電動工具入門!KUMIKI とお野菜ボックスをつくりました。
去る2016年10月9日、エコDIY住まいラボ講座6で、杉材のお野菜ストックボックスをつくるワークショップをおこないました。簡単なつくりだけれど、端正で品があって、空間をちょっと上質にしてくれる木箱です。

エコDIY住まいラボ講座でつくるお野菜ストックボックスの材料は秋田県産の杉。杉は柔らかくて加工しやすいのでDIY初心者にはうってつけです。そのかわり、柔らかいがゆえに傷つきやすいという特徴もあります。

事前の加工はKUMIKI PROJECTで制作を担当している湊哲一さんがすべておこなってくれていたので、私たちは、インパクトドライバーを使ってキットのネジ止めをする作業のみ。けれども、インパクトドライバーって何? という初歩的なところからわからない人のために、電動工具の名前や使い方から丁寧に講義をしてもらいました。聞いて、見て、触れることで、最初は大きくてびっくりするような音も、慣れてくると気にならなくなり、道具との距離感が縮まっていきます。

電動工具は以下の6種類があれば、ほぼ全ての木工作業ができるとのこと。

主にネジ止め作業に使うインパクトドライバー

穴あけ作業に使うドリルドライバー

溝をあけられるトリマー

やすりがけをするサンダー

手ノコ作業をスピードアップしてスパッと切断できるスライド丸ノコ

糸のこのように曲線加工をしたり、板の中に穴を切り出せるジグソー

値段はプロ用と家庭のDIY用では違い、ホームセンターで売っているものは金物屋さんなどに置いてあるプロ用の店のものとは根本的に違うのだそうです。

さて、どれがどれかわかりますか?

職人でありながら、木の話、道具の話をすると止まらない湊さん。写真はドリル刃の太さや種類を説明しているところ。

湊さんの話の中で印象に残ったのは、直角をとるためとか、まっすぐ切るためだとか、ものづくりをするためにはさらにそれを支える道具が必要なこと。いわゆる治具(じぐ)といって、手と腕を支えてくれるものですが、それを職人は手づくりしてきたけれど、プロの職人が必要とする精度の高い道具をつくれる人が、実はどんどんいなくなっているということでした。

見た目は地味で、ついつい捨ててしまいそうな木の塊が、良い仕事をするために欠かせないというのは、なんだかとってもいい話だなあと思って聞いていました。

さまざまなメーカーのインパクトドライバーをお試し! 電動工具といえばマキタ、日立、RYOBI、BOSCH。森ノオウチで購入したのはブラック&デッカーのコードレスタイプのもの。プロ用のおすすめのものが使いやすいとは限らず、それぞれの手になじむものを探す体験ができた

お野菜ストックボックスをつくるのに必要なネジの本数は、なんと88本! つくり終わる頃には、みんなインパクトドライバーの使い方を習得。ネジ止めマスターに!

できあがりは32センチ、真四角なのがかわいい。左右にでっぱりがあるため、持ち運びもしやすい。お茶の道具を入れて野外で一服したり、小さな子どものテーブルとしたり、野菜を保管する以外にも使い道がひろがる

ふたをとって積み重ねることもできる。昔のりんご箱のように、住まいの中の新しい定番になる?!

いつのまにかプラスチックでいっぱいになっている暮らしの中に、ちょっとでも木を取り入れるとなんだか気分も和らぎます。この小さな箱が日本の山とつながっているのだと思うと、さらに嬉しく、自宅に持ち帰った箱を眺めてにやにや。すでに愛着が湧いています。年月を経たらどうなるかも楽しみ。

このお野菜ストックボックス、もっと作りたい、作りたかった、という声があり、2017年度もなんらかの形で講座を開催したいと思っています。

またKUMIKI PROJECTでは、DIYがっこうの活動が広がって、実際の民家のや賃貸マンションで、リノベーション現場を体験できる講座が始まっているので、そちらの動きもとっても楽しそう。作って終わりではなく、一つ一つ違う現場での生の体験が、次の原動力となり、新しい暮らし方、住まい方をつくる人がどんどん増えていったら面白いと思います。

Information

森ノオトではまだ十分使えるけれど自分では使わない、電動工具類の寄付を受け付けます。まだそのための体制が整っていないのですが、買い替えるタイミングで、ウチにあるあれはたしかまだ使えるはず……などと、心当たりのある方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。お待ちしております。

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この記事を書いた人
梅原昭子ライター
引き算の編集が好きです。できないこと、やりたくないことが多過ぎて消去法で生きています。徒歩半径2キロ圏内くらいでほぼ満ち足りる暮らしへの憧れと、地球上の面白い所どこでもぶらりと行ける軽さとに憧れます。人間よりも植物や動物など異種から好かれる方が格上と思っている節があります。
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