2017年夏の3R夢(スリム)は「根っこ味噌」
森ノオト料理部の「3R夢なクッキング講座」と言えば、おなじみの“ベジブロス”。……と思いきや、青葉区界隈でかなりベジブロスが普及してきたことを確認し、2017年初夏の回は次なる展開をみせると聞き、急遽、取材と称して参加してきました!

横浜市青葉区の地域振興課と森ノオトがタッグを組み、2013年から毎年続けている「3R夢なクッキング講座」。「よこはま3R夢(スリム)」とは、横浜市のごみ削減キャンペーンの愛称で、特に最近は台所から出る水分を含んだごみ(生ごみ)を減らすための施策を進めることを重点目標としています。年2回、初夏と秋に青葉区の藤が丘地区センター・山内地区センターで開催されています。
託児つきで無料ということもあり、今では、毎回希望者が殺到するため、抽選で当たった方のみが参加できるという、とても人気の高い講座です

私が参加したのは、今年の初回・6月22日。

参加者は、子育て中のお母さんや、妊婦さん、ベテラン主婦まで総勢11名

講師は、今回も森ノオトの料理部リーダーの大西香織さんです。

3R夢なクッキング講座では、初回からずっとメニュー提案や当日講師までを担当している

講師の大西さん、といえばベジブロス! というくらいに、森ノオトでもベジブロスは定着しつつあります。ベジブロスとは、野菜の根っこや皮を捨てずに冷凍庫でストックしておき、ある程度たまってきたら煮出して野菜のエキスを抽出する「野菜だし」のことです。
講座は参加できなかったけど森ノオトでの記事を読み、我流でベジブロスをつくっている、という方も周りに何人もいます。そういう話を聞くだけで、生ごみ削減や野菜を使い切るという意識の高さを感じていましたが、青葉区の資源循環担当者の話によると、実際には、現在、横浜市の燃やすごみの3割は、買ったものの使いきれていない食材で、年間2万トンもの手つかずの食品が捨てられているとのこと。まだまだ現状では、フードロス(食品廃棄)への意識が根付いているとは言えません。
そこで、今回、ベジブロスを封印して新たに大西さんが提案したメニューが、「根っこ味噌」です。

冷蔵庫に、ちょこっと残っている人参の先っぽ、ごぼうの切れ端、しいたけや玉ねぎなど、根っこに限らず、そのままでは役目を果たさずして捨てられてしまうくず野菜たちの救済レシピです。
この野菜たちに、ひき肉と、ニンニクや生姜などの香味野菜、お味噌などを加えることで、何にでも合い、栄養満点の美味しいお惣菜に変身するのです。

決まりはほとんどなく、野菜の総量(ひき肉2に対して野菜3。今回はひき肉100gに対して野菜150g)のみ。これを、ひたすらみじん切りにします。
入れる野菜もは何でもよく、冷蔵庫に転がっている残り野菜を使います。美味しくするコツは、玉ねぎや長ネギなどのネギ系や、きのこ類を加えると味に深みが増すこと、にんじんや赤ピーマンなど、色物野菜を入れると彩りよく仕上がること、などでした。

通常の肉味噌には出汁は使いませんが、今回の3R夢なクッキングでは、昆布をお水に一晩つけた昆布出汁を使います。にんじんやごぼうなどの固めの野菜を使っているので、柔らかく炒め煮するためです。

この日使った野菜は、玉ねぎ、にんじん、セロリ、ピーマン、小松菜、ごぼう、しいたけ

お野菜たっぷり万能「根っこ味噌」を使って、この日は、ズッキーニボートを作りました。
ズッキーニを半分に切って器にするため、中をくりぬいたものにこの根っこ味噌を入れてオーブンで焼きます。

ず、デモンストレーションとして大西さんが作るところを見る。この間もみんな真剣で、色々と質問も飛び出す

大西さんが一度手本を見せた後、実際に3つのグループに分かれてつくってみました。見ているだけでなく、手を動かすことで、塩梅がわかったり、さらに新たな疑問も生まれてきます。

ひたすらみじん切り。子どもが野菜を食べないので、いつもこうやって小さく刻んでいる、なんて話しをしながら和気藹々とした時間

 

この量のみじん切りはストレス発散にもなりそう! レシピにはなかったが、くりぬいたズッキーニの中身も一緒に

この日も、同じ材料を使っているのに、お手本と少し味が違うケースが見られました。
これは、測り方によるもの。調味料を入れる時の計量は、きっちりとすりきりで測ること。大さじ1は、大盛り1杯ではなく、すりきり1杯、であること。
意外とこういうところを知らない人が多い、と大西さん。
私は、知っていながら、”だいたいこのくらいかな〜”というタイプですが……きっとこういう人多いのでは?
まずは、レシピ通りに作って、そこから自分流に変えていくといい、とのアドバイス。ごもっともです。

そして、昆布だしは、水けのある野菜の分量などで変わってくるので、様子をみながら足してみるとよい、と話していました。

ズッキーニに盛り付けた、オーブンで焼く前の根っこ味噌

その他、同じ昆布だしを使って作った豆乳ビシソワーズも盛り付け、みんなで試食タイムでしたが、一口食べたこの根っこ味噌に思わず歓声が!

もう、このお味噌は舐めるだけで美味しいのです。

今回はズッキーニボートだったが、冷奴に乗せたり、厚揚げに挟んだり、何にでも使えるよ、と大西さん。

参加者からは、「きゅうりにつけて食べても美味しそう!」といろいろなアイデアがあがっていました。

野菜はもちろん皮はむかずに全部使っているので、ごみもほとんど出ず、料理後も気持ちの良いメニューでした。

講座終了後、青葉区役所地域振興課の方にいただいたフードロス対策のチラシを見ると、我が家の冷蔵庫の惨状が目に浮かび……できることがいっぱいありそう! 私がすぐに全ての対策をできるわけではありませんが、意識するというだけでも、ここのところ随分と買い物の仕方、買ったものの保存の仕方が変わってきました。

そして、根っこ味噌は、その日以来我が家の定番に!
母としては、これだけで十分野菜が取れるので、忙しい時でも、とにかく根っこ味噌をご飯に乗せて子どもに食べさせておけば他がどうあれ栄養は取れている! という安心感につながっています。

ぜひ、美味しくて、残り野菜の使い切りができ、栄養もしっかり取れる「根っこ味噌」を、食卓に取り入れてみませんか?
次回、講座は10月末に予定されています。

当日配られていたチラシ

Information

3R夢なクッキング講座》

1019日(木)藤が丘地区センター、1020日(金)に山内地区センターで開催予定です。

応募要項は「広報よこはま青葉区版」9月号に掲載されますので、ご確認ください。

お問い合わせ先:

青葉区役所地域振興課

TEL:045-978-2413

mail:ao-shigen@city.yokohama.jp

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この記事を書いた人
齋藤由美子ファクトリー事業部マネージャー/ライター
森ノオトの事務局スタッフとして、主にAppliQuéのディレクションを担当。神々が集う島根県出雲市の田舎町で育ったせいか、土がないところは落ち着かない。家では「シンプルな暮らし」関連本が十数年にわたり増殖中。元アナウンサーで、ナレーターやMCとしての顔も持つ。小6女子の母。
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