うぶごえがつなぐ「カンガルーフェスタ」1/21(土)開催
横浜市青葉区近郊にはいくつかの助産院がありますが、その中のひとつ、鴨志田町にある助産院バースあおばで我が家の二人の子どもたちがお世話になりました。バースあおばでは、妊婦さんの体づくり指導にとても熱心です。そんな助産師さんたちとともに妊婦さんから産後の赤ちゃんとお母さんたちのケアをサポートしている「カンガルーの会」という団体が主催するイベントのお知らせです。(写真:松山ちかこ)

以前、リポーターの松岡美和ちゃんが書いてくれた助産院バースあおばの記事にも紹介されていたように、バースあおばでは妊娠中からの体づくりと意識づくりを大切に考えています。

妊婦さんのサポートをしているのは、バースあおばの助産師だけではなく、バースあおばの院内に事務所を構える「カンガルーの会」も一緒です。カンガルーの会は赤ちゃんとお母さんと、そのご家族が一緒に幸せにいられるように、妊娠、出産、育児をトータルでサポートし、妊婦さんはもちろんのこと、産後の赤ちゃんとお母さんたちをケアする活動を行っています。バースあおばで出産した人だけではなく、どなたでも参加することができます。

バースあおばに関わったお母さんたちは、横のつながりがとても強いのですが、それも、カンガルーの会が、赤ちゃんとお母さんたちをつなぐ役割をしているからなのです。

カンガルーの会が定期的に主催している、お産に向けた体づくりや意識づくりに役立つ講座や催しがいくつかあります。マタニティウォーキングを始め、薪割り、ヨガ、両親学級や、「食」について知る・食べる講座(食事会)、そして同じ月生まれの赤ちゃんとお母さんの同窓会(ミニカンガルー)もあります。また、年に2度開催するマタニティピクニックでは遠方に登山(!)に行きます。前回11月に開催された時は東京都青梅市にある御岳山に行ってきました。現地集合とはいえ、出産予定日間近の妊婦さんもこの登山に参加することに、バースあおばに実習に来る若い学生さんたちは毎回ビックリするようです(そういえば、私も次女の予定日間近に稲刈りに行きました。笑)。

「自分の力で産む」そして「産後も体が元気」でいられる秘訣は、出産前にどれだけ準備をしてきたかにもかかっている、ということをバースあおばでは伝えています。

現在、カンガルーの会の活動はこのような産前産後のお母さんたちに向けたものが中心ですが、そもそも会の始まりのきっかけとなったのは、1982年に県から提案された「神奈川県立母子保健センターの廃止案」でした。赤ちゃんとお母さんのケアを手厚くする県立の施設がなくなることを、現場の助産師さんたちや、そこに通うお母さんたちはとても重く受け止めました。その中に、バースあおばの代表の柳沢初美さんと仲かよさんもいました。当時はまだ県職員だった柳沢さんたちは、仕事の合間をぬってデモや署名活動などの反対運動を始めたのです。

そんな流れの中、カンガルーの会が1990年に結成され、今年で活動25周年を迎えます。結成のきっかけとなった神奈川県立母子保健センターは残念ながら1992年に廃止されてしまったものの、そこで諦めることなく、それに代わる「バースセンター」を設立しようという目標を掲げて活動を続けていきました。そうして資金集めなどの準備期間を経て、1996年に青葉区たちばな台に「バースあおば(山川助産院)」の開設を実現しました。住宅街の中の一軒家で、ご近所さんたちにも気を使いながらも10年の間に1,510人の赤ちゃんを取りあげた後、2006年に現在の鴨志田町に移転することになりました。その時に名前を「助産院バースあおば」と変更して、現在に至ります。

バースあおばに行くと、思わず「ただいま~」と言いたくなる。助産師さんたちは、私たちのことを名前で呼んでくれ、家族のような、とても近い関係

そんなカンガルーの会の活動の大きな節目を祝し、2017年1月21日(土)に「カンガルーフェスタ」と称して、青葉公会堂で大きなイベントが開催されることになりました。1年以上前から、月に一度定期的に会議を開き、お母さんたちが手探りで準備を進めてきました。実行委員は約30名いて、バースあおばで産んだ人に限らず、ここの「うぶごえ」と名づけられたお産の部屋にそれぞれの想いを寄せる人たちです。

そんなカンガルーの会の活動の大きな節目を祝し、2017年1月21日(土)に「カンガルーフェスタ」と称して、青葉公会堂で大きなイベントが開催されることになりました。1年以上前から、月に一度定期的に会議を開き、お母さんたちが手探りで準備を進めてきました。実行委員は約30名いて、バースあおばで産んだ人に限らず、ここの「うぶごえ」と名づけられたお産の部屋にそれぞれの想いを寄せる人たちです。

バースあおばの待合室で会議中。子ども同伴の方も多く参加。授乳しながらの会議も、みなさんお手の物

このイベントで、より多くの方々にカンガルーの会の活動と助産院でのお産について知っていただく機会になればと願っています。

また、地域の資源を使った子育ての活性化や、地域での様ざまな出会いにつながるきっかけを作りたい、という思いも込めています。ステージを彩るさまざまな出演者、豪華なゲストたち、各フロアのブース出展、充実の休憩スペースには、バースあおばで出産したお母さんたちも多く参加します。

イベントの目玉の一つでもある講演会には、「保育士おとーちゃん」という愛称で知られる須賀義一さんをお招きします。須賀さんの講演会に以前参加されたことのある若林さんご夫妻にお話を聞いたところ、須賀さんは柔らかい印象で、“主夫業2年”という経験からか、お母さんたちの気持ちを理解した上で話をされていて共感しやすかったとのこと。お話は具体的な子育てのテクニックを始め、子育ての大変さを感じる時代背景や社会の動きについてもあり、男性にも話が入ってきやすかったそうです。「2-3歳のイヤイヤ期を迎えるお子さんたちの親御さんにもしっくりくる話が聞けると思います」と、ご主人も話してくださいました。

もう一つの目玉であるトークショーには、皆さんにもおなじみのあの俳優さんが……!実は、田口浩正さんはバースあおばとの関係がとても強い方なのです。気になる方は、ぜひ、トークショーにいらしてくださいね。

そして、最後にもう一つ……。

イベントのチラシにも使用した、子どもたちが描いた絵があります。

この絵は、バースあおばでお産に立ち会った子どもたちが描いたものです。そしてこれらの絵は、カンガルーフェスタに向けて作成が始まったオリジナルパンフレット「うぶごえ」の特集の中に出てきます。お産の前から、それからお産を終えてからも、子どもたちにスケッチブックに絵を描いてもらいました。その絵を元に子ども達の心の動きについて専門家に解説してもらっています。パンフレット編集スタッフの一人でもある、森ノオトリポーターの宇都宮南海子ちゃんはお産直前まで作業を続け、無事にかわいい女の子を出産。スタッフが全員待ち望んだ、もう一つの、うぶごえでした。

現在、絶賛編集中のパンフレット「うぶごえ」は、カンガルーフェスタの入場券を一枚買っていただくと一部プレゼントされます。手に取っていただいたみなさまに温かい気持ちになっていただけたら幸いです。

オリジナルパンフレット「うぶごえ」の編集作業風景

カンガルーフェスタの実行委員は全員、産んだ場所も年代も、バラバラですが、子ども達の「うぶごえ」が私たちをカンガルーフェスタへとつなげてくれました。そして、これからもまた新たなうぶごえが、たくさんあがりますようにと願って止みません。

1月21日(土)、ぜひカンガルーフェスタにいらしてください! 実行委員一同、お待ちしております。

定例会議にて。神奈川県立保健センター時代の県職員だった頃からのつながりの方もいる。カンガルーの会の25年分の歴史を知る人も。左から高島恵子さん、杉本明子さん、柳沢初美さん、掘間由香さん、仲かよさん

休憩スペースではおやつなども出る。青葉区で大人気の「雑穀おやつjique-café」さんも出店

Information

日時:2017年1月21日(土)10:00-15:30

会場:青葉公会堂 横浜市青葉区市ヶ尾町31番地4

   東急田園都市線「市が尾駅」下車徒歩10分、「青葉区総合庁舎前」バス停下車すぐ

入場料:ひとり500円 ファミリー800円 ※未就園児無料

   チケット一枚につき、オリジナルパンフレット「うぶごえ」を一部プレゼント

前売券:助産院バースあおば内で販売

主催:カンガルーの会

後援:青葉区役所 助産院バースあおば

協力:助産院バースあおば実習生同窓会「かすみ会」

お問合せ:カンガルーの会事務局

電話:045-962-7967(バースあおば内)受付時間月-金13:00-16:00

メール:kangaroofesta@gmail.com

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