どこに置こうか迷っちゃう? 愛着度No.1のダストボックス作りました!
4月から始まった大人気の大丸建設とのコラボ「土曜日の日曜大工講座」。三回目にしてやっと天気に恵まれました。恵まれすぎて暑すぎるくらいの日差しの中、参加者たちは和気あいあいとダストボックスを作りました。(写真:齋藤由美子)

森ノオトと大丸建設でお届けしているリピーターの多い本講座、「やっと晴れたね!」と打ち解けた雰囲気で始まりました。前回の「ブックエンド」同様、今回もキットは使わず、材料を測って切るところからスタートです。これまでと違うところは、希望者はバーナーで木の表面を焼く焼杉加工ができること。無垢のままでナチュラルな雰囲気にするか、焼いてシックな雰囲気にするか選べます。

 

子どもたちが書いた黒板。カラフルな大工道具がかわいい

 

4月と5月はあいにくの雨でしたが、この日は雨を気にしなくていいので、のびのびと会場を使えます。水分補給をしながら、真剣に作業を進めていく参加者たち。個別に進み具合を見て、大工さんたちが次の作業を説明してくれます。

森ノオウチのお庭をフル活用

きっちり測って、まっすぐ切っているつもりでも、板の間に隙間が空いたり、どういうわけか角が揃わなかったりします。天然の木を使っているので仕方ない部分もあり、最後にのこぎりで調整したり、難しいところは大工さんにカンナで削ってもらいました。

最後に角が合わない部分を微調整

 

そうして時間内に出来上がったダストボックス。なんとも言えない味わいのある出来栄えに大満足です。「どこの部屋に置こうか?」「ダストボックスとして使うのはもったいないね~」という声が聞こえてきました。

最近、木育という言葉をよく聞くようになりましたが、本物の木に触れて、扱い方を大工さんから学べるこの機会は、大人にとっても子どもにとっても、素晴らしい経験になるのではないでしょうか。

 

ナチュラルバージョンで作った森ノオトライター清水朋子さんの作品。ダストボックスとしてではなく、中に花瓶を入れて枝を活けている

さて、森ノオトライターの私、前回の日曜大工講座が初参加だったのですが、その後、縁あって大丸建設で働くことになったのです! 以前も自然素材の家を建てる会社で働いていたことがあるのですが、大丸建設も自然素材を用い、明治の宮大工から受け継ぐ匠の技で家を建てていると聞き、とても興味を持ちました。

今回の講座でもまとめ役として講師を務めている安田佳正専務に、講座のこだわりや大丸建設の伝えたいことを聞きました。

 

3回目の参加の小学生は、一人でのこぎりを扱う。真剣に見守る母

 

「本講座で使用する木材は、杉の無垢材です。やわらかく加工しやすい木工向きの材料で、香りもいいです。電動工具を使えば簡単にできてしまう木工作品ですが、なるべく機械は使わず、木にふれ、硬さなどを実感しながら作ることで愛着がわく作品になります」と、安田専務。

さらに、大工道具の使い方についても教えてくれました。

「強度を持たせるために、釘はスクリュー釘を使います。節の部分など、どうしても堅くて釘が入っていかない場合は大工さんが電動工具で穴を開けてくれます。木を扱ったことがないと、節が堅いことも知らないですよね。子どもたちにとってもいい発見になったようでした。
このように、日曜大工講座を行うことで、もっと皆さんに本物の木にふれてほしい、大工さんを身近に感じてほしい、そこから木の家作りに興味を持ってもらいたいと願っています」(安田専務)

大丸建設のメンバー。左上:安田佳正専務、右上:田上純子さん(設計・営業)、左下:石田大工、右下:田中大工

大丸建設は、大工の技術力に自信を持っています。本物の木にふれ、刻める大工の技術は、棟梁を始め、講座でも活躍した若い石田大工、田中大工に受け継がれています。大丸建設では現在大工を募集していますが、「大工」と言ってもピンからキリまで。きちんと木を使える大工でないと採用できないというのです。

「大工工務店だから、木の家を建てるのか? もちろん、それも一つの理由ですが、大丸建設には、木の家を建てることで日本の森や山を守りたいという強い思いがあります」と安田専務は続けます。日本は国土の約66%が森林です。それなのに、木材輸入大国で木の自給率が低い日本。積極的に日本の木を使うことで、林業者にお金が回り、山が手入れされ持続可能な林業経営ができる。山が手入れされることで、土砂災害予防になり、海にも豊富な栄養が届き水産業にもいい影響を与える。住宅に使われる木材は、家が建っている間CO2を固定し、大気中へCO2が放出されるのを防いでくれるのです。「だからこそ、丈夫で長持ちする住宅を、大丸建設が責任をもって建てる。そんな循環で、地球環境保全に寄与できると考えています」と、力を込めます。

 

大工さんに教わりながら初めてのバーナー作業。同じようにしているつもりでも色むらができるのは、板の油分などの影響

 

また、木だけでなく自然素材の材料を使うことにもこだわっているのが大丸建設です。土に還る素材を使うことで地球への負荷を減らし、化学物質を極力使わないことで住む人の健康にも配慮することができます。

「日本の材を使い、日本の大工技術、建具職人の技術等の『木使いの文化』を未来に伝えていくことを使命に、東京多摩地域を中心としたエリアで、お客様の家守~ハウスドクターとしての仕事を全うしていく」と決意を語ってくれました。

 

バーナーの後は、仲良くやすりがけ。やすりをかけることで、焦げを落とし色むらがなじんでくる

 

私は地域に根差した会社で仕事をするのは、今回が初めてです。安田専務の話の中で出てきた、「地域工務店として、拡大を目指すのではなく着実に堅実に会社を維持していくこと。会社を倒さず未来につなげていくこと」の重要性を改めて考えてみました。

社是でもある「住まいは、家を建ててからが本当のお付き合いのはじまり」という言葉。住まい手は、家を大切に維持管理しながら住み続けます。修理したり、大規模リフォームをするには、家を建ててくれた工務店に依頼するのがその家のことを一番分かっているので安心ですよね。着実に堅実に地域に根差した経営をしていくという専務の言葉に、深く共感しました。

最後に、「大丸建設の宝は?」と聞いたところ、「社員と大工」という答えが返ってきました。小さい会社だからこそ、社員全員で想いを共有し、「心つながる家づくり」をしていきたいと語ってくれました。

完成作品と次回(第4回)作る予定のトレー。未来の大工さんたちかな?

Information

株式会社大丸建設

http://kk-daimaru.co.jp/wp/ 

東京都稲城市大丸71-2

TEL 042-377-4441

E-mail info@kk-daimaru.co.jp

<大丸建設「土曜日の日曜大工講座」>

4回:201778日10:00-12:00「トレー」※満席

第5回:201799日10:00-12:00「こどもイス」

会場:NPO法人森ノオト事務所「森ノオウチ」

神奈川県横浜市青葉区鴨志田町818-3

東急田園都市線青葉台駅よりバス「鴨志田団地」「寺家循環」に乗り、「鴨志田町」バス停下車徒歩3分。開始時間20分前に青葉台駅に到着するとちょうどよいです。

参加費:1組2000円(作品1つにつき。出来上がった作品はお持ち帰りいただけます)保険代、道具レンタル代込み

お申し込み・お問い合わせ:参加者全員の氏名、生年月日(保険のため)、住所、電話番号、メールアドレス、参加の動機を記入のうえ、event@morinooto.jpまでお申し込みください。

主催:NPO法人森ノオト

共催:株式会社大丸建設

<夏休み特別企画>

201785日 「ブックエンド」予定

夏休みの企画として、大丸建設の地元・東京都稲城市で、くらすクラス主催の”くらす市”の中で開催します。JR南武線稲城長沼駅での高架下での講座となります。詳細、お問い合わせは大丸建設までお気軽にどうぞ。

メール info@kk-daimaru.co.jp

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この記事を書いた人
坂本カオルライター卒業生
森ノオトで数少ない「リケジョ」で、建築・土木系の記事を手がけられる貴重な存在。巨大な建設物から天然自然な住まいづくりに転身し、化学物質を極力使わないライフスタイルを心がけている。生まれ育った家庭も結婚後も転勤族で、各地を転々とする暮らしを送っているため、抜群の順応性をもつ。
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