新しいお金の使い方、クラウドファンディング。 ~最強の伴走者!FAAVO横浜を取材して~
クラウドファンディング(以下クラファン)って、なんだか実態がつかめなくて、私はよくわからない。でも、クラファンが面白くって、クラファン貧乏になる人もいるらしい。何がそんなに人を惹きつけるのか、クラファンの魅力を探りに FAAVO横浜の事務局を訪ねました。


応援する側で何度か利用したことがある、クラファン。SNSで応援を募っている友達に頼まれるまま、リンク先をポチっとして、少し手間な登録をして、金額を決めて決定ボタンを押しました。返礼品が届くとあったけど、いつ来るのかわからないし、このプロジェクトが成功したのかもわからない。私は一体何にお金を使ったのだろうか、ともやもやすることが数回……。その後、SNSでのクラファンへの応援依頼があっても、よほど応援したいプロジェクトじゃない限り、なんとなくスルーしていました。

 

クラファンは、新たな寄付の仕組みとして世の中に浸透してきています。もしかしたら、クラファンという仕組みってとても価値のあるものなのかもしれない、その価値を理解したら私の生活がもっと面白くなるのかもしれない。そう思い、FAAVO by CAMPFIRE横浜事務局(以下FAAVO横浜)を運営する、関内イノベーションイニシアティブ株式会社代表取締役社長である治田友香さんに取材をしました。

 

クラウドファンディングのはじまりと今

 

クラウドファンディングという言葉は、「群衆(crowd)」と「資金調達(funding)」を集めてつくられた造語です。インターネットの普及に伴いアメリカで2000年にスタートしました。日本では2011年に登場し、campfirereadyforなど多くのプラットフォームがつくられました。クラウドファンディングの国内での市場規模は、2017年度に前年比127.5%増の17005800万円、2018年度は2000億円を超えると予想されています。

(引用元:株式会社矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2036) 

 

クラウドファンディングの登場人物は大きく3人です。起案者と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ資金調達をする人、プラットフォームと呼ばれるインターネットサイトの運営者、そして資金面で応援する「群衆」たちです。

 

一口にクラウドファンディングと言っても、「寄付型」「購入型」「投資型」に分けることができます。寄付型は10,000円払ったら全額、起案者へと支払われます。購入型は、支援することでサービスや物を受け取ることができます。そのサービスや物はプロジェクトに関わるものが多いです。また購入型のなかにも、「先行投資型」と「プロジェクト応援型」があります。先行投資型では、市場へ浸透する前のサービスや商品を返礼品とするケースが多く、起案者は先に資金調達をして体力をつけたうえで、サービスや商品を市場に送り出すことができます。プロジェクト応援型はその名の通り応援の要素がより強く、返礼品に関してもお礼の手紙や展示会の招待券といったプライスレスなものが準備されていることが多いです。「投資型」はクラファンの仕組みにおいて比較的新しい形で、そのなかでも「不動産投資型」「株式投資型」があります。どちらも支援に対して、リターンがあります。

 

クラファンは資金調達の手法としてこの世に登場して20年弱ということもあり、まだまだ仕組みとして変化し、進化しているという印象を受けました。

 

クラファンは強烈なファンを顕在化させる仕組み

 

実は私は、今回の取材以前、FAAVO横浜というクラファンのプラットフォームについて知りませんでした。クラファンで応援してもその運営者であるプラットフォームのことまで気にしたことがなかった、というのが正直なところです。

FAAVO横浜は、コワーキングスペース、シェアオフィス、ワークショップスタジオなどを備えるmass×mass関内フューチャーセンターを運営する関内イノベーションイニシアティブ株式会社が事務局をしています。私が森ノオトと出会ったローカルライター講座mass×massで開催されていました。

 

mass×mass関内フューチャーセンター外観。関内の中心市街地の空き室をリノベーションしています。

 

FAAVOは『地域の「らしさ」を誰もが楽しめる社会をつくる』をコンセプトに、地域を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディングネットワークで、全国各地の地域に根差した団体と提携しています。FAAVOの立ち上げ期に、横浜でソーシャルビジネスのコンサルティングや地域に根差した活動をしてきた、関内イノベーションイニシアティブ株式会社に地域のパートナーとして声がかかりました。当時、ソーシャルビジネスやプロジェクトをコンサルティングしていくなかで、お金という部分でのサポート方法を模索していた治田さんは、FAAVOへの参画を決め20148月からFAAVO横浜がスタートしました。

 

FAAVO横浜の特徴

 

FAAVO横浜はクラウドファンディングの業界においては、いわゆる大手ではありません。ですが、これまでに合計3000万円の資金調達を成功させ、プロジェクトの成功率は90%にもなります。ちなみに日本のクラファンの平均的な成功率は30%と言われています。(引用元:クラウドファンディングの成功の鍵を握る「3分の1の法則」とはhttps://diamond.jp/articles/-/159737?page=3) その高い成功率の裏には伴走者であるFAAVO横浜のこれまでのノウハウが盛り込まれた緻密な構成と、起案者の努力があります。

 

FAAVO横浜が起案からサポートしたヨコハマホステルヴィレッジの、「stay homeでウズウズしている地元の人達に遠出せずに近場でリフレッシュできる場所をつくりたい」というプロジェクト

 

「うちでは、起案者に割と色々なことを言います。相談に来て、クラファン自体をやめることもあります」と治田さんは言います。「インターネットに載せて、SNSでシェアして、そんな感じで資金調達できると思ったらそれは大間違い。とはいえ、そういった形で起案しているケースも多くあります」。私自身、プロジェクトごとに何度もクラファンで資金集めをしている団体に違和感と嫌悪感を持ち、その団体への支援はしなくなりましたし、SNSでのフォローもやめました。「お金をいただく。」ということがどういうことなのか、しっかりと考えていないということを、発信や振る舞いから感じ気持ちが離れていったんだと思います。

 

「起案者には、あなた自身をさらけだすことができますか?と必ず問います。クラファンは選挙のようなものです」と治田さん。FAAVO横浜で起案するときには、事務局のスタッフが起案者と一緒になって、自己整理を徹底的に行い、それをもとにプロジェクトを起案していきます。応援してくれる人たちがどれぐらいいるのか、その人たちの支援を積み上げるとどれぐらいの金額になるのか、支援金額や返礼品の設定はどうするか、期間中にどういったことをレポートしてアウトプットして支援者に届けていくのか……。すべてのことにノウハウがあり、FAAVO横浜は、ときに厳しく、ときに優しく、起案者と一緒に走ってくれます。

 

こちらもFAAVO横浜がサポートしグリーンピース代表の椿直樹さんが起案者となった横浜新市庁舎にオープンする新店舗「TSUBAKI食堂」の応援プロジェクト

 

「人様からお金を頂くことの責任を感じなければいけないんです。お金を払ってもらえる自分になっているのか?」と治田さんは起案者へ問いかけます。応援される体質になっているのか、自分軸だけでの発信になっていないかと起案者は自分自身に問いかけながら、クラファンという挑戦をします。どのプロジェクトにもドラマがあり、期間終了後、「大変だったけどやってよかった」と言葉を残す起案者も多いそうです。

FAAVO横浜のこうした徹底したサポートは、起案者側にとっては「FAAVO横浜で起案できれば大丈夫だ」、支援者側にとっては「FAAVO横浜が行っているプロジクトであれば心配ないだろう」と双方からの信頼を高めています。

 

「クラファンという挑戦は、資金以外のものも得ることができます。インターネット上にプロジェクト内容を載せることができるので、プロモーションにつながります。さらにその掲載内容についても、自分自身で文脈を考えて載せることができます。さらに、お金を出して応援するという形を用意することで、ファンを増やし、そのなかでも強烈なファンを顕在化していくことができ、そのことが団体を強くしてくれます」。クラウドファンディングは、お金だけではなく、新しい世界への土台となるものを得ることができる仕組みなのです。

 

治田さんの言葉は強く厳しいのですが、治田さん自身がまとっている印象がとても温かいので、すっと心に入ってきます

 

お金は人の熱量を集めるツールになるのだと、治田さんのお話を聞いて思いました。このプロジェクトを応援したい、仲間として参加したい!という熱量が、お金に形を変えて起案者のもとへ届いていく。起案者はその熱量を得るために自分自身をさらけ出し、また受け取った熱量に応えるために自分自身の力を最大限使い切るのだと思いました。

 

まずはシェアからはじめてみませんか?

 

クラファンに初めてふれる人にとって、お金を出すことは少しハードルがあるのかもしれません。そのときは、情報のシェアから始めてみてはどうでしょうか?SNS上でシェアをするだけでも、プロジェクトの応援になります。そうしていくうちに、自分にとって応援したい!と思うプロジェクトが出てきたら、少額でいいのでお金を出す、という形で応援できたらいいと思います。お金を出すことで、そのプロジェクトの仲間になり、自分がつくりたい社会への一歩になります。

 

取材を通して、クラファンはなんて面白い仕組み!と、思いました。そして、それは自分の世界を広げてくれることもわかりました。

資金調達だけではなく、自分の言葉でプロモーションができ、さらに仲間を増やすことができる。もちろん、その裏側には徹底的に自分と向き合い、支援者に届くようなアウトプットを試行錯誤して考え、そして走り抜ける覚悟が必要なのだと思います。

私自身、これから先、社会に対して実現したいプロジェクトができたときに、起案者側になることもできるのだと思いましたし、やってみたい!とも思いました。

治田さんは、「走り抜けた先にある、達成感の共有、これが好き」と言います。この達成感をいつか私も感じてみたいと思いました。

Information

FAAVO by CAMPFIRE 横浜事務局

231-0003

横浜市中区北仲通3-33

TEL 0452748701

FAX 0452264755

http://www.massmass.jp

この記事を書いた人
松田朋子ライター
神奈川県逗子市在住。約12年間、猛烈サラリーマンを経験。出産を機に仕事以外への視野が広がり縁あって森ノオトライターに。ワークライフバランス、子どもの教育、食や健康に興味あり。趣味はヨガと海。
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