AppliQué 日々のコト vol.21 ーめぐる布市ーはじまりとこれから
「捨てるとつくるを楽しくつなぐ」森ノオトのアップサイクル工房「AppliQué(アプリケ)」。先月(6月)に初開催し好評だった布や手芸用品のアウトレットマーケット「めぐる布市」の次回開催が、7月20日(月)〜23日(木祝)に決まりました。前回の様子を振り返りながら、今回の見どころやオススメを紹介します。

6月26日から3日間開催した「初夏のめぐる布市@森ノハナレ」は、大好評のうちに終了しました。

 

めぐる布市開催の経緯はこちらの記事で
https://morinooto.jp/2020/06/12/megurununoichi/

 


この時は、このコロナ対応の新しい生活様式の中で、私たちができる形を模索することに精いっぱい。次回以降の開催日程も全く決まっておらず、まずやってみよう、試してみよう、という手探りのスタートでした。

なので、展示に使う什器なども、継続できるかわからないことから、とにかく「新しいものは買わない」「あるものを持ち寄ろう」という方針に。会場レイアウト担当のスタッフから「おうちに小引き出しあったよね?」「ヤシの実のかご、何個あったっけ?」「りんご箱、いつから借りれる?早めが助かるんだけど」「彼女の家、確か大きめのカゴあったね」と、勝手知ったる人んちの雑貨……各家庭で普段使いされているその雑貨たちをかき集めてつくったのがこの空間でした。

 

普段はそれぞれ別々の家で使われている雑貨が不思議としっくりと落ち着き、居心地のよい空間が生まれた

 

ここにたどり着くまでが、実はとても大変でした。

AppliQuéの活動は、これまで商品を作って販売することがメインで、素材そのもののマーケットを開くのは初めてのこと。まずは寄付品としてAppliQuéに届いている全ての資材を仕分けするところからスタートしました。何がどれくらいあるのか、次々と大量に寄付品が届くために整理が追いついておらず、まだ全貌が見えていなかった素材たち。まず全てをダンボールから引っ張り出すことに。ダンボールの山に埋もれ、みんなの顔が「途方もない感満載」になりました。合言葉は「間に合うのかな?」

ボタンや糸、羊毛、毛糸、ファスナーといった素材のほか、型紙や手芸道具、手芸本、様々な手芸キット、そのほか何に使うかわからない雑貨などに分けました。

それを今度は、詰め放題コーナーとそれぞれの展示コーナーに分け、一つずつ値段をつけていきました。

 

布は、一枚一枚全て広げてサイズを測り、種類別に分け、値段をつけた

 

カットクロスはアイロンをかけて綺麗にたたみ直して、麻紐で結んでセットに

 

糸やボタンは種類ごとにまとめて場所を決めて展示

しかし、この段階で、布フェチたちはやはり違います。

 

 

「この布かわいいー!」「この糸、見てよ、すごくない?!」「萌えるわあ~」と盛り上がる。


時間がないと言いながら、この仕分け作業も存分に楽しむスタッフたちに、頼もしさを感じました。

 

そして、きちんと陳列されて収まるところに収まった布や手芸用品は、ダンボールに入っていた時とは全く違い、ぐっとよそゆきの顔をして、品のある表情に変わります。それは、もう見事なくらいに。

 

今回、3日間開催してみて、お客さんからはこんな声が。

「時間区切ってもらえてよかった!区切られていなかったら延々いてしまいそう」

「ワクワクしてすごく楽しい時間だった!また来たい!」

「こういう手芸屋さんって今時なかなかないよね」

「宝探しみたいだった!」

 

そう、宝探しという言葉が本当にぴったりなくらい、何度も見ている私ですら、見るたびに新しいものが目に入り、ワクワクしながら手に取ってしまいます。布市の期間中も、スタッフが様子を見ながら在庫を随時追加しているからです。

 

そして、値段も通常の手芸屋さんとは違い、とてもリーズナブルなので、たくさん買っても安心なお値段なのが嬉しいところ。みんなで自分の選んだ戦利品を並べておしゃべりが盛り上がるのもまたこの布市の魅力の一つです。

 

詰め放題のボタンは子どもたちにも人気。「おもちゃ屋に行くよりいいね!」という母の声も

 

こういうものが欲しい!という目的を持って来る人や手芸好きな人だけでなく、布が好きな人、素材を眺めるのが好きな人、何かやってみたいけど何を作りたいかよくわからない人も、この空間で素材を見て、スタッフや居合わせたお客さん同士で会話をしているうちに、こういうことができるかも、こういうものが欲しいかも、と。そんな想像に思い巡らす時間がすごく楽しい時間になっていました。

 

私たちも会話をしているうちに、「今度は、サンプルをもっと置いておきたいね」「オーダーも受けられたらいいね」「実際にここで簡単に何か作れたらいいね」と、アイデアがどんどん広がりました。

とにかく私たちもみんなこの空間と時間が愛おしく、楽しかったんです。

 

今後のことを決めないままスタートした初回のめぐる布市は、お客さんの反応に自信をもてたこと、何より自分たちがとても楽しく、スタッフみんなの「続けたい」という気持ちの高まりに後押しされ、定期開催が決まりました。
二十四節気にちなんで、7月と8月は月に4日間ずつお店を開きます。まだまだこれから作っていくお店。毎回シーズンに合わせ、テーマを決めたり、企画をしてみたり、要望を聞いていったりしながら、少しずつ手を加え作り上げられたらなと思っています。

 

この「めぐる布市」は、定期開催だからといって、毎回同じものがあるわけではありません。普通の手芸屋さんのように、こちらの希望で仕入れているのではなく、皆さんから寄付していただいたものを、きれいな状態に整え、時にはおめかしさせ、また新しい使い手へとつなぐ場なのです。

 

希望のものがあるとは限らない代わりに、毎回何に出会えるかわからない楽しみがあります。

そして、全てのものを展示できないので、申し込みの際に事前に希望を聞いてスタッフが在庫から探しておいたり、来ていただいて会話の中でご案内ができたり。ネットショッピングとは違う、そんなセミオーダー的な買い物を楽しんでいただけたらなと思います。

 

今回も、すでに申し込みは始まっていて、リピーターで来てくださる方が何名かいらっしゃいます。

そうやって、回を重ねて顔を合わせながら、馴染みのお客さんができていく、昔のご近所の手芸屋さん的な場になるといいなと思っています。

 

今回は二十四節気の大暑にあたる時期の開催、暑い夏も手作りを楽しんでほしいという気持ちを込めて、「夏をたのしむ めぐる布市」です。

 

 

夏に涼しげな浴衣地やサッカー地、色鮮やかなアフリカンも夏こそ似合う。
後ろに見えるハワイアンな生地はスタッフおすすめ!

 

夏は、ミシン部屋にこもるより、手作業でチクチクするのがちょうど良いかも。

 

尺のたっぷりあるロール状のレース生地。カーテンなど大物も作れそう

 

 


今回は、その場で布を選んでファブリックパネルを作れるよう、タッカーなど道具も用意しておいてあるので、ぜひお気に入りの布を見つけて作ってみてくださいね

 

前回好評だった、参加費代わりの布詰め放題。今回ももちろん開催します!

 

さあ、どんなものを用意して皆さんをお迎えしようかな?今回実際に並ぶ商品は、フェイスブックのイベントページで随時紹介しますので、そちらもフォローしてくださいね。

https://www.facebook.com/events/200451511332159/

 

この原稿を書いている今、実は布を用意する前に、しまいきれないくらいに届く布のための棚づくりDIYをやっと終えた段階……。この話はまた次回。

Information

夏をたのしむ めぐる布市

【日時・申し込み方法】

7月20日(月)~23日(木祝)

10:00-11:30/11:30-13:00/13:00~14:30

人数限定の予約制です。

 申し込みフォームから、希望の時間帯をお選びください。

*次回は8月23日(日)〜26日(水)開催予定です。
予約開始は8月1日(月)を予定しています。

 【会場】

森ノハナレ(横浜市青葉区鴨志田町818-3)

 東急田園都市線・青葉台駅よりバス10分、バス停より徒歩3分

アクセスの詳細はこちらをご覧ください。

 *駐車場ご利用の方は、必ず申し込みフォームで駐車場希望にチェックを入れてください。駐車場は時間枠ごとに先着2台です。

 【入場料】

500円(前払い。お申し込み後、お支払いの詳細をご連絡します)

 *ミニあずま袋を入場券としてプレゼント

*ハギレ詰め放題(ミニあずま袋に入るだけ)のウェルカムギフト付き

【主催・問い合わせ】

NPO法人森ノオト AppliQué事業部

HP:http://applique.morinooto.jp/

event@morinooto.jp

 

 

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この記事を書いた人
齋藤由美子ファクトリー事業部マネージャー/ライター
森ノオトの事務局スタッフとして、主にAppliQuéのディレクションを担当。神々が集う島根県出雲市の田舎町で育ったせいか、土がないところは落ち着かない。家では「シンプルな暮らし」関連本が十数年にわたり増殖中。元アナウンサーで、ナレーターやMCとしての顔も持つ。小6女子の母。
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