ヴィーガンランチと交流の場を提供するカフェ マチツナガル あかり食堂
小田急江ノ島線の南林間駅にあるマチツナガル あかり食堂では、オールヴィーガンのランチが提供されています。もう一つの特徴としては、コミュニティカフェとしての形態を活かし、毎月イベント開催や人と人をつなぐ場づくりが行われていることです。オーナーである、福島哲(ふくしま さとし)さんにお店づくりにまつわるお話を伺いました。

*マチツナガル あかり食堂は2023年12月23日をもって閉店となりました。

 

マチツナガル あかり食堂は、小田急江ノ島線の南林間駅から徒歩5分のところにある、コミュニティカフェです。私がヴィーガンを実践し始めた頃に見つけた、家から一番近いヴィーガン料理店でした。

 

見つけた時は、家からほど近いところで気軽にヴィーガン料理をいただけることがうれしくて、早速お店に伺いました。

 

お店に通ううちに気になり始めるのは、なぜお店がヴィーガンなのかということです。私は普段から、ヴィーガンの生活を送っていますが、知り合いではなかなかヴィーガンを実践する人に出会うことがありません。お話を伺うべく、取材を行いました。

営業時間は月・火・木・金曜日の10時から14時30分。ランチは11時から13時30分まで

取材に伺ったのは、5月の平日のランチタイム開始の11時。店内に入ると、すでにお客さんが1組入っていました。

店内の様子。大きいテーブルやカウンター席、2人席や、お座敷もあります

メインのフードメニューには、車麩と2種のおかずとサラダがセットになった麩チリミールや大豆ミートがふんだんに使われたヴィーガンタコライス、大豆ミートのベジカツと甘酒入りのベジカツ発酵カレーが並びます。

ヴィーガンタコライスは、スパイシーさと甘辛さを感じるジューシーな大豆ミートとシャキシャキのレタスが絶妙なタコライスです。付け合わせの2品のおかずと合わせるとまた別の味わいが楽しめます。ライスは15穀米入りの雑穀ご飯

甘い物では、フルーツサンド、ヴィーガンあんバター、本日の自家製スイーツなど、動物性の食材を使わず、ヴィーガン流にアレンジしたメニューが並んでいます。

口の中でとろける、絶品のヴィーガンチーズケーキです。乳製品の代わりに豆乳やアーモンドが使われています

ここまで紹介したメニューは、全てがオールヴィーガンでつくられています。けれどもこだわりは、ヴィーガンメニューということだけではありません。

 

メニューに使われている野菜は、近隣のなないろ畑さん(中央林間)バンブービレッジファームさん(町田)の無農薬野菜を使用。お米は長野県の無農薬の玄米を取り寄せ、お店で毎回精米をしています。

 

また、メニューに使われる調味料は全て自家製という徹底ぶり。とことん食の安全を追求した健康的でおいしいランチがとても魅力的です。これらのメニューは在籍しているヴィーガンのスタッフさんが全て考案しています。

あかり食堂のメニュー。店内飲食のほか、テイクアウトでの購入も可能です

「人を活かす環境をつくりたかったんです」と福島さん。その場にいる人の個性や得意を活かすことで新しい試みやつながりが生まれることを大事にしていると言います。

 

カフェで出すメニューをヴィーガンにしたのも、スタッフさんがヴィーガンだったから。試作してもらったメニューがとてもおいしかったので、健康面や環境への影響も配慮して、ヴィーガンを採用することにしたそうです。

 

働く人を活かす、ということだけでなく、人と人をつなぐ取り組みとして、あかり食堂ではコミュニティカフェを運営し、カフェに集う人の交流の場の提供やイベント開催を行なっています。

出入り口すぐには、毎月行われるイベントのカレンダーやサブスクの講師の方のインフォメーションが掲示されています

カフェ内で毎月行うイベントでは、椅子ヨガや書道、栄養学などのお話会などを講座形式でで行われるイベントを開催。また、不定期で行われるイベントでは、親子で参加できるライブステージやワークショップ、パフォーマンスショーの上演、雑貨販売など、さまざまな人やお店が集まるフェスティバルを開催しています。

 

イベントのほかにも特徴的なのは、個人間の交流のきっかけづくりを行う「マチツナガルあかりのサブスク」や「つながるフレンズ」などのサービスです。

 

「マチツナガルあかりのサブスク」は、美容レッスンや骨盤矯正ヨガなど、6〜18種類のレッスンの予約と受講ができます。

「つながるフレンズ」は、「誰かの困っていることが、誰かの得意かもしれない」をコンセプトに誰でも登録と閲覧、直接連絡ができる2023年5月に始まった新しいWEBサービスです。WEBページでは登録している人が3つまで得意なことを記載し、気になった人は直接連絡ができます。

これらは、自分が参加したい、つながりたいと思った時にすぐに連絡先の交換やイベント参加ができる仕組みです。

 

このようなコミュニティをつくる上であかり食堂が大切にしているのは、「笑顔と健康を広げていくコミュニティづくり」だと言います。

あかり食堂はもともと先代のオーナーさんが隣接する訪問看護センターと同時期に創業し、利用者と地域をつなぐことを目的に開いたコミュニティカフェでした。当時「あなたとあなたの大切な人を笑顔にする居場所づくり」というコンセプトがあり、閉鎖的な福祉の環境をオープンにしていきたい思いでスタートしたそうです。

 

その後、2019年にあかり食堂の事業を先代のオーナーさんが手放すことになり、創業当時からコンセプトに深く共感していた福島さんが引き継ぐことになりました。

 

「どうしたら笑顔をつなげていけるのか?そう考えたのがルーツだったんです」。

 

もともと、福島さんは柔道整復師としても活動していたため、密接に患者さんとかかわることが多かったと言います。

「患者さんの施術を行うことで、患者さんが元気になって帰っていきますよね。そしたらその患者さんの家族が喜ぶ。家族が喜んで元気になると、今度は地域が元気になり笑顔が広がる。そのような循環をつくることができればいいなと。今思うと、そのような思いが、あかり食堂のコンセプトや自身の活動の原点となっていると感じています」。

 

現在は、あかり食堂のオーナーのほかにも、中央林間にある企業主導型保育園の子育てルーム さといも園の園長などを務めている福島さん。今後はあかり食堂やさといも園の連携したイベントの開催の発信、こども食堂 、会員制のコミュニティの場を企画していると言います。(2023年5月取材時)

 

「あかり食堂とつながることで、みんなが明るく笑顔になるコミュニティを目指していきたいです。これからのイベントなども、街や商店街とつながって一緒に開催していけたらいいですね。枠組みに捉われない、人と人をつなぐコミュニティを形成することで、地域と自治体の活性化になればと思います」。

 

「目の前の人を笑顔にしたい」という一つの思いから始まった取り組みが、日々の積み重ねによって、ヴィーガン・コミュニティカフェの経営につながり、さらに新たなプロジェクトを始動することで、人と人の輪を広げるためのコミュニティを形成する構想へと発展しています。

今後もますます、あかり食堂に人が集まり、つながることで、笑顔が増えていったら素敵だと感じています。

Information

※マチツナガル あかり食堂は2023年12月23日をもって閉店となりました。

マチツナガル あかり食堂

住所:〒242-0006 神奈川県大和市南林間1丁目6−1 TBCビル 八番館1F-B

電話番号:046-272-5778

営業時間:10時~14時30分

定休日:日曜日・祝日

 

公式サイト:https://lit.link/akarisyokudou

Instagram:https://www.instagram.com/akarisyokudo0601/

Facebook:https://www.facebook.com/akarisyokudo

つながるフレンズURL:https://lit.link/tsunagarufriend

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この記事を書いた人
岡島知美ライター
2020年からヴィーガン生活を志す。動物にも地球にも優しい暮らしを送りたいという願いのもと、森ノオトでもヴィーガンをテーマにライターとして活動中。取材を通して人々の思いや活動を知ることで、これからのことを考えていきたいと思っている。
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