
お風呂上がり、すぐにスキンケアができればいいものの、そうもいかない日ってありますよね。私がaoitoriの石けんと出会ったのは、森ノオト主催の地産地消マルシェ「いいかも市」でした。悩みは、1歳の子どもとのお風呂上がりの時間。逃げ回る子どもの保湿をしたりパジャマを着せ終わる頃には、元々乾燥肌の私の顔はパリパリに。でも、aoitoriの石けんで洗顔をした後は、子どもの支度が終わった後も、顔がツッパらず持ち堪えてくれていました。いい香りなだけでなく、洗い上がりの保湿力が抜群のaoitoriの石けん。そんな頼りがいある石けんをつくっている、aoitoriの石けん工房でお話を聞きました。

豊かな田園風景が広がる寺家町。その真ん中にaoitoriの石けん工房はあります
寺家の自然が詰まった石けんとバームの魅力
aoitoriでは、現在5種の石けんと季節限定を含む3種の香りのバームがつくられています。
全ての石けんの原材料は、できる限り農薬や化学肥料に頼らないものや、フェアトレードのものを選んでいます。

余分な熱を加えずに熟成させてつくる「コールドプロセス製法」でも溶けにくいつくりに工夫されている石けんたち。洗顔だけだと1カ月半〜2カ月使えます
中でも寺家町産の米ぬかとローズマリーが使われている「KOMENUKA」「手摘みローズマリーのマルチバーム」をご紹介します。
お米袋をイメージしたかわいらしいパッケージの「KOMENUKA」は、寺家町で農業を営む「はやし農園」の無農薬栽培米(もしくは特別栽培米)を、吉浦さんが精米してできた米ぬかがたっぷり使われています。米ぬかには、肌に潤いを与える天然の保湿成分「セラミド」が含まれており、泡立ちよくさっぱりした洗い心地だそうです。
吉浦さんと林さんの出会いは2016年にまで遡り、その頃からお米と野菜の定期便をお願いしていたそうです。石けんづくりを始めたころから、林さんの米ぬかを石けんに使用したいとずっと思っていたそうで、2023年にめでたくお披露目となりました。

最近新しくなったかわいらしいパッケージの「KOMENUKA」。無香料です
「手摘みローズマリーのマルチバーム」は、同じく寺家町の「里のengawa」の畑で吉浦さんが手摘みしたローズマリーをマカダミアナッツオイルにじっくり2週間漬け込んでつくられています。リップクリームやヘアワックス、また乾燥が気になる箇所全身に使えるほか、少し固めのつくりになっているため、夏でも溶けることなく年中使用できるよう工夫されています。漬け込んだローズマリーのみの香りづけで、驚くほど豊かな香りが優しく広がるバームです。

一つ持っておくだけで大活躍なマルチバーム。持ち運びにも便利なサイズ感です
お子さん二人の子育てと、石けんづくりを支える朝の時間
aoitoriの石けんのことをもっと知りたいと、吉浦さんのHPのブログを読んでいたときに、二人のお子さんを育てながら石けん工房を開き、製造し続けていることを知りました。私も絶賛子育て中、5月からは職場復帰する私は、忙しいであろう毎日を乗り越える工夫を知りたいと思い、吉浦さんに1日のスケジュールを聞いてみました。
とても印象的だったのは、まず夜寝る時間から答えられたこと。朝の一人時間と、睡眠時間を確保するために、子どもたちと一緒に21時就寝だそうです。
吉浦さんの朝は早く、4時半には起床。白湯を飲んだり、ピラティスで体を動かしながら自分だけの時間を開始していきます。洗濯や朝食づくりを始める6時までは、仕事とは関係ない読書や調べ物をして過ごしているそうです。下の子が起きた時や吉浦さんが寝足りないと感じた時は一緒に二度寝をすることもあるそうですが、このルーティンは夫が家にいる土日も欠かさず続ける大事な一人時間だそうです。
暮らしと心のバランスをとるために、「睡眠」をとても大事にしている吉浦さん。かつては肌や体調の不調に悩んでいた時期もあったそうです。

最近は上のお子さんが21時までスポーツをする日も。「丁度いい」時間のつくりかたを日々模索しているそうです
“まじめ”な石けんづくりと、工房づくりの壁
一人目のお子さんが生まれた後、ホルモンバランスとメンタルの崩れで肌荒れに悩んでいた吉浦さん。この時期に、手づくり石けんと出会い、教室に通うようになったそうです。お水と油の温度が1度もずれてはいけない手づくり石けんにハードルを感じたものの、もっとおおらかな石けんづくりがあることを知り、その魅力のとりこになり、家でもつくりはじめました。植物を取り入れた石けんのレシピが数多くあることから植物療法にも出会い、コロナ禍に下のお子さんを妊娠中に、オンラインで1年かけて学んだそうです。植物の力を借りながら、身体が整っていくことを体感した吉浦さんは、出産直前の春に、自然豊かな寺家に引っ越しました。

寺家の自然に囲まれた工房。優しい光が部屋を照らします
自ら良さを体感した手づくり石けんを販売したいと思い始めた吉浦さんに、二つの壁が立ちはだかります。
一つは、化粧品製造販売業と、化粧品製造業の許可を取ること、それらを取るには薬剤師の資格を持っている人に責任者になってもらうことでした。
石けん工房の物件は2022年の春に見つかっていたので、大家さんと期限を決め、まずは協力してくれる薬剤師さん探しから始めたそうです。看護師の知り合いに聞いてはみたもののなかなか見つからず、季節は秋になっていました。その頃にたまたま行った集まりの主催者さんに薬剤師の知り合いがいて、つないでもらうことができたそうです。
次に化粧品製造業の販売許可をとるために、石けん工房づくりがはじまりました。石けんを保管する場所の衛生管理のため、部屋数の規定や、トイレのドアが二つ必要など、さまざまな条件があり、色々案を出しては戻され、アイデアを出すの繰り返しだったそうです。
それらを乗り越え無事に2023年4月に製造・販売の許可が出て、その年の5月にJIKEマルシェで初出店。お二人のお子さんと家族に見守られながら、aoitoriが羽ばたき始めたのでした。

出番を待つ石けんたち。どうしてもできてしまう重さが足りないものはハーフサイズにしたりと、無駄なく人の手に渡ります
石けんづくりを通した、寺家への恩返し
吉浦さんが長い時間をかけて製造・販売の許可を取り、石けんづくりを仕事にしていった経緯には、工房も自宅もある寺家町への強い思いがありました。コロナ禍に寺家町に引っ越してきてから、毎日家族で散歩したり、一緒に過ごす時間が増え、家族の形が良い方向に変わっていったこと。工房の壁づくりや、販売のための棚や台も、寺家町の方々に手伝ってもらったこと。そういった出来事から、吉浦さんは初めて自分が住む土地として青葉区・寺家を好きになり、この場所に恩返しをしたい気持ちになったそうです。地域をともにする仲間の林農園の林さんや、里のengawaのオーナーのアレックスさんが、日々淡々と自分ができることをしている姿を見て、吉浦さんも励まされているそうです。
寺家の植物で石けんをつくり、その石けんのある暮らしが人々に届くことで、寺家の残された自然の未来につながっていく良い循環を感じました。

「aoitori」は、引っ越して2日目に寺家でカワセミを見たこと、また持ち物に青いものと鳥のものが多かったことから名付けられたそうです
“まじめ”に肌に応えてくれる石けんと、これからのaoitori
その時の自分ができることを1日1日歩んで石けんをつくられている吉浦さん。お子さんや家族との時間を大切にしながらも、ご自身の心身を整えながら、迷いながらもしっかり前にすすむ吉浦さんだからこそ、“まじめ”に肌に応えてくれる石けんができあがるのだと感じました。

必要な手続きを一つずつクリアしてきたからこそ、子どもに「何の仕事をしているの?」と聞かれた時に胸を張って答えられると語る笑顔の吉浦さん
aoitoriは昨年から寺家を飛び出して、各地方のイベントにも積極的に出店しています。家族、友人の協力でお子さんを見てもらいながらも、さまざまな場所に力強く羽ばたいていくaoitoriの姿から目が離せません。皆さんも、寺家の豊かな自然を感じながら、洗顔時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Aoitori
一部商品取扱店舗
◯里の恵季
青葉区寺家町337
https://www.instagram.com/madeinjike?igsh=MTdqczdneW15Zmpueg==
◯ma Maison Pegul
青葉区桜台44-13
https://www.instagram.com/pegul_kaorito?igsh=MXdzam8zZ2hweG55bA==
全定番商品取扱店舗
◯日本の手仕事・暮らしの道具店 cotogoto
東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
https://www.instagram.com/cotogoto.jp?igsh=MWE3d3J3a2JkZmZueQ==
※実店舗のみの販売となります(2025年4月現在)
Web: https://aoitori1101.base.shop
Instagram:@aoitori_soap

生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!