おいしく、たのしく!私たちの暮らしのエコ、集めました【たのしく編】
森ノオトライターが実践している暮らしのエコを教えてもらったところ、様々なおいしいエコや楽しいエコが集まりました。前編では、ぬか漬けや家庭菜園などおいしいエコを紹介しました。肩の力が抜けたところで、後編では楽しいエコを紹介します!

森ノオトライターに一番人気だった暮らしのエコは、なんとぬか漬け(みんなのぬか漬けライフは、【おいしくい編】でお届けしています)。

エコというとどこかストイックな印象があった私は、気負わずに、楽しみながらエコ生活をしている様子に刺激を受けました。後編でも、すぐにでも始めたくなる楽しいエコを紹介します!

 

 

役目を終えた洋服の活用方法

お気に入りだったりよく着ていた洋服は、たくさんの思い出や愛着が詰まっていて、出番がなくなってからもなかなか捨てられない、という人も多いのではないでしょうか。布ものはなかなか捨てられない、という山田麻子さんもその一人。

以前に着ていた夫のシャツや、私のワンピースなどでマスクを作りました。家族のだからいいかなぁと。服として仕事を終えても他のものに作り替えるのが好きです」

マスクの他にも、かばんの手提げ部分に布を巻いて使ったりと活用方法を教えてくれました。汚れてきたり体型に合わなくなったりと、洋服としての役割を終えても、お気に入りを引き継ぐことができるのは嬉しいものですよね。かばんの手提げに布を巻く方法は、お裁縫が苦手な人でも真似できそうです。

左はスカートをリメイクして作ったガーデニングエプロンだそう。おしゃれ!

同じく子ども服で作ったというマスクを披露してくれた塚原敬子さんは、余り布を掃除に活用しているそうです。

お皿洗いも、捨てるTシャツをカットして油分を拭き取ったり、靴下は大掃除の時に手に被せて、窓のサッシなどを拭いてサヨナラします

捨ててしまう前にもうひと仕事。どうせ捨ててしまう布と思えば、頑固な油汚れにもためらいなく挑めます。あらかじめ使いやすいサイズに切っておけば、サッと掃除ができて家の中もきれいになりそうですね。

 

また8歳の息子さんと5歳の娘さん、2児の母である松井ともこさんは、こんなエピソードを教えてくれました。

「私が割と長く続けているのは、子どもたちの古着の交換です。

息子の女の子の同級生のお洋服を妹用にいただいたり、息子の同級生の弟さんに、息子が着ていた洋服をあげたりしています。

あげたお洋服が成長して着られなくなったとのことで、さらに保育園の別の子に渡っていたこともあり、受け取ったお母さんからある日突然お礼を言われて驚いたこともありました。

それから、娘はお兄ちゃんの同級生の女子たちにとても憧れていて、そんなお姉ちゃんのお洋服を着られることが嬉しくてたまらないようで、保育園の先生にいつも喜んで報告しています。

その姿を見ていると、新しいとか古いとかじゃない物の価値を感じます」

子ども服はすぐにサイズアウトしてしまったり、子どもの好みであまり着てくれなかったりと、捨てるのも雑巾にするのも忍びない場合がよくありますね。

子ども服を介してお母さん同士のやり取りが始まったり、子どものキラキラと輝く笑顔が見られたりと、お下がりがとても素敵なコミュニケーションツールになっている様子が伝わってきます。

 

自然の恵みをいただく その1:ソーラー発電

みなさんは、ソーラー発電と聞いてどんなものをイメージするでしょうか?

家の屋根にソーラーパネルをたくさん並べてた大掛かりなものか、キャンプなどでスマホを充電する際に使える携帯用のものがあると聞いたことあるな……というくらいの知識しかなかった私。

先ほど紹介した塚原敬子さんがソーラー発電と蓄電池を導入したと聞き、その様子を見せてもらうことに。

 

ソーラーパネルは外に置いているはずだし、どうやって使うのかな?風の強い日や夜はしまうと言っていたけど、なぜ?どうやって?ピンとこないまま、気持ちのよい晴天の日に見せてもらったところ、こんな手軽に太陽光が活用できるなんて!と驚きました。

 

敬子さんが取り入れたソーラーパネルは、A3サイズより一回り大きく厚さは5,6cmほど。取っ手が付いたアタッシュケースのような形で、持ち運びができます。それをパタパタと広げると、4枚のパネルが並んだ状態になりました。裏面に簡易的なスタンドが付いており、パネルを支えて自立するようになっています。

端部の裏側には機能部が収納されていて、そこにコードをつないで直接スマホやパソコンの充電をしたり、蓄電池につないで蓄電します。塚原さんは夕方以降、室内で蓄電池にコンセントをつないで扇風機やスマホの充電に使っているそうです。

塚原さんが使用しているのはsuaokiというメーカーのもの。それぞれのパネルはとても薄い!

 

蓄電器をソーラーパネルにつないで蓄電する

目の前で蓄電池に電気がたまっていく様子を見ていると、普段は意識していない太陽エネルギーの力を感じます。それを活用していない状態がまるで水道の水を出しっぱなしにしているようで、思わずもったいない!と言葉が漏れていました。

 

ただ、こちらのパネルは機能部も一体になっており、雨に濡らしてはいけません。また、持ち運びが前提となっているためスタンドは簡易的でやや心許なく、雨や風の強い日は室内に置いておく必要があります。

 

すでに同様のソーラーパネルを利用していた松井ともこさんからはこんな声が届きました。

「ソーラーは夫が選んで設置していたのですが、その日の天気予報に合わせて毎朝、蓄電池とパネルをベランダ(屋根なし)に設置するのが結構な手間だったようでした。最初のうちは、1日の蓄電量を観察しながら家族で盛り上がっていたのですが、普段共働きで家にいないため、急な雨に濡れてしまうと壊れてしまうという心配を理由に徐々にやらなくなり。ちょうど先日、災害時用にしようか……と話していたところでした」

 

目の届きやすい範囲でソーラーパネルを広げることができ、また蓄電した電気を使用する部屋があまり遠くなく、蓄電池の移動が無理のない範囲で可能な場合は生活の一部として長く続けられそうですが、生活スタイルに適しているか検討した上で取り入れる必要がありそうです。

また、始める際は災害時での使用も想定しておくと、万が一の際に安心でもあり、日常的に使うことが難しくなったときにも無駄になりません。

 

自然の恵みをいただく その2:雨水タンク

自然の恵みの利用としてもう一つ、新楽津矢子さんは雨水タンクを教えてくれました。

「雨水タンクはとても便利です!わが家は、外の水道は地面に埋め込まれ立ち水栓がなかったので、階段に置いて、植木の水やりや亀の水槽洗いなどに重宝しています。市の助成金で半額になりました」※横浜市では雨水貯留タンク設置助成制度があります。申請方法等は各自治体へお問い合わせください。)

キャプション:大掛かりな工事をしなくても設置できる雨水タンク。庭のあるお家にはあって損はなさそう

 

 

その他、あるものを活用して…

そして私はといえば……特別意識してエコに取り組んでいなかったものの、振り返ってみるとエコだなと思えるものがいくつかあったので紹介します。

 

わが家にはもうすぐ4歳になる息子がいますが、ここ数年、誕生日の飾り付けを読み終わったフリーペーパーで作っています。ちょうどよい紙が手元になく、わざわざ買うのもめんどうだなぁとズボラ精神が幸いして目についたのが、写真がきれいなためになんとなく溜め込んでいたフリーペーパー。

色のきれいな写真のページを集め、短冊状に切って輪飾りにしたところ、折り紙で作るものとはまた違った表情のカラフルな飾りができました。

コツは長さや幅を大雑把に切ること。リズムが生まれます

もう一つ、夫が木工作家であることから家では木の器を多く使っているのですが、木の器は外でのピクニックや大勢集まる際にぜひおすすめです。

木の器は手入れが大変と思われがちですが、初めにオイルや漆を染み込ませた木の器は油切れも良く、また軽くて落としても割れないため、重ねての持ち運びや子どもが使うにもぴったりです。

丈夫で使いやすく、何よりよい雰囲気で外ごはんが楽しめます。

その他、割れた陶器の器は夫が時間を見つけてはコツコツと金継ぎ補修をしています。気に入っていたため捨てたくない気持ちが大きいのですが、このように物を大切に愛おしく思うことがそれだけでエコにつながっていたのですね。

少しのおかずと木のお皿を荷物に忍ばせ、食パンを買って公園のベンチで手軽に外ごはん

 

簡単な料理を木の器に詰め、そのまま外へ持ち出しピクニック

無意識に暮らしに取り入れていた私のエコ。森ノオトライターが楽しくやっているエコが私の意識を変えたように、誰かのエコへの気持ちを軽くしたり、はじめの一歩を踏み出すきっかけになったら嬉しく思います。

 

そして全てに共通しているのは、「なるべく捨てない・買わない」=「あるものを活かす、長く使う」ということ。

おいしい編でもきゅうりなどを種から育てているエピソードを紹介しましたが、自宅の庭で様々な植物を育てている新楽津矢子さんは、その他にも成長しすぎた苔玉の苔を育てていたり、植木鉢の代わりに籠を使ったり、花をつける雑草は抜かずに愛でていたりと、当たり前のようにあるものを活かし、大切にしています。

頑張ってエコしようと思わなくても、その意識さえ頭の片隅に持っていれば、無理のない範囲で自然と行動も変わってきそうです。森ノオトライターの暮らしぶりをみて、そんなことに気付かされました。

使いづらかった籠を植木鉢に転用。雑草もかわいい

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この記事を書いた人
渡辺 絵梨ライター
旅とおいしいものが大好きな一級建築士。木工製作担当の夫とともに「mujina設計室+木工房」を主宰してスプーンから家具、建築まで、生活にまつわるあれこれを設計・製作しています。日々過ぎてゆく日常を、少しだけ豊かにするきっかけとなれるよう活動中。実はハンモックのエキスパート。
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