東急田園都市線・こどもの国線の「降りない駅」に降りてみた!~宮崎台駅編~
東急線の急行に乗っていると、いつの間にか通過している駅があることに……みなさまお気づきでしょうか。森ノオトライターが、そんな普段は降りない(!?)駅にスポットライトを当て、その駅とエリアの魅力をリレー形式でお届けします!第3回の今回は、ライターの佐藤美加が、宮崎台駅の様子や実際に訪れたスポットをご紹介します。

暑さもだいぶ落ち着いてきた9月の平日、10時30分。東急田園都市線・宮崎台駅で電車を降りて、今回の宮崎台ぶらり散歩のスタートです。宮崎台駅は、1日約48,000人の利用者がある駅なのだとか(2024年度 東急電鉄調べ)。

 

改札を出るとすぐ目に入るのは「電車とバスの博物館」。「宮崎台駅といえば何がある?」とライターたちに聞くと、すぐ名前が上がったのがこちらの博物館でした。本物の電車やバスの車両に乗ることができたり、シミュレーターで運転体験をしたり、精密なジオラマを眺めたり。子どもたちが小さかった頃、私も何度も通った思い出の場所です。木曜日のこの日はあいにくお休みで残念!博物館の様子はぜひこちらの記事でチェックしてみてください。

「電車とバスの博物館」は、東急電鉄が運営する鉄道保存展示施設。電車やバスの運転はもちろん、飛行機の操縦も体験できるシミュレーターが人気です。宮崎台駅直結で雨の日も安心。大人も子どもも楽しめます

気を取り直してまずは駅の南口へ。バスとタクシーのロータリーの方へ出てみると、そこにはすてきな花壇が広がっていました。

植えられている草花には名前の札もついていて読むのも楽しい。あちこちに置かれた陶器の動物たちもかわいくてほっこり♪

小さいながらも丁寧に整備された花壇には歩いて一周ができる小道やバラのアーチも!花壇、というよりも、小さなイングリッシュガーデンのような本格的な雰囲気です。看板を覗いてみるとここは「宮前ガーデニング倶楽部」さんが手入れをされているとのこと。市民活動によって駅前が彩られていることを知り、とてもうれしくなりました。

 

北口に移動して線路沿いのゆるやかな坂を下って大通りまで出てみると、「セレサモス」という大きな看板が見えてきました。「ファーマーズマーケット」の言葉に誘われて、さっそく行ってみることに。

駐車場も114台分完備!たくさんお買い物をしても安心です!!

「ライフ宮崎台店」の裏手の階段をのぼりきると……

 

わぁ〜、大きい!

 

広々とした施設が目の前に現れて、思わず声が出てしまいました!

 

セレサモスはJAセレサ川崎が運営する大型農産物直売所。宮崎台駅からは徒歩でおよそ5分のところにあります。店内には川崎産農産物がずらり!トマトやきゅうりやナス、根菜、葉物野菜など、馴染みのあるものから、珍しい野菜までバリエーションが豊富で圧倒されます。梨やぶどうなど季節のフルーツも大人気の様子で、店頭には人だかりができていました。新鮮、かつ、お手頃価格な農産物の数々に目移りしてしまいます。

パッションフルーツが川崎市で作られているなんて!この日は青パパイヤを使ったサラダも試食しました。店内には食育ソムリエさんによるレシピの配布ブースも。売り場にいらっしゃるスタッフの皆さんはとても親切で、おすすめの野菜やおいしい調理方法などを丁寧に教えてくださいます

迷いに迷って、私は、大好物のいちじくと、スタッフの方がおすすめしてくださった歯がグラグラしていても食べられるほどやわらかい食感だという“ハグラウリ”、防空壕跡地で作られているという“防空壕きくらげ”、川崎生まれのハーブペッパー“香辛子”を使ったポップコーンを購入。どれもとても美味でした!

産地直売所だからこそできたお買い物だったなぁと大満足。おやつやご飯の時間、家族との会話のタネにもなりました

まだまだ散策は続くのに、買い物をしすぎちゃったかも……と重くなる荷物に若干あせりつつ、少し駅を離れて、気になっていたスポットへ移動しました。

 

それは……地図で発見し、どうしても見てみたくなった「お化け灯篭」!!川崎市青少年の家の敷地内にあるらしいのです。

 

川崎市青少年の家は「団体の宿泊研修を通じて社会性を身につけ、情操を豊かにし、心身ともに健康な青少年の育成を図ることを目的とする社会教育施設」。宿泊室、音楽室、創作活動室や研修室、プールや野外炊事場もある大きな宿泊施設です。

宮崎台駅からは徒歩17分。小高い丘の上の自然豊かな環境にあります

施設の方にご挨拶をして、中庭にある「お化け灯篭」を見学させていただきました。中庭の炊事場、キャンプファイヤーなどができる広場の裏手に佇んでいたのがこちらです。

比較するものがなくて恐縮ですが、石全体で高さは1m以上あります!思ったより大きくて大迫力です。この「お化け灯篭」は、川崎市の地域文化財に登録されているのだそう

わぁ〜〜〜。足が……ない!

 

説明書を読むと、この灯篭は、そもそも旧陸軍東京歩兵第一部隊の将校集会所(現在の東京都港区六本木)にあったもの。その当時、灯篭が夜のうちに化けて出て、六本木界隈に出没するという噂がたったため、灯篭の足の部分を切ってしまったのだとか。1942年に部隊の兵舎を現在の青少年の家に移したとき、この灯篭も足のないまま移されたのだと言います。

 

「今も化けて出るかは分かりませんが、宿泊する子どもたちの間では、夜、この灯篭の話題でもちきりになるんですよ」と職員さんは笑顔で教えてくれました(お泊りする子たち、ちょっと怖いだろうなぁ)。

 

さて、お化け灯篭の謎が解けてホッとしたところで(?)、すっかりお腹も空いてきました。駅まで戻ってランチをすべく、目指したのは「喫茶ランドリー」!

宮崎台駅前のティップネスの1階に入っています。お店の奥にランドリーとアイロン&ミシンコーナーが。編みかけの毛糸のモチーフが置いてあってキュン♡

「喫茶ランドリー」は 洗濯機・乾燥機やミシン・アイロンを備えた「まちの家事室」付きの喫茶店。東京都墨田区の住宅街と、神奈川県座間市のホシノタニ団地、そしてここ宮崎台、3か所で運営がされています。

 

本の交換ができる「まちの本棚」があったり、駄菓子が売られていたり、ワンちゃんOKのテラス席があったり、テーブルをレンタルスペースとして借りることもできたり。「どんなひとにも自由なくつろぎ」がコンセプトの、とても居心地がいい場所でした。

私はガパオライス。今回の取材に同行してくれた佐藤沙織さんは、ハンバーグカレーをチョイス!飲み物のコップがとても大きくて興奮しました。ありがたや〜

手づくりのご飯を食べてお腹も心も満たされたところで、本日の宮崎台駅周辺散策はおしまいです!

宮崎台駅北口を出てすぐのところにあるロワール洋菓子で、絶滅危惧種(?)「たぬきケーキ」を発見。お土産に買って帰りました。町に愛され続けた名店は、店主ご高齢につき今月末(2025年9月末)で閉店されるそうです

この記事を書くまで、ほとんど宮崎台について知らなかった私ですが、今回じっくりお散歩をしてみて、面白い場所をたくさん発見!宮崎台はもうすっかり「私の好きな町リスト」に加わりました!

 

宮崎台駅は現在、ホームやコンコースの内外装と駅前広場のリニューアル工事中です。完成は2028年度を予定しているそうです。これからどんな駅、そしてどんな町になっていくのか楽しみですね。

 

みなさんも、“降りない駅”に降りてみませんか?知らずにいた町の思いがけない魅力を発見できるかもしれません。

Information

<JAセレサ川崎 セレサモス宮前店>

神奈川県川崎市宮前区宮崎2丁目1-4

044-853-5011

営業時間:9:30~15:00
定休日:毎週水曜日・年末年始
https://www.jaceresa.or.jp/agri/ceresamos/

 

<川崎市青少年の家>

神奈川県川崎市宮前区宮崎105-1

044-888-3588

お化け灯籠は施設開館時に見学が可能です

https://kawasaki-seishounen.info/

 

<喫茶ランドリー>

神奈川県川崎市宮前区宮崎2丁目10-10

営業時間:11:00~19:00
定休日:金曜日

https://www.instagram.com/kissalaundry_miyazakidai/

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この記事を書いた人
佐藤美加スタッフ/ライター
新宿生まれ新宿育ち。音楽業界出身、SNS運用を主な生業とするフリーランス。2児の子育て中、森ノオトの記事に救われたことがきっかけで書き手に。この街のたくさんの物語に光を当てて届けたいと思っています。編み物はライフワーク!短歌はじめました。
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