夫の祖父が「孫のために」と40年ほど前に植えたという夏みかんの木。今では、高さが10mほどの見上げる大きさに生長しました。今年はこの1本の木から、なんと200個以上の果実を収穫! ほとんど手をかけずに、これだけの果実を実らせるので、本当に自然からの贈り物だなあ、と毎年感心してしまいます。
夏みかんは、春に白い花を咲かせ、夏から秋にかけて果実を実らせ、緑色だった果実が11月頃には黄色く色づきます。
しかし、色づいてすぐは酸味が強いため、冬を越して春を迎えた4~6月頃に収穫をします。夏みかんは柑橘類の中でも耐寒性があり、関東周辺でも果実の収穫ができるので、庭木としてもとてもおすすめです。
毎年、たくさんの夏みかんが採れるので、昨年までは、贅沢にもジューサーを使って生絞りジュースを子どもたちと楽しんでいました。しかし、冷静に考えてみると、夫の実家の夏みかんは無農薬無肥料栽培のもの。生絞りジュースで、果皮や果肉をちゃんと活用できないまま捨てていたので、なんてもったいないことをしていたのだ!と気づきました。
今年は、夏みかんを活用して何かつくってみたいなあと思い、友人の菓子職人であり、「菓子工房Tumugu」を主宰する菅澤智子さんに相談したところ、作り方を教えてくれることに!
菅澤さんは、横浜の食と農をつなぎ地産地消を広める活動を行う「はまふぅどコンシェルジュ」でもあり、横浜の農産物から自家製酵母をおこし、発酵菓子づくりをしています。横浜市都筑区を中心に、地域のマルシェやホームページにて発酵菓子の販売を行い、その魅力を広めています。また、小さなお子さんでも思いっきりお菓子を楽しんで食べてほしいとの想いから、砂糖不使用のお菓子づくりにも取り組んでいます。
今回は、そんな菅澤さんにレシピを教えてもらいながら、夏みかんのピールづくりに挑戦してみました。
■夏みかんのピールづくり
【材料】
・夏みかんの皮(4個分)
・りんご果汁 適量(ストレートのもの)
【作り方】
(1)夏みかんの皮をボールなどに入れ、水にさらして一晩冷蔵庫で置く。
(2)(1)の夏みかんの皮を鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れてゆでる。沸騰したら夏みかんの皮をざるにあげ、ゆで汁は捨てる。これを3回繰り返す。
(3)夏みかんの皮を5㎜ほどの幅の薄切りにする(苦味が苦手な場合は、皮の内側の白い部分をなるべくとる)。
(4)(3)の夏みかんの皮を再び鍋に入れ、皮がすべて浸る量のりんご果汁を入れ、煮詰める。
(5)1時間ほど、果汁が無くなるまで煮詰めたら完成。
ピールづくりは、菅澤さんに作り方を教わり、後日私ひとりで挑戦したのですが、最後に煮詰める際、焦がしてしまうのが心配で、果汁が少し残っている状態で鍋から上げてしまったようで、苦味がかなり強い仕上がりに……。
菅澤さんに相談したところ、「ちゃんと煮きった?手間だけど、もう一度煮る工程をやってみて」と言われ、再度ピールを鍋にかけて、煮詰めました。すると、苦味が緩和されて良い感じの仕上がりに。
今回、初めて夏みかんのピールづくりに挑戦し、ちょっぴり失敗もありましたが、来年も、この季節の恵みを味わう喜びを噛みしめながら、ぜひ作りたいなと思いました。
そうして、このレシピがわが家で熟成して、発酵して……いつか、子どもたちに引き継げる日が来るまで、手仕事を重ねていけたらと思います。今回レシピ教えていただいた菅澤さん、ありがとうございました!
既に来年の夏みかんの収穫が、今から待ち遠しいくらい楽しみです。ぜひ、みなさんも夏みかんが手に入ったら作ってみてくださいね!
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