「足下からエネルギーシフトを」を合言葉に活動しているあざみ野ぶんぶんプロジェクトの第3回勉強会。この日のテーマは「身近にある自然エネルギーの発電所を見学に行こう!」。最初に山内地区センターでレクチャーを受けました。
講師は、東京発電株式会社水力事業部の富澤晃さんと濱田督子さん。
「水力発電というと、みなさんはどちらをイメージしますか?」
水車の写真と巨大なダムの写真を比較しながら始まった富澤さんのレクチャー。富澤さんは時々ユーモアを交えながら、とてもわかりやすくお話をしてくれました。
出力規模が1,000kW以下の小水力・マイクロ水力発電は、上下水道や農業用水など他の目的で整備されている水の流量や落差を活用して発電します。発電のために大きなダムを造る大規模水力発電施設のように、自然破壊を伴うような開発をすることもなく、小規模の水力発電は既存の設備に後から発電設備を付け足すため、ローコストでつくることができます。水の運用に関しても、上下水道や農業用水の本来の目的である水利用を妨げることがないようにつけられているそうです。
また、風力や太陽光発電に比べて、天候や風向きによって発電量の変動がないため安定した電力の供給ができるうえ、CO2の排出量も少ないため温暖化対策にも有効だということです。
レクチャーを受けて参加者のみなさんの関心が高まったところでいよいよ、発電所に移動です。
元は鷺沼プールがあった場所です。跡地は鷺沼ふれあい広場、フロンタウン鷺沼(フットサル場)として生まれ変わり、川崎市立土橋小学校となごみ保育園、高齢者施設が併設しています。発電所は土橋小学校の敷地に隣接しています。
鷺沼発電所は川崎市水道局の鷺沼配水池の敷地内にあり、浄水場から流入している水を利用して発電しています。発電所の出力は90kW、年間発生電力量は55万kWh。これは一般家庭およそ160軒分の電力量に相当するそうですが、すべて東京電力に売電されています。
実は私は昨年の夏、この場所にある「カッパーク鷺沼」のレポートを書きましたが(https://morinooto.jp/2010/08/26/kappark/)、発電所があるなんて気がつきませんでした。それほど小さな施設で驚きました。
隣は土橋小学校の敷地で、昼休み時間中の子どもたちの笑い声が聞こえてきました。小学校の隣に発電所があることで、子どもたちもエネルギーについて身近に感じることができるのではないでしょうか。
「発電のための水車は各水道施設に合わせて設計するので、水車をつくるのに約半年から1年、設置に数ヶ月かかります」と濱田さんが説明してくれました。水車の設計から設置までおよそ2年。電気をつくるには高度な技術が必要なのですね。
普段はなかなか見ることのできない施設に、参加者のみなさん興味津々。事前にレクチャーを受けていたこともあって、解説をしてくれた濱田さんへ積極的に質問していました。
自然エネルギーが生まれる場所を見学し、環境に負担をかけない電力でつくる未来への希望を感じてワクワクしました。
「コンセントの向こう側」……自分たちが恩恵を受けている電気がどのようにつくられているのか。そもそも私たちの暮らしにこれほどたくさんの電気が必要なのか。子どもたちに残したい未来の姿を描いて、そこに向かうための道筋を考えていきたいと思いました。
東京発電株式会社HP
あざみ野ぶんぶんプロジェクトBlog
http://azaminobunbun.blogspot.com
キタハラマドカが以前書いた小水力発電に関する記事。
鷺沼発電所も取材しています。
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