(text:中島美穂)
私が暮らす横浜の水源、道志村。毎日の暮らしに欠かせない水のふるさとは、森に囲まれた自然豊かな美しい場所です。
これまで森ノオトでは間伐材のお話などを通じて森の大切な役割について取り上げてきたので、私は手入れが行き届かずに荒れている森林の問題について、頭では理解しているつもりでした。でも、実際に杉や檜が密集した人口林に足を踏み入れ、ノコギリを手に汗をかいて間伐の体験をすることで、森が私たちに与えてくれる恵みを身体で感じ、光が差し込む健全な森にしたいと思わずにはいられませんでした。それに切り倒された間伐材は有効に使ってあげたいとも。
間伐体験で自分も森を守ることに微力ながらお手伝いできる実感をもっと味わいたかったのですが、この日のもうひとつのお楽しみ、道志村の食材を使ったアウトドアランチの仕込みのため、何人かのメンバーで一足先にキッチンスタッフとして森をあとにしました。
キッチンスタジアムよろしく、その日に出会った地元の新鮮野菜や加工品からインスピレーションとクリエイティビティでランチをつくろう! というのがこの日のテーマです。食材の調達に「道の駅どうし」へ向かいました。
道志村では四季折々の野菜が種類豊富に収穫できますが、特産は生産出荷量日本一を誇るクレソンです。道志川の清流で育ったクレソンは、キリッとした辛みと爽やかな香りが特徴で、食物繊維やミネラルが豊富。「でも、クレソンって付け合わせの野菜でしょ!?」いえいえ、ここでは主役級の扱いです。生はもちろん、クレソンを練り込んだうどんやそば、パスタ、クレソンケーキにようかんまでたくさんの加工品がありました。
地元食材の美味しさを生かすメニューを考え、道志村センタービレッジキャンプ場で調理スタート。地元の女性たちもお手伝いしてくださり一緒におしゃべりしながら楽しく手を動かしました。
フレッシィな野菜の美味しさを引き立てるには、シンプルな調理法が一番。調味料も大切です。蒸し野菜には各自持参したこだわりの塩に、純オーガニックコットン製品ブランドのメイド・イン・アースが提供してくださったAdatepeエキストラバージンオイルをたっぷり贅沢に! 無農薬・無科学肥料栽培のオリーブで丁寧につくられたオイルはフレッシュな香りとコクがあり、道志の野菜のうまみをぐっと引き出してくれます。
「これ、なんだか知ってる?」と、キャンプ場オーナーのお母様から大きな夕顔の差し入れが! かんぴょうの材料として有名なのは丸夕顔ですが、いただいた長夕顔はそのまま調理して食べるのが一般的だそう。地元ではよくお味噌汁の具としても食べられていると聞いて、スープに入れていただくことにしました。
木こりガール特製道志ランチの完成です!
じっくり煮込んだ夕顔がとろ〜りとろける野菜スープは、道志ポークベーコンの出汁がきいています。特産のクレソンが練り込んであるうどんには、道の駅で見つけたクレソン入りの甘辛味噌をからめました。フレッシュなクレソンとみょうが、プチトマト、にんじん、たまねぎのサラダは道志のゆずとオリーブオイルで和えて大人の味に。シンプルな蒸し野菜は旨みがぎゅっとつまっています。パリッとした食感とジューシーな味わいの道志ポークソーセージの炭火焼きに、青葉区が誇るベッカライ徳太朗のパンにはこれまた道志産ルバーブのジャムをそえて……と、道志村を味わいつくす贅沢な食卓となりました。
私たちの間伐体験をサポートしてくださったNPO法人道志森づくりネットワークのみなさんと村の方たちに感謝の気持ちをこめてつくったランチ。「間伐の後でこんなに洒落たものが食べられるとは思わなかったな〜(笑)」と喜んでいただきながら、一緒に道志の恵みを味わいました。
この日の料理にはキャンプ場脇の森から引いてきている湧き水を使いました。美味しい野菜も森が育む水があればこそ。
私たちの命を支えている森。その恵みに感謝して森を守りたいという気持ちを強くしました。
実際に足を運び、自分の目で見て、身体で感じることって大切ですね。今度は子どもたちを連れて、道志の森を訪れたいと思います。
間伐女子ツアー「Women’s Forest’s Act」
2012年9月29日開催 @山梨県道志村
主催:一般社団法人スマート・ウィメンズ・コミュニティ
共催:森ノオト
協力:横浜市環境創造局<横浜市環境保全活動助成事業>
【間伐指導】NPO法人道志森づくりネットワーク
【エコカー提供】フォルクスワーゲンジャパン
【オリーブオイル提供】http://www.made-in-earth.co.jp
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