「シルクのメガネ」で街に出よう 〜お蚕さんとすごす夏休みはいかが?編〜
シルクに興味を持つようになった私が、シルクを見つけ出す魔法の「シルクのメガネ」をかけて街に出てみたら、身近なところにシルクにまつわるあれこれを見つけることができました。街歩きが楽しくなる「シルクのメガネ」シリーズ、始まります。

「シルクのメガネ」、もちろん架空のものです。一つのことに意識を向けると急にいろいろなものが見えてきたり、新しい人と出会えたり、そんな経験がみなさんにもあるのではないでしょうか。

 

私は着物を着るのが好きで、日常的にシルク(着物の世界では正絹と言います)の着物も着るようにしています。

 

シルクはお手入れが大変なのでは?という声も聞きますが、家の中の作業や通常の外出ではそんなに汚れるものでもないし、着ていて感じるのは、シルクは意外と丈夫だということです。そしてなにより積極的に着たくなる理由としては、シルクを身にまとったときの心地よさです。シルクで作られた着物は、眺めてうっとり、着てうっとり、たたむときもうっとりなのです。

 

シルクっていいな、素敵だなと思っているうちに、私はいつの間にか「シルクのメガネ」を手に入れたようです。このメガネをかけて街に出れば、いろいろな場所にシルクの歴史を感じます。例えば町田に絹の道があることや、寺家のあたりには養蚕農家さんがいたということに気がつくことができました。またJR横浜線は絹糸を運ぶために開通されたなんてことも教えてもらいました。今までだって、情報は私の周りに流れていたのに、興味がなくただぼうっとしていたので気が付くことができなかったのでしょう。でもこれからは大丈夫。「シルクのメガネ」を利用して、シルクの世界をみなさんと一緒に楽しみたいと思います。時に他の森ノオトライターとも力を合わせ、シルクシリーズをお届けします。

母の残してくれた着物や帯。自分の好みやに合わせ、八掛(袖口や裾回りにつける裏地で歩く時などちらりと見える)の色を変えたり、派手すぎる羽織は帯に仕立て直して着ている

お蚕さんとすごす時間

さて、シルクといえばまずはお蚕さん。私はお蚕さんとすごしてみたいと考えました。それは着物一枚作るのにお蚕さんの作る繭が2600〜3000個必要だと聞いたからです。お蚕さんのことをもっと知らなくてはいけないと感じ、今年の5月、6月にお蚕さん飼育を体験したのです。やる前は正直、躊躇していましたが、やってみたらこの2カ月間が私にとってあまりにも尊い時間となったので、ぜひ多くの人に体験してほしいなと思うようになりました。学校によっては授業で取り入れているようです。ぜひ大人も積極的に関わって一緒に楽しんでください。

 

学校ではやっていない、個人で楽しみたいという方には、私が参加した「SILK OF LIFE」の蚕飼育体験プログラムを紹介します。

 

この2カ月のプログラム「小さな命とすごす春・夏・秋」シリーズでは、お蚕さん飼育キットが届くと、LINEグループで他の受講者さんとつながり、わが子(お蚕)の成長報告をしたり、心配なことを養蚕農家さんに相談したりすることができます。また5回のオンライン講座では飼育レクチャーや、歴史産業の講座もあり、学びが深まります。私は「春」のコースを体験しましたが、農家さんにいつでも聞くことができる安心感があることと、他の受講者さんとお蚕育てのママ友という感覚でつながれるのがとってもいいなあと思いました。

子どもたちにとっても大切な時間となること間違いなし。家族で話し合うことも増える。虫が苦手な人も飼っているうちに「かわいくて仕方がない!」となることも多いよう(写真:SILK OF LIFE)

お蚕さんとすごす夏。卵スタートの締め切りは6月30日!

7月開始の「小さな命とすごす夏2026〜養蚕農家職業体験と産業への扉〜」では、子どもたちの視野がより広がるようにと考えられています。養蚕農家さんにインタビューする時間や、製糸工場のオンライン見学などもあるそうです。また希望者には自分で育てた繭を商品として出荷することもできます。夏休み、家族で小さな命に向き合い、日本の産業の歴史などを学んでみるのはいかがでしょうか。

「小さな命とすごす夏2026」のコースは、お蚕さんを育てるだけでなく、養蚕農家さんの仕事、製糸工場と糸づくり、日本のシルク産業、一つの命が産業や社会につながる流れを、講座や体験を通して学ぶことができる。子どもが参加しやすいプログラムだが、大人にも希望者がいたそうで、大人コース(卵スタートのみ)も設けた。それぞれの締め切りは、卵からスタートは6月30日、幼虫からスタートは7月17日(写真:SILK OF LIFE)

 

キットは育てやすい紙の箱の中に、乾燥を防ぐ紙、桑の葉、お掃除の時に使うものなど入っている。入っているものは全て必要なもの。説明書をしっかり読もう(写真:SILK OF LIFE)

 

このプログラムを立ち上げたのは「SILK OF LIFE」の代表鈴木咲絵さん。「SILK OF LIFE」は「1000年後の未来にシルクをつなげるプロジェクト」として蚕飼育を多くの人に広めたいと考えて作られたチーム。咲絵さんはお蚕さんに出会って人生が変わったのだと教えてくれた。詳しくは別の記事で

お蚕さん飼育の経験を発表してみよう

お蚕さんとすごす時間を記録して発表してみるのもいいですね。子どもだったら学校の自由研究課題として提出したら宿題一つクリアです。また、「全国 蚕とシルクの自由研究コンテスト2026」(全国蚕とシルクの自由研究コンテスト2026実行委員主催)というものも開催されるそうなので、そちらに家族でそれぞれ応募してみるのも楽しそう。

 

こちらのコンテストでは2025年夏から2026年夏の間に蚕にまつわる作品づくりや研究をした人なら、子どもも大人も応募できるとのこと。飼育の観察や歴史調査などのほか、繭の作品や命の表現の絵画、また飼育を通して感じたことを文章に表現するなどさまざまなものが評価対象になります。ぜひ自分の得意な分野、興味のある分野で参加してみたいですね。私も応募してみたくなってきました!

 

私のお蚕飼育、実は2回目でした。10年ほど前に子どもが学校から連れてきたことがあり、それが1回目。一度体験しているからもうわかっているし、やらなくてもいいかなと思っていたのですが、とんでもない勘違いでした。再びお蚕さんを育てることで新たな気づきがあり、喜び、心の葛藤なども新鮮な気持ちで味わっています。子育てが毎回違うように、何度飼ってもお蚕さんから学ぶことは多いのかなあと思っています。もしこれを読んでピンときた方はぜひ挑戦してみてくださいね!

 

私のお蚕さん飼育のことは次の記事にまとめたいと思います。

「シルクのメガネ」で街へ出よう、始まりです!

Information

・SILK OF LIFE

https://silkoflife.jp

 

・小さな命とすごす夏2026

https://silkoflife.jp/kaiko

 

・全国 蚕とシルクの自由研究コンテスト2026(7/4サイトオープン)

https://silkoflife.jp/contest

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この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
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