2009年の日本の食料自給率は40%(カロリーベース)。実にその6割を海外に依存していることになります。その一方で、日本だけで年間2000万トン以上の食品が廃棄されています。食べ残しや調理くずで約半分。そして、食品製造や販売、外食産業から出る、食べられずにそのまま廃棄される食品が約1000万トンといいます。世界の食料援助の総量が約850万トンですから、日本のこの数字は異常とも言えます。
飽食の裏側で、路上生活者や母子家庭など、貧困にあえぎ、日々食べ物に困っている人たちが少なからずいるのも日本の現状。まだ食べられるのに捨てられてしまう「もったいない」食べ物を引き取り、路上生活者や児童養護施設、老人ホームで暮らす人々など、生活に困っている人たちに無償で配布する「フードバンク」の活動をルポルタージュしたのが本書です。
本書では、フードバンクがさかんなアメリカの最新事情、日本のフードバンクの草分けである「セカンドハーベストジャパン」の地道な活動紹介と、セカンドハーベストジャパン代表のチャールズ・マクジルトン氏の壮絶な半生を詳細にリポートしています。
日本でフードバンクが根づくために必要な要素は何か? 私たちはどのような形で支援できるのか? そもそも、貧困と飽食の間で起こっている問題の本質とは……。私たちの生き方自体を見直すとともに、困っている身近な他者へ手をさしのべるための一歩を示してくれる一冊です。
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