「地球人」としての生き方のヒントがそこにある!今こそ、留学に目を向けてみよう!
留学カウンセラーとして会社を立ち上げ「海外でしか得られない体験を通して成長してほしい!」とたくさんの子どもたちや親子のサポートをしてきた氏田香織さん。自身も子育てママである香織さんのライフスタイルと留学のお仕事との関係性を深堀りしてきました。(2022年ライター養成講座修了レポート:永田由衣)

留学ってやっぱりお金がかかる?海外の治安ってどうなんだろう?わが子にも行かせてあげたいけど、なんとなくハードルが高い…。

留学と聞くとこんな印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そんなお悩みに寄り添って、強く優しく背中を押してくれるのが、オーストラリア専門留学カウンセラーの氏田香織さんです。

 

香織さんは、Chic Education(シックエジュケーション)という会社を立ち上げ、ビザの申請や語学学校、現地校への入学手続きなどを代行しています。

未成年の場合は、スムーズに生活がスタートできるよう、現地で落ち着くまでは頻繁に連絡を取りあいます。ただ、実際は、留学が始まるとそこまでサポートが必要になる場面は多くないのだそう。大切なのは出発前。「こんなはずじゃなかった」とならないように事前に知り得る情報はすべて提供していると言います。

私自身もこれまでに2度の渡豪でお世話になっており、偶然にも小学生のお子さんが娘と同級生というご縁もあって今回の取材が実現しました。

私がオーストラリアでのファームステイの際に撮影したもの。あぜ道のずっと先に家がある。家の裏にひろがる牧場には馬や牛、ニワトリにラマも

留学といってもさまざまな選択肢がありますが、なぜ、オーストラリアに絞っているのかを尋ねてみました。

第一声に、「自分の経験なしにして、留学へ行く方が本当に必要としている情報をお伝えすることはできない」と、まっすぐな言葉が返ってきました。

4年間現地に住んで培ったご自身の経験を踏まえ、リアルな最新情報、正確な情報を生徒さんへ提供しています。

二つ目には、日本とオーストラリアの相性の良さを挙げます。アジア経済圏の一国として小学生から日本語を学ぶ機会があり、そのため日本に興味を持っている人が多く、留学生を受け入れる土壌が整っているそうです。

そして何よりも、見渡す限り広がる大自然!たとえ都市部だとしても日常のすぐそばに広大な自然があり、驚きや感動、そして癒やしを与えてくれます。

シドニーのオフィスビル群の目の前にはゆったりと時の流れるハーバーが広がっている。水面には虹が

留学へ向かう子どもたちにどんなことを期待しているかを伺いました。

「日本は察してくれる国。でも一歩海外へ踏み出してみると全くそんなことはなくて、それが日本の良さでもあるけれど、海外では日本での当たり前は通用しない」と語る香織さん。

「今まで当たり前と思っていたひとつひとつを、自分で考え・判断し・明確な意思表示をする。そのステップをやって初めて生活できる。留学へ行く子どもたちには、たとえ小さなことだったとしても、たくさんの成功体験を積み重ねてほしい」。ほろりとお母さんの顔が見えたような気がしました。

 

続けて、成功体験とは一見反対に見える、失敗の大切さも教えてくれました。

「普段とは全く違う環境の中で、分かってくれてると思ったのに分かってもらえてなかった、自分が思っていたこととは違う対応をされてしまった…とか、失敗をたくさん経験すると思う。でも失敗をすることで、どうすればよかったのかを考えられるようになると思っています」

言われてみると、日本では当たり前のように周りが言葉の裏側にある気持ちや思いまでくみ取ってくれます。さらに、言わなくても手を差し伸べてくれることもありますよね。特に親と過ごす時間の多い子どもにとっては、学校の持ち物を準備してれるなど、親が先回りして対応してくれることがあると思います。

 

ここで香織さんがお話ししてくれた例え話をご紹介。もし留学先で体調が悪くなってしまったら、あなたはどうしますか?

「ごはんはいらない」と伝えたとします。ホストファミリーの返事は「おなかがすいてないのね、OK!」

「今日は早く寝る」と伝えたとします。返事は「勉強で疲れてるのね、OK!」と大体こんな感じです。「病院へ行く?」とは言ってくれないでしょう。

体調が悪くて病院へ行きたいのだとしたら、明確に「病院へ連れて行ってほしい」と伝えなければといけなかったのです。

実生活の中で小さな失敗をする、そして自分で解決しなくてはいけないと分かって初めて、本気で「考える」ということができるのかもしれないと感じました。

 

ちょっと大変そうだな…と思うかもしれません。慣れない環境での留学生活では、ときにホームシックになってしまうこともあると言います。そんな時香織さんは、LINEでお話をしたり、現地の他の留学生や日本食レストランを紹介したりと、少しでも緊張がとけるようにサポートしているそうです。

凛とした中に優しさのある表情が印象的な香織さん。お子さんにワークスペースを取られてしまい、もっぱらノマドスタイルで仕事をしているそう

教育に目を向けてみると、小学校での授業中も子どもたちからどんどん質問が飛んでくるそうです。学校の勉強であっても答えの正しさよりも、あなたは「なぜそう思うの?」「どうしてそう考えたの?」とその子のなぜ?を必ず聞くそうです。その背景には、家庭の延長線に学校はあるものという考え方があり、子どもが小さいうちから家庭でも同じやり取りが繰り返されていると言います。日頃から個人の思いや考えを伝え合い、親であっても子どもの意思をとても大切にし尊重しているのだそうです。

 

さらに学校からの宿題はほとんどなく、あるとすれば家庭と学校で協働して行うプロジェクト。プロジェクトにはもちろん決められた答えはありません。子ども自身が考えて・決めて・行動するのが特徴だそうです。

これまでのお話を聞いて、海外で生活するということは一貫して「自分で考える」がキーワードになるのではないかとハッ!と気づかされました。

テーマパークでしか見たことないような背より高い大きな岩が本当にある。大自然の一部に溶け込める(写真提供:氏田香織さん)

それからもう一つ。香織さんの経験談の中で、ライフスタイルを考えるターニングポイントになった「自然との境界線」についてのお話がありました。

「当時、毎日フェリーで通勤してて、時々クジラが現れる時があって。そうすると、クジラを通してあげるためにフェリーが止まっちゃう。もちろん仕事は遅刻なんだけど、そこに居合わせた人たちみんなでワ―!っと大歓声があがる。今日はラッキーだ、こんないい日はない!って」。自然の中に生きて生活していて、「これでいいんだ!」と心から思えたそうです。帰国後、香織さんが場所にとらわれない働き方を選んだのも、自然との境界線がない暮らしをしたかったから。

「したい!と思い立ったら、じゃあやろう!」。ご家族4人で計画なしの週末スキーやカヌーへ出かけたり、長野県へ畑をしに行ったりと、気負うことなく自然とのふれあいを楽しんでいます。新潟県奥只見でのスキーの様子(写真提供:氏田香織さん)

どうしてオーストラリア人はいつも明るくだれに対してもフレンドリーなんだろう?と香織さんと語り合っていると、広大な自然の中にいるとくよくよ悩んでも仕方ないと思えるから、という共通の答えに。

海でも山でも畑でも、人間は自然の偉大さを目の当たりにすると、失敗なんてちっぽけなものだったと思えることがありますよね。

 

自然と生活が常にとなりにあると、自然との関わりを多く持つことができる。そこにある境界線がグッと低くなる。すると失敗したって大丈夫と、おのずとそんな気持ちになっていきます。そんな広い視野とおおらかなマインドこそがグローバルな時代を生きるこれからの子どもたちに持ってほしいマインドなのだ、と私自身の子育てに当てはめて感じました。

キャンピングカーでオーストラリアを周遊。沈む夕日に照らされながらテーブルを囲む。自家用車をけん引しながら走るキャンピングカーを目にすることは、オーストラリアでの日常のひとこま(写真提供:氏田香織さん)

留学を終えた当時高校生だった男の子の印象的なお話がありました。

はじめは、「今より英語が上達すればいいな」くらいの気持ちで出発したそうです。

シドニーのオペラハウスを実際に目で見て、こんな形の建物をどうして?どうやって?造ったのだろうと一気に建築への興味が沸き、そのまま帰国後の進路は建築の道へ。

最初は小さなきっかけだとしても、留学には人生観に影響を与えてくれるような思いもよらない出会いが待ち受けているのだと感じました。

 

自然が与えてくれるたくさんの恵み。世界中の人や物との出会い。もちろん、地球規模で解決しなくてはならない課題も忘れてはなりません…。

なんでもオンラインで済んでしまうこの時代、ちょっと内側思考になりがちな今だからこそ、思い切ってオフラインの世界へ一歩踏み出してみませんか?大人も子どももみんな、この地球で生きている当事者「地球人」なのだから。

シドニーから車で3時間のところにあるニューカッスル。高い空に向かって爽やかな風が吹く。すべてがちっぽけなものに思えてくる

Information

Chic Education

HP https://www.chiceducation.com/

カウンセリングの問い合わせは上記のホームページから。

 

Instagram  https://www.instagram.com/chiceducation2/?hl=ja

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この記事を書いた人
永田由衣ライター
子どもの頃に自然の偉大さとそこに集まる仲間に魅了されキャンプが大好きに。バックパック一つあれば生きていけると思っている。夢はトレーラーハウスに住むこと。現在は3人の子育て真っ只中。書道で地域をつなげるコミュニティをつくりたいと常に模索している。
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