皆さん、6/21が何の日か知っていますか?
2014年、インドのモディ首相の提案を受けて、6/21は「国際ヨガの日」と国連総会(UNGA)で認められました。「国際ヨガの日」には世界各国でヨガを楽しもう!と、たくさんのヨガイベントが開かれます。その中で、ヨガをより多くの人に気軽に親しんでもらおうと日本で始まった無料ヨガイベントが「YOGAMUDRA」です。
始まりは2015年。全国各地でたくさんのヨガインストラクターたちが「国際ヨガの日」近くに無料クラスを提供しました。2017年は全国29か所、のべ1323名が参加、2018年も75名のヨガインストラクターが全国26か所でYOGAMUDRAを開催する予定と、年々大きな広がりをみせています。
2017年からYOGAMUDRAは「様々な人やもの、思いやりが循環する『ギフトエコノミー(循環型社会)』の一部であろう」とドネーション(寄付)制が始まりました。またドネーション制クラス以外にも無料クラス、有料クラスとそれぞれの形で、場所や規模もバリエーション広く開かれています。
昨年のYOGAMUDRA全体でのドネーションは、日本スローフード協会に82,051円が届けられたそうです。また2018年は日本スローフード協会を通し、フードロス削減活動の「TABETE.ME」に還元されます。
「ギフトエコノミー(ギフト経済)」とは、お金が支える資本主義経済の代わりに生まれた、与えることで循環させていく経済です。「give & take」で等価交換するのでなく「give & give」で思いやりと信頼を基に、与えることで成り立つ経済。
ギフトエコノミーという言葉を初めて耳にした時、資本主義にどっぷり浸かっている私は、そんなことで生きていけるのだろうか?と「???」がいっぱい頭に浮かびました。
「give & give」を不特定多数の人とわかちあえるのだろうか?お金を介さずに経済が循環するなんてことがあるのだろうか?そんな疑問がわいたのです。
カリフォルニア州バークレーにある「カルマキッチン」というインド料理店からこの「ギフトエコノミー」は始まりました。
このレストランのメニューには値段がなく、食後に封筒とメッセージが渡されます。そこには、食事代は0ドルであること、食事代は前に来た人が支払ってくれたギフトであること、もしギフトの輪を続けていこうと思ったら次に来る方のために恩送り(Pay it forward)をしてください、といったことが書かれているそうです。
払わなくてもいいし、誰がいくら払ったかもわからない。そのレストランで働くスタッフたちもボランティアです。
この時私の頭に浮かんだのは以前、森ノオトで取材した「かもマチ食堂」でした。誰かと一緒にご飯を食べようといろんな世代の人が集まる場所としてこの食堂は毎月一回、開かれます。
スタッフは皆、地域に住むボランティアの方々で、食材も寄付などで賄われ、子どもたちをはじめ多世代の方が集う場所として開放されています。スタッフの方が話された「ありがとうの一言が聞ければそれでいい」という言葉は「give & give」そのものだと思いました。
今この日本にもそういうギフトエコノミーのような善意は確かにあると私は思いだしました。
「ポットラック」と呼ばれる参加者が食べ物を持ち寄るギフトエコノミーも、日本では「おもたせ」や「持ちより」として慣れ親しんでいる習慣です。
「Pay it forward」とはギフトエコノミーについて語られる時によく使われる言葉ですが、直訳すると、“先に支払う”“恩送り”“次へ渡せ”などとも訳されたりします。
私がまだ若く、子どももまだ小さくて精一杯がんばって子育てをしていた頃、いつもお世話になってばかりだった近所の先輩ママに「お世話になってばかりで何も返せなくってごめんなさい」と言った時「大丈夫よ。私に返さなくていいからまた次のママに優しくしてあげてね。私も昔、お世話になった方にそう言われたの」と返されました。その時の感動はずっと心に残っています。
YOGAMUDRAの活動を始めて3年目。
横浜市青葉区鴨志田では2015年より「YOGAMUDRA鴨志田」として無料クラスを開き、これまで延べ40人ほどが参加しました。
そこで今年は、私も自分ができることをただ参加者に「ギフト」するだけでなく「ギフト」の輪を作ろう!と呼びかけてみようと思いました。それは、ヨガのクラスに参加することで「かもマチ食堂」そして「森ノオト」を応援するという「ギフト」の輪です。
ドネーションはしてもしなくてもいいし、金額も自由です。このギフトエコノミーの輪に加わることで鴨志田の地域の豊かさや、人との繋がりが見えてくるそんな場が「YOGAMUDRA鴨志田」です。
*YOGAMUDRA鴨志田6/14(木)は「かもマチ食堂」へのドネーションです。
ギフトエコノミーの提案について、熊澤美佐子さんは「毎年、無料でよかったーと気軽にヨガを受けていたけど、いい発想だなと思いました。こういう善意の広がりが増えればうれしいです」と話してくれました。
他にも「明確にドネーションの先がわかるのがいい」「自分の暮らしている地域に還元されるのがいい」なんて声もあがっています。
*YOGAMUDRA鴨志田6/20(水)22(金)は「森ノオト」へのドネーションです。
6/22(金)は、ヨガクラスだけでなく森ノオトライターの山田麻子さんが開いてくれる「小さなおはなし会」もあります。
森ノオトでおやつと読書の記事でおなじみの麻子さんは、次のように話してくれました。
「津矢子さんから“一緒にやらない?”と声をかけてもらった時からワクワクが止まりません。だって、ヨガと“おはなし会”がセットになっているなんて楽しくないはずがありませんから。経験の浅い私ですが、みなさんにステキな“ギフト”を渡せるように、“何を読もうか、何を語ろうか……”と心ときめかせながら準備中です」
楽しみですね!
「小さなおはなし会」では、詩、絵本の読み聞かせ、素話(耳で聞いて楽しむ物語)などを予定しています。
読者の皆さんの中には、資本主義に代わる経済循環なんて聞くと、ありえない!と思う人もいるかもしれないですね。でも小さな一歩からしか何も生まれない、と私は思います。
私は自分ができることを、自分のまわりにいる身近な人たちと、未来に生きる人たちのために未来の地球のために、一歩でも歩みたいと思いました。
毎年ニュースで流れる、節分の日の後に廃棄される巻き寿司が、食に困っている誰かのために活用される日がくるとしたらそれはとても明るいニュースです。
地球最後の滅亡の日に流れる最後のニュースはどんなニュースだろう?と私は考えました。誰かへ送るギフト、善意というものは「パンドラの箱の最後の希望」のように、「最後のニュース」になるかもしれない、と想像がふくらみました。
6/21は夏至の時期、太陽が一番長く現れる頃です。命を育む太陽のエネルギーが一年で一番強い時、ヨガをすることで自分の中の命を大切に育くみましょう。
そしてまわりの誰かにもその幸せを「Pay it forward」しませんか?
○ 6月14日(木)
・9:30〜10:40「やさしいデトックスヨガ」
・11:00〜12:10「Woman’s YOGA 〜月経中をヨガでhappyに〜」
会場: 四季の家(寺家ふるさと村:横浜市青葉区寺家町414)
参加費: ドネーション制定員: 各クラス10名(先着順)
*駐車場ございます。
○ 6月20日(水)
・8:45〜9:45「朝ヨガ」
・10:40〜11:50「デトックスヨガ」
・12:20〜13:30「Woman’s YOGA 〜女性のためのゆるめるリラックスヨガ〜」
(注:こちらは「小さなおはなし会」はありません)
会場:森オウチA棟(〒227-0033 横浜市青葉区鴨志田町818-3)
参加費: ドネーション制
定員: 各クラス4名(先着順)
*公共交通機関でお越しください。
○ 6/22(金)
・9:00〜10:20「朝ヨガ & 麻子さんの読み聞かせ」
・10:40〜12:00「Woman’s YOGA & 麻子さんの読み聞かせ」
*10:40〜の回はお子様連れ歓迎です。その場合あらかじめお知らせ下さい。
会場: エスポワール松風台集会所(〒227-0067 横浜市青葉区松風台14-1)
参加費:ドネーション制
定員: 各クラス10名(先着順)
○全クラス共通です。
・持ち物:ヨガマット、飲み物、タオルなど
・お着替えをするスペースはございません。動きやすい格好でお越しください。
・レンタルマット(100円)はご予約時にお伝えください。
ヨガインストラクター: 新楽津矢子
「小さなおはなし会」: 山田麻子
お問合せ:Tsuya Sun YOGA
090-7260-0381
tsuya8787@gmail.com
YOGAMUDRA
Slow Food Nippon 一般社団法人 日本スローフード協会
http://www.slowfood-nippon.jp/
TABETE.ME(ドネーション還元先)
注:基本的にYOGAMUDRAのドネーションはフードロス削減活動の TABETE.MEに還元されます。地域の団体へはYOGAMUDRA鴨志田で行われる試みです。
カルマキッチン・Taste of Himalayas Restaurant
http://www.karmakitchen.org/city/berkeley
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