自分らしい子育てを楽しむために 賢く頼ろう!わくわくパンプキン
「わくわくパンプキン」は子育てで困っているママたちをサポートしたいと、元保育士の栢森早苗さんが始めたフリーランスの子育て支援です。「ひとりで悩まないで」、「ひとりで頑張りすぎないで」と、ママたちを応援する活動を続ける早苗さんにお話を聞きました。

子育て中の困りごと。「子どもがなかなか寝ない」「家事が進まない」「一人の時間が全くない」「子どもを叱りすぎてしまう」等々。あげればきりがないですね。子どもと過ごす楽しい時間のはずなのに、いつもイライラしてしまう。そんな悩みを抱えるママは少なくないでしょう。一人でもやもやしたままにせず、プロの力を借りてみるのはどうでしょうか。

 

「子育ては一人でするものではないでしょう」

「わくわくパンプキン」の栢森(かやもり)早苗さん(以下早苗さん)は「どうしてこの仕事を始めたのですか」と私が尋ねると、開口一番そう言いました。話しているだけで頼れる姉さん(私とは年齢近いですが)といった雰囲気の早苗さんが立ち上げた「わくわくパンプキン」では、ママたちが子育てを楽しめるように様々なサポートメニューを用意しています。早苗さんは保育士の資格のほか、ベビーマッサージや乳幼児睡眠アドバイザー(NPO法人赤ちゃんの眠り研究所)などの資格をもち、また横浜市の子育て相談員なども行っている、いわば子育て支援のプロなのです。

そんな早苗さんの「わくわくパンプキン」では次のようなサービスを行なっています。

 

・わらべうたベビーマッサージ
・今日からぐっすり「夜泣き相談」
・子どももママも笑顔になる「ベビーシッター」

私がスタッフをしている子育てサロン・えころんにベビーマッサージの講師として来てもらった。場所は太陽公園ローズハウス。ベビーマッサージでは必ず一人一人に「困っていることはない?」と声がけをするのだそう

早苗さんがこの仕事を始めたきっかけなどと絡めながら内容を紹介していきましょう。

 

保育園で保育士として働いていた早苗さん。ご自身が膝を壊したこと(保育士さんは膝か腰を壊すことが多いそうです)、義理のお母様が体調を崩されたことなどから10年間務めていた保育園を退職します。その後、半年ほどで状況が変わり、仕事に復帰できることになりますが、そこに飛び込んできたのはベビーシッターという仕事でした。内容は生後間もない双子のお子さんを、週4日お世話するというもの。引き受けてしばらく続けていくうちに、早苗さんは、子どもにじっくり向き合えるシッターの魅力に気がつき、この仕事をフリーランスでやっていこうと決めたそうです。

 

その時、「わくわくパンプキン」という名前を自分の活動につけることにしました。この「わくわくパンプキン」という名前は、早苗さんがご自分の子育て期に仲間と一緒に活動していた人形劇の劇団名なのだそうです。子育て中の仲間たちと、お互いの子どもたちを交代で面倒見ながら、まるで大家族のように過ごしていた時期なのだとか。その友人たちとの温かな日々を忘れないために、そして感謝の気持ちを忘れないようにとつけた名前だと言います。

 

さて、話を戻しますが、最初に引き受けたベビーシッターの仕事は双子のお子さんたちが小学生になるまで続いたそうです。今でもその子たちとの関係は続き、青葉区内の早苗さんの自宅にも泊まりに来たこともあるそうです。「もう、孫のようにかわいい」と早苗さん。早苗さんのベビーシッターは国内、海外の旅行や出張に同行することもあると言います。海外にまで同行するとはすごい!と思い、さぞかし語学も堪能なのでしょうと聞くと、しばらく間を開けて、「英語はね、度胸よ。なんとかなるの」と、けらけらっと笑う早苗さん。ここにも早苗さんのたくましさを感じました。

 

冒頭の写真はシッティングのときのもの。子どもの表情を見ればどんなに楽しい時間を過ごしているのかは一目瞭然。子育て中、ちょっとカフェでゆっくりしたい、美容院に行きたいなどという気分転換に短時間利用してみるのもいいかもしれませんね。

 

早苗さんは、ベビーシッターの空き時間には部屋の片付けや作り置き料理なども引き受けるそう。その仕事内容の柔軟さは母親や姉が来て子育てを助けてくれる時のような印象です。また、子育ての悩みや部屋の片付けなどのアドバイスも聞くことができるそうで、決して料金は安くはないけれど、それ以上のものが得られそうです。私も自分の子どもが小さかったらお願いしてみたかった!

 

 

ベビーマッサージ、そして……

早苗さんはわらべうたベビーマッサージにも力を注ぎます。早苗さんは、一般社団法人日本アタッチメント育児協会、NPO法人わらべうたベビーマッサージ研究会の2カ所で勉強して、それぞれのいいところを取り入れたオリジナルのベビーマッサージ教室を開いています。

ベビーマッサージのあとは、季節ごとに「ねんねアート」も取り入れる。計画や準備も全て一人でこなすそう(写真提供:栢森早苗さん)

早苗さんの「わらべうたベビーマッサージ」は、わらべうたに合わせて、香りのない胡麻油を使って赤ちゃんに優しくマッサージしていくというもの。赤ちゃんの体調の改善やママの赤ちゃんへの愛情が深まるといったことが期待できそうですが、早苗さんはベビーマッサージに来てもらったら、もう一歩先に進めたいと言います。

 

「参加したママたちに、日頃話すことのできない子育ての悩み、困っていることをその場で吐き出していってほしいの。話して、泣いて、スッキリして帰ってくれればいい」と早苗さん。子育て中の悩みは誰しも持っているもの。ただ誰にも話せず溜め込んでいるママも多いのでしょう。話しているうちに泣き出してしまうママもいるそうです。参加者のみんなで泣きながら励ますような温かい場面もあるのだとか。そして、連絡先を交換し、その後もつながれるようにと心を配ります。

 

 

自らの辛い体験が導いた保育への道

いつも元気いっぱい、前向きな印象の早苗さんですが、幼い頃から若い頃にかけての辛い体験も伺いました。早苗さんは幼い頃から両親との関係がうまくいかず、小学校では不登校になったこともあったのだとか。その頃を振り返り、両親の気を引くために自分には不登校が必要だったのだと早苗さんは言います。

早苗さんは「不登校という選択をした人を支えるサークル」(たまプラーザ駅徒歩2分図書館ぷらに)で自らの体験を語ってくれた(写真提供:青柳志保さん)

その後、学校へは行かれるようになったものの、根本的な解決はしていなかった早苗さんは、就職後は摂食障害を繰り返すようになります。生きるのが辛いと感じていた期間も長かったのだそうです。ただ、そんな中で、自分がどうしてこんなに苦しいのかと突き詰めて考えていくことで、「幸せな乳児保育を学びたい」という答えにたどり着いたと言います。そして、働いた時に貯めたお金で、保育士の資格を取る道へ進んでいきました。
結婚して出産後も育児によるストレスなどから、摂食障害に悩まされていた早苗さんですが、ご主人(栢森聡さん)のどんな時でも早苗さんを支えていこうという力強い支えにより、時間はかかったけれど、自然と摂食障害は治っていったのだと言います。

早苗さんは劇団員でもある。ご主人は2列目左。聡さんからは親のような深い愛情をもらったと話す早苗さん。「本当に優しい人」だと教えてくれた(写真提供:栢森早苗さん)

 

子育ての大きな悩み「睡眠」について

早苗さんのご自身の子育てはどうだったのでしょう。二人の息子さんたちは成人されていて社会人として働いていますが、早苗さんも次男の夜泣きには悩まされたのだと言います。「長男の活動に合わせて連れ回してしまったことが原因だった」と当時を振り返ります。
子育ての悩みの多くは睡眠によるものだという早苗さん。睡眠アドバイザーという資格を生かし、対面やオンラインで相談に乗っています。「睡眠による悩みは深刻なものもあり、そういった悩みを抱えたママたちを一人でも多く救ってあげたい」と早苗さんは言います。

 

早苗さんは実際にママたちから困っていると聞いて始めたというサポートもあります。

 

・お料理サポート

これは子育てで疲れ切ったママたちがご飯作りに困っていると聞き、ご友人と二人で始めたそうです。依頼されたママから材料費をもらい、3日分の料理を作って渡すというもの。私も子どもたちが小さかったときは、料理の時間を確保するのに苦労したなと思い出しました。

 

早苗さんが作って渡している料理の一例。今は新しい方は受け付けていないそうだが、今後も広げていきたいと早苗さん(写真提供:栢森早苗さん)

 

・「かーかと話そう会」

こちらは、コロナ禍で孤独なママから誰かと話したい!という要望を聞いて考えたというオンラインのおしゃべり会。10月はヤフーニュースに取り上げられたこともあり、全国のママたちをお話することができたのだそう。家にこもりがちになってしまった、誰かに話を聞いてほしいという子育て中ママたちはぜひ参加してみてほしいです。こちらは無料です。早苗さんとおしゃべりしていたら心が軽くなること間違いなしです。予定は早苗さんのInstagramをチェックしてくださいね。ちなみに、「かーか」は、シッター先の双子のお子さんたちが早苗さんのことをそう呼んでいたそう。

 

・1歳児限定。パパと遊ぼう会

最近のパパたちは子どもと遊びたがっていると早苗さんは感じているそう。この企画はママたちに時間をプレゼントすることもできるし、みんながうれしい講座なのだとか。子どもともっと関わりたいけれど、どうやって遊んでいいのかわからないというパパは要チェックです。早苗さん自身も、「私にとってもうれしいの」と付け加えて、「若いパパたちがかわいくて」と笑顔で教えてくれました。

 

「早苗さんの活動はかゆいところに手がとどくサービスですね」とお伝えすると、「まさに、そう言われたらうれしい」と早苗さんは答えてくれました。フリーランスだからこそ、そして早苗さんのあたたかい人柄だからこそできる柔軟なサポートなのかもしれません。

 

 

<取材を終えて>
早苗さんが言った「子育ては一人でするものではないでしょう」という言葉が印象的でした。私の子どもたちは、今は高校生、中学生になりましたが、子どもたちが小さかった頃は、「助けて、手伝って」とはなかなか家族以外の誰かに頼めませんでした。でも電車などで、たまたま隣に座った人がちょっと子どもの相手をしてくれるととてもうれしかったし、「大変ね」と一声かけてもらえるだけで、その日は幸せな気持ちで過ごせたことを思い出しました。
早苗さんのようにはできなくても、またちょっとおせっかいかなとは思っても、赤ちゃんを連れたママに「大丈夫?手伝おうか?」と積極的に声をかけることは(たまに嫌がられることもあるかもしれないけれど)、大切なことなのかもしれないと思いました。

Information

わくわくパンプキン

HPhttps://wakuwakubaby.club
Instagram

@nenne_ka_ka

『わらべうたベビーマッサージ』

3日曜日 10:0010:45

1歳児対象『パパと遊ぼう会』

第3日曜日 11:0011:45

ネスインターナショナルスクール横浜たまプラーザ校

225−0002横浜市青葉区美しが丘2-20-6 1

お申し込み先

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この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
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