農あるまち・青葉区の豊かさを未来につなぐ!小学生向けの学習教材「青葉区の農っていいねブック」が完成しました
2025年3月、横浜市青葉区が「青葉区の農っていいねブック」を発行しました。青葉区内の農家さんと横浜市立小学校の栄養教諭・学校栄養職員研究会の先生方のお力を借りて作成したこの学習教材。青葉区に暮らす小学生やその家族たちが「青葉区の農っていいね!」と感じられるような、充実した内容です。

私たちが暮らす横浜市青葉区は、閑静な街並みと美しい街路樹や公園が魅力的な「丘の横浜」と呼ばれる地域です。東急田園都市線・こどもの国線・横浜市営地下鉄の3路線9駅が利用でき、バス便も便利。都心や横浜中心部へのアクセスが良好で子育て世代にも人気の街として知られています。一方で、緑豊かで、寺家ふるさと村やこどもの国、鶴見川や恩田川沿いの遊歩道など、自然とふれあえる環境が身近にあります。

区内にはJAの直売所が3店舗あり、農家さんが直接持ち込んだ野菜や畜産物を新鮮な状態で手に入れることができる

さらに青葉区は農業が盛んで、田んぼや畑を持つ農家さんが400件ほど、新鮮な採れたて野菜を購入できる直売所が30カ所以上、さらに地元の農畜産物を活用したよこはま地産地消サポート店もレストランからパン、菓子、惣菜店などバラエティに富み、地産地消を味わえ、楽しめる地域といえます。農地の面積は市内4位の16,823アール、横浜市全体の田んぼの3分の1が青葉区にある横浜一の米どころでもあり(3,199アール)、横浜のブランド果実「浜なし」「浜ぶどう」「浜かき」の産地としても知られます(「なるほどあおば データでみる青葉区2023」2024年3月より)。

2024年4月下旬にJAの直売所で購入した新鮮な野菜たち。一つの品目でも何品種もあり、食べ比べができるのも楽しい

そんな青葉区の魅力を支えているのは、農地を耕し守ってくれている農家さんあってのこと。その価値を広く伝え、農業への理解を促進していこうと、青葉区区政推進課では2023年度より「青葉区における都市農業の展開事業」を行い、区内の農家さんたちと意見交換を行ってきました。森ノオトも事務局として事業に携わり、青葉区の農業の魅力発信や啓発をしています。取材のなかで、農家さんたちは日々心を込めて農地を耕し、周辺環境に気を配りながら、おいしくて安全なものをつくるために努力していることがわかりました。ある農家さんは「トマトが好きじゃなかった子が、おじさんのトマトはおいしい、こんなおいしい野菜を食べたことがなかったと、わざわざ言いにきてくれるんだ。それが何よりうれしいね」と、地域の子どもたちの声が農業を続ける原動力になっていると話してくださいました。実際、炎天下のなかでの農作業や、気候変動や病害虫による影響、近隣地域への配慮など、お話を聞くほどに、農家さんのご苦労は計り知れないものがあります。そんななかでも「おいしいものをつくりたい!」と誇りを持って農業に取り組んでいる農家さんたちの人柄にふれ、農地が身近にある環境の豊かさをより多くの区民と分かち合いたいと私たち森ノオトも思うようになりました。

昨年の青葉区民祭りでは、地元農作物のPRコーナーを設け、啓発に取り組んだ青葉区

青葉区(区政推進課)では、青葉区の農業の魅力や価値を、未来世代に伝えていくために、2024年度には「青葉区の農っていいねブック」の作成に取り組みました。横浜市の小学生たちは、3年生の社会科の授業で「横浜の農業」について学びます。高学年になると総合的な学習の時間等でさらに学びを深めたり、学校によってはバケツ稲での米づくりや、さつまいも掘り、浜なしの収穫体験など、地元の農家さんの協力のもと農体験を取り組むところもあります。学校の「給食だより」で、地産地消や旬の作物の栄養価についてのコラムが発信されることもあり、学校給食の特別メニューで地産地消の献立が出ることもあります。青葉区内でも横浜市立小学校の「栄養教諭・学校栄養職員研究会」の先生方が、毎月、食育や地産地消についての意見交換を実施しています。

横浜市みどり環境局農業振興課が実施している地産地消の料理コンクールで、令和6年度は区制30周年を記念して青葉区長賞を設けた。区内の小学生6人が受賞した

こうして、企画から1年以上かけて制作した「青葉区の農っていいねブック」が完成したのは、2025年3月のこと。3月24日には「はま菜ちゃん料理コンクール 青葉区長賞」の表彰式と、「青葉区の農っていいねブック」の贈呈式が青葉区役所で行われました。農家さんたちの意見交換会の座長である坂田農園の坂田清一さんから、青葉区栄養教諭・学校栄養職員研究会の平岡仁樹先生(横浜市立黒須田小学校校長)に手渡されました。

贈呈式で平岡先生に本を手渡す坂田さん。左は中島区長

中島隆雄青葉区長は、「農家・学校関係者の皆さんにご協力いただき、『青葉区の農っていいねブック』を作成しました。子どもでもわかりやすく書かれているので、小学校で農業の魅力や理解を深めることにご活用いただきたい。青葉区は“住み続けたい・住みたいまち”を掲げて行政運営をしており、農業との共生を推進していきます」と力強く語りました。坂田さんは、「お米、果樹、野菜、花など、青葉区でつくった農産物にはどういうものがあるか、区民にどんなことを知ってほしいか、1年間ずっと話をしてきました。それぞれ農家さんに得意分野があり、いろいろ意見をいただいて、素晴らしい本にまとまってきました。私たち農家は、日々の料理の元である農作物をつくっています。地元の農作物を使っておいしい料理をつくっていただければありがたい」と話し、平岡先生は「教育に有効活用させていただきます」と答えました。

青葉区のHPから誰でもダウンロードできます。ぜひご家庭でもご活用を

この「青葉区の農っていいねブック」は、横浜市のホームページからPDF形式でどなたでもダウンロードできます。家庭教育でも活用できますので、ぜひ多くの方にご覧になっていただき、青葉区の農の魅力を知っていただければうれしいです。

Information

「青葉区の農っていいねブック」

ダウンロードページはこちらから▼

https://www.city.yokohama.lg.jp/aoba/kurashi/machizukuri_kankyo/midori_eco/nouarumachizukuri.html

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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