毎日の暮らしにわくわくをくれる あなたにぴったりのコンポスト
「自分の家の生ゴミを土にかえす」―。これはやってみると大きな喜びであり、日々の楽しみにもなります。このわくわく感をみなさんにも味わってもらいたい!コンポスト仲間を増やしたい!そんな思いから森ノオトで過去に掲載した記事を含め、さまざまなコンポストを紹介します。

コンポストのいろいろ

コンポストとは、生ゴミなどの有機物を土や専用の基材に混ぜ、菌や微生物の力を借りて肥料にしたもの、またそれを作る容器のことを指します。少し紛らわしいのでここでは容器のことをコンポストと呼ぶことにします。

コンポストにもさまざまな種類があり、庭や畑など、直接土の上に設置して使うものから、ベランダなどで使う段ボール型、バケツ型、プランター型、バッグ型などがあります。また電動式のものもあり、家族構成や暮らし方、住んでいる環境によって、使いやすいタイプを選ぶことができます。

 

まずは、過去の記事からはEM菌を利用したバケツタイプのもの、自分で作れる段ボール型を紹介します。

(※ご紹介する記事の情報は取材当時のものです。)

 

・EMぼかし記事

生ごみの堆肥化を習ってきました…まずはEMぼかし」byライター卒業生

 

・段ボールコンポスト記事

「出来ることからやっていく!段ボールコンポストで生ゴミダイエット」by板垣恭子

 

この2つのタイプ、実は私はどちらもやったことがあります。印象としては、EMぼかしは液肥も取れるので、家庭菜園などでどんどん使いたい人用に向いていると思います。一方、段ボールコンポストの方はゆっくりと堆肥になっていくイメージです。

 

 

森ノオトライターのみんなはどんなふうにコンポストを取り入れているのでしょうか。コロナで自粛中に始めた人も多いようなのでそちらの記事も紹介しますね。

 

おいしく、たのしく!私たちの暮らしのエコ、集めました【おいしく編】」by渡辺絵梨

 

2020年に、森ノオトライターが実践している暮らしのエコを集めたこちらの記事。ライター卒業生で千葉市にお住まいの村上亜希枝さんは市の助成金を利用してコンポストをスタートしたそう。EM菌を利用したコンポスト のようです。家庭菜園をしているという亜希枝さん、有効利用できそうですね。

 

ライターの船本由佳さんはお子さんが離乳食だった頃使っていた、家の中で使える「ル・カエル」というバケツ型コンポストを再開したと言います。これは細かく切った生ゴミを毎日適量入れる、ひっくり返すという作業を毎日行うそうですが、家の中でできるのは魅力ですね。

一方、こんな意見もありました。ライターの松井ともこさんは数年前に手に入れたコンポストは電動式だったそうで、電気代がかかることにモヤモヤを感じているとのこと。電気を使ったものは楽そうですが、課題もありますね。

左側がEM菌のコンポスト、右側が「ル・カエル」

「お茶殻だけ」から気軽に始めてみる

 コンポストはハードルが高いと思っている人もいるかもしれません。森ノオトライターの新楽津矢子さんも、「いつかやることリスト」には載せているものの、虫がわくのが怖くて先延ばしにしているそうです。そこが気になる人は多いのではないでしょうか。

森ノオトサポーターの松尾敏行さんはその辺りを上手にこなしているようです。

 

松尾さんは3人家族。5年ほど前から蓋つきのバケツ2つを交代で使っているそうです。お茶殻やコーヒー殻をメインに家庭菜園の野菜残渣、バナナの皮、米ぬかなどを完熟した堆肥と合わせ、1、2カ月溜めたら発酵、熟成させて庭や畑にまくのだとか。蓋つきのバケツとお茶殻がメインなので虫はそんなに発生しないといいます。

発酵前のものと熟成後のもの(写真:松尾さん)

これは虫が苦手な人にはうれしい情報です。台所から出る生ゴミを全て肥料にできなくても、できる範囲でやってみるというのは無理がなくていいですね。また水は風呂水を利用しているとのこと。無駄のない循環、真似してみたいです。

 

ちなみにコンポストチャレンジ3回目でもある私がただいま取り組んでいるのは、横浜市が提案している「生ごみブレンドプロジェクト」に紹介されている土壌混合法です。これは生ゴミと土を合わせたものをプランターに入れ、上から乾いた土をかけていく方法です。始めてまだ3カ月。まだ始めたばかりなので、なんとも言えませんが、生ゴミの量を調整しつつ、今のところうまくいっています。夏に比べ分解が遅くなっているようなので、冬の間、どう乗り切っていくのかが、課題かなと思っています。

コンポストから芽を出した姿を見ると生命力を感じてうれしくなる。茶殻、野菜のクズが中心。生ゴミ全てを埋めたいところだが、無理はしない。長く継続できることを目標としている

コンポスト体験ができる「あおばを食べる収穫祭2022」

さて、今回3年ぶりに開催される「あおばを食べる収穫祭2022」ではLFCコンポスト(トートバッグ型のコンポスト)を体験できるコーナーをエコブースに設置。アドバイザーさんに話を聞くこともできますよ。LFCコンポストは1カ月半〜2カ月ほど、生ゴミを入れた後、3週間熟成させると堆肥ができるそうです。それを土と混ぜると家庭菜園などで使うことができます。

 

既に使っている編集部のメンバーもいて、森ノオトライターの河原木裕美さんは、手軽なのがとてもよかったと言います。大人3人、幼児1人の4人家族で、基本ベランダに置き、雨が吹き込んでくる日は玄関に移動させてみたりしたそうです。においの点は全く問題なかった一方、小バエがちょっと気になったと言います。1ラウンドやってみて、今はお休みしているそうです。その理由としてはベランダ菜園者の割に肥料ができすぎてしまったためだそう。

 

他のコンポストもそうですが、雨は要注意ですね。このバッグ型は移動が楽なので、その点はよいかもしれません。また、せっかく作った肥料、使い道がないのはもったいないので、今後農家さんなどに引き取ってもらえる仕組みが作れたらいいですね。

森ノオト理事長の北原まどかさんもLFCコンポストを1年半続けているそうです。コンポスト難民だったというまどかさんですが、こちらに関してはノーストレス!と言っています。

まどかさんにとって、ぴったりのコンポスト!

それにしてもトートバッグ型のコンポスト、おしゃれでコンポストのハードルをググっと下げてくれたように思います。森ノオトメンバーの中でも注目を集めており、挑戦してみたいという声をあちこちから聞きますよ。

 

 

コンポストがわくわくするわけ 

私自身もそうですが、失敗したり、一度やめたりした人も再び挑戦したくなるのがコンポスト生活です。どこにその魅力があるのか、頭の中を整理してみました。

 

まず、ゴミ出しの日までのストレスが減りゴミ出しも楽になるのはもちろんのこと、もっと深いところに喜びがあると思っています。

 

・自分の家から出た生ゴミを土にかえすことで、環境負荷を減らせたという喜びを味わえる。

・土の温かさを感じたり、実際埋めた生ゴミがなくなっているのを見て微生物の力にありがたさを感じる。

・土にかえすと思った時点で、生ゴミを汚いものだと思わなくなる。

・自分の家から出る生ゴミがどのようなものが多いのか観察するようになる。

・一生懸命分解してくれているであろうコンポストがかわいくなり、細かく切ってからあげようとか、入れすぎないように廃棄する部分を減らそうと努力するようになる。(これはちょっとペットのお世話をする感覚に近いかもしれません。だんだん愛情が生まれてくる感じかな)

・発生してしまう虫たちも必要があってやってくる。人間に害を与えようとしているわけではなく分解を手伝いに来てくれている。そう思うと虫に対する恐怖が減った。

 

私が実家にいたころ、家庭から出る生ゴミは庭に穴を掘って埋めていました。1日に1度は必ず埋めていたので、生ゴミをため込むことはなく、生ゴミを臭いとか汚いと思ったことは一度もありませんでした。その穴は大きな柿の木の近くにあり、そのおかげか柿の木は今もたくさんの実をつけてくれます。

 

土から生まれたものを土にかえす-。ただそれだけのシンプルな営みがむずかしい今、その恩恵を受けていたことにありがたみを感じています。

 

全てのゴミを人まかせにせず、できる範囲でいいから循環させていくことは地球とつながっているという安心感をもたらしてくれるし、実は一手間かかることにわくわくが潜んでいるのかなとも思います。課題を一つひとつ解決すべく、実験を繰り返す毎日。みなさんも一緒にコンポスト生活を送って、情報交換しませんか?

Information

■生ごみブレンドプロジェクト

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/namagomi/namablend.html

 

 

■あおばを食べる収穫祭2022
2022年11月23日 10~15時 @藤が丘駅前公園

https://morinooto.jp/2022/10/21/shuukakusai2022/

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この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
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