで、おしゃれで美しいまちとは言い難いよなあと思っています。

 

今回の講座でも、身近な電柱について、ほとんどの人が知らないこと、これだけたくさんあるのに、よく見ていないことが改めてわかりました。発電所から個々の家で個人が電気を使うまでの道のりについて、頭でわかっていても、からだの感覚として直感的にそのしくみをわかっている人は少ないのです。

電気そのものは見ることができない、が電気の通る道はかなりの存在感をもって暮らしのそばにある(写真:山川紋)

電気そのものは見ることができない、が電気の通る道はかなりの存在感をもって暮らしのそばにある(写真:山川紋)

 

高圧の、電柱というより巨大な鉄塔をみんなで見上げてあれこれ観察中。今回はこれも電柱の一種として、観察してもらった(写真:山川紋)

高圧の、電柱というより巨大な鉄塔をみんなで見上げてあれこれ観察中。今回はこれも電柱の一種として、観察してもらった(写真:山川紋)

 

ラボ=研究所だから、参加者には研究員としてそれぞれにノートを配布。時間が短い中でそれぞれに気づいたことを表現している

ラボ=研究所だから、参加者には研究員としてそれぞれにノートを配布。時間が短い中でそれぞれに気づいたことを表現している

ほんの30分ほど、近所をまわってみただけでも、さまざまな発見があり、新しい疑問もむくむく湧いてきました。研究結果は報告書としてまとめ、出てきた疑問については東京電力に問い合わせをしました。その結果については、現在準備中の、森ノオトの新しいエネルギーウェブサイトにアップする予定です。

 

6月のテーマは、電化製品の消費電力を調べるのがテーマです。7月は独立型のソーラーシステムを電源に、リトルビッツを動かすことに挑戦し、8月のMakerFaire Tokyo 2016では、未来のエコなまちの模型を展示する予定です。

 

電車や車といったモビリティ、太陽光発電のしくみ、風車の仕組み、太陽熱の研究など、研究素材は無限にあります。現在は月1回、定員6名と、のんびり小規模でおこなっていますが、市民発のユニークなエネルギー研究所として認められ、日々研究にうちこめるよう、運営面の工夫をしていきたいと思います。

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この記事を書いた人
梅原昭子コミュニティデザイン事業部マネージャー/ライター
引き算の編集が好きです。できないこと、やりたくないことが多過ぎて消去法で生きています。徒歩半径2キロ圏内くらいでほぼ満ち足りる暮らしへの憧れと、地球上の面白い所どこでもぶらりと行ける軽さとに憧れます。人間よりも植物や動物など異種から好かれる方が格上と思っている節があります。
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