私は、いつのころからか、この絵本にはミルクティー、この物語には濃いめのコーヒー……など、「読み物」と「飲み物」を組み合わせることを一人楽しんできました。そうやってひと手間かけることで、私自身、より深く本の世界に入り込むことができるような気がするのです。
自分で飲み物や場を準備する「図書カフェ」は少し面倒に感じるかもしれませんが、考えようによっては好きなものが飲める、少しの時間で大満足……とよい点もたくさんあるのですよ。子どもが小さくて大好きなカフェにも行かれない! というママたちにも試してほしいです。
家の中のお気に入りの場所に「図書カフェ」コーナーを設置してくださいね。
自分で読みたい本、飲みたいものを選ぶのが一番ですが、もし思いつかない時は、こちらのおすすめメニューをどうぞ。
おすすめ図書メニュー&ドリンク
『かあさんのいす』
『ほんとにほんとにほしいもの』
『うたいましょう おどりましょう』
いずれもベラB.ウィリアムズ/作・絵 佐野洋子/訳 (株)あかね書房
ローズヒップとハイビスカスのハーブティー
〜ジンジャースライスを添えて〜
絞りきれなくて三冊。こちらは三部作になっていますが、一冊だけ読んでもお話は、きちんと伝わってきます。でも三冊とも読むことでより深く楽しめます。何度かにわけて順番にゆっくり味わってみてはいかがでしょうか。
主人公はローザという女の子。年齢は書いてありませんが、10歳前後の印象です。ローザはおかあさん、おばあちゃんとの三人暮らしです。暮らしはけっしてラクではないのでしょうが、周囲の人たちや友達の協力もあり、たくましく生きていく様子が温かく描かれています。
全ての話に登場するのが一冊目のタイトルである「かあさんのいす」。
この『かあさんのいす」についてローザは、「すごくふわふわで、すごくきれいで、すごく大きいのを買うのです。バラのもようがついたビロードが、かぶってなくてはいけません」(『かあさんのいす』より)と言っています。
ついに家族みんなの努力で買うことができたこのいすは、サイズといい、色のといい、ローザの家にぴったりなのです。家族の愛情を形にしたようなこのいすは、三人にとってなくてはならないもの。女三人がぴたっとくっついて座っているのがとってもお茶目です。
三冊を読み終えて、私は、人生ってすてきだなと思いました。また、ローザの成長に自分の子どもの姿を重ね合わせたり、周囲の人たちの協力が温かい様子に、地域のつながりってこうありたいなと思ったり。とにかくよい意味でいろいろな場面で心を揺さぶられます。
純粋にお話を楽しんだ後、今度は絵を中心に眺めるのもいいですよ。
・表情に注目しながら
・お店やお部屋の内装などをチェック
・お料理の味を想像しながら
・洋服はどんなものを着ているのか
・キッチンの道具はどんなものを使っているのか
こんな風に自分で気になる部分を中心に絵を見ていくと、ストーリーとは別の世界を何度も楽しめます。
水彩画で描かれた美しいページから、楽しさ、喜び、寂しさ、緊張感、優しさ……などさまざまなことを感じ取ることができます。。
そして、ローザの家族の「世界一すてきないす」を繰り返し眺めていて、思いついたのが本日のおすすめドリンク「ローズヒップとハイビスカスのハーブティー」なのです。
このお茶は優しい酸味と美しい赤い色が特徴です。
そのままでももちろん美味しいのですが、甘酸っぱさの中に、ぴりっとジンジャーの辛みを効かせてみましょう。人生のスパイスのように。
【ローズヒップとハイビスカスのハーブティー 〜ジンジャースライスを添えて〜】
材料と準備
ローズヒップティー(ティーバッグ)(ハイビスカスが入っているものを選ぶ)
ジンジャースライス(ドライ)2、3枚 (または生の生姜の薄切り)(※)
ローズヒップティーとジンジャースライスを耐熱のコップの入れ、熱湯を注ぐ。
好みの濃さになったら飲む。
(※)ジンジャースライスは生姜を極薄く切ってからからに乾燥させたもの。急ぐときは120℃ぐらいの低温にセットしたオーブンで乾燥させる。生で使うよりやわらかな味になる。他のお茶や料理にも使えるのであらかじめつくっておくと便利です。
さあ、お茶の準備もできて、いざ「図書カフェ」時間へ! というときに、お昼寝中のお子さんが起きてしまった……などということもあると思います。そこは、がっかりせずにお子さんの本も用意して「図書カフェ」にご招待してくださいね。「親子図書カフェ」も楽しいはずですよ。
※今回ご紹介した三冊は「おはなしのへや ぽっぽ」からお借りしました。
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