ひきちガーデンサービスは、個人の庭づくりを専門として、夫婦二人で営んでいる植木屋さんです。
「庭は毎日の暮らしの空間です。庭が使いやすければ、庭に出ることが楽しくなり、ますます居心地のよい場所になっていきます。
そのためには、木の一本一本に合った剪定とともに、機能的で、シンプルな飽きの来ないデザイン、そして、なるべく環境に負荷を与えない自然素材や材料で、ていねいな庭づくりをしています。流行に流されない、伝統に縛られない、長く使え、なおかつ生活の中で愛着がわいていく…それが私たちの庭づくりのコンセプトです。」(ひきちガーデンサービスHPより引用)
埼玉県飯能市にある、ご自宅兼事務所の「雨音堂(あまねどう)」とそのお庭には、この言葉が、そのまま表現されていて感動します。敷地に足を踏み入れた時からなんとも心地よく、お二人が手間を惜しまず、楽しみながら家と庭を育ててきた様子を肌で感じられました。
歌って踊れる市民活動家を目指して(!)実は、横浜で様々な集会やイベントをしていたというトシさんは、義治さんと出会い、造園業に足を踏み入れました。全くの造園初心者だったトシさんは、掃除や見習いから始めて経験を積み重ね、自然の仕組みを知るごとに、庭づくりの世界に魅了されていったそうです。今では庭づくりに関する著書もたくさん出されて、夫婦揃って各地で講演会を行ない、その楽しさと奥深さを伝える仕事もされています。
書籍の中でも好評だったという『虫といっしょに庭づくり-オーガニック・ガーデン・ハンドブック』(築地書館)、『雑草と楽しむ庭づくり -オーガニック・ガーデン・ハンドブック』(築地書館)には、庭で出会う様々な虫や雑草が写真付きで詳しく解説されていて、彼ら(雑草や虫)との付き合い方や、薬に頼らない対処法が載っています。
「最初は虫なんて大嫌いだったけどね、今では好きになっちゃった。人のウチの塀とか、地面に近いところで、ぐっと寄って写真を撮ってたら怪しまれたこともあるのよ!」と明るく笑うトシさん。
庭には他に、薪小屋やピザ窯小屋、人が寝泊まりできる薪ストーブ付きの小さな小屋まであり、庭だけでも快適に暮らしていけそうなくらい充実しています。
最近忙しくて心の余裕を失っていた私。放置してしまった我が家のベランダを思い、理想の空間づくりを私もまた考え直そうと元気が出てきました。植物の世話が面倒で苦手だという人も、自分の使いやすいように環境をつくれたら、自然と庭に出たくなってしまうのではないでしょうか。そのための基本的な考え方やコツを、トークショーで学んで実践する人が増えるといいなと思います。
人間にとって一見不都合に感じる虫や雑草ですが、ただ放置するのでもなく、よく観察して必要な処置をすると、その結果をまた庭や、植物たちが教えてくれます。庭仕事は、身近な自然との終わることのない対話なのだなと私は改めて感じていました。
「雑草も、一本の草と見れば一つの生き物です。敵と思って根こそぎ抜かずに、刈るだけで十分だったりするんです」と静かに語る義治さんの言葉が印象に残っています。
お二人は、7、8年前から月一回の句会に参加するようになったそうです。移りゆく自然の姿を言葉に写しとる作業。長い時間をかけて洗練されてきた季語の楽しさや奥深さ。「俳句の世界では、ありきたりの日常を、いかに思い込みを取り払って見られるか?」が重要だというお二人。生き物や自然に対する先入観や固定した考えや感情にとらわれない、自由な心でいられるのは、どうやら俳句の影響も大きいようです。
いのちがめぐる生き生きとした庭づくりをされている義治さんとトシさんに会うと、知らぬ間に凝り固まっていた考えがひっくり返るかもしれません。庭仕事ビギナーもプロも、それぞれに響くところがあるような、楽しいお話がきっと聞けると思います。
曳地義治さん&トシさんのトークショー
「いのちがめぐる庭づくり」
2019年3月9日(土)13:00-15:00(開場12:45)
会場:青葉区役所4階会議室
定員:100人
参加費:無料
申込みは、イベントのタイトル、お名前、ご住所、電話番号、メールアドレスを明記し、event@morinooto.jpまでお申し込みください
Eメールをお持ちでない人は、FAXで企画調整係045-978-2410へお願いします
※保育あり:保育希望の方は、お子様のお名前、年齢、アレルギーの有無を記載し、2/28までにお申し込みください。
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