





わたしとガラス造形作家の藤井友梨香さんとの出会いは、新百合ケ丘にあるカフェKIRAKIRA を主宰する稲葉知香さんのお料理教室でした。透明感のある肌とやわらかな笑顔に惹かれ、つい話しかけてしまった昨年の春。わたしが森ノオトのリポーターとしての活動をスタートした時期でもありました。こんなかわいらしい作家さんをいつか取材できたらいいな、というあの時の想いが今回、「ひな人形」でつながり、ついに形となりました。
この喜びとともに、友梨香さんの作品である「ガラスのひな人形」ができるまでの、美しいガラス工芸の世界をお届けします。

仕上がった「ガラスのひな人形」を手にとり、おもむろに底をみると「yurika」と名が。心を込めてつくった一点ものの証

友梨香さんが大切にしている吹きガラスの道具。左から種切りばさみ、空気を入れるバッファー、口切りばさみ、ガラスをつまんだり、引っ張ったり、細工をするのに用いるピンサー、新聞を折った紙りん、ジャック、直径などサイズを合わせるのに使うパス、バケツの上にはガラスを平にする時に用いる木ごて

温めていた竿で、約1230℃の溶解炉から溶けたソーダガラスを巻き取る

熱いガラスを転がしながら金箔をつける

金箔とガラスをぐちゃぐちゃとすばやく混ぜ、約1200℃のグローリーホール(ガラスを入れたり出したりして、ガラスを一定に保つための炉)に入れ、再びガラスの温度を上げる

金箔を混ぜたガラスにもう一度溶解炉のガラスを巻き、手のひらより少し大きめに畳んで水に濡らした新聞紙でガラスの形を整える。すごい迫力でドキドキした瞬間

金箔の入ったガラスのかたまりを、ひな人形のからだの大きさに切る。これを徐冷炉に入れて一晩かけて冷ます

冷ましたものの表面をグラインダーでランダムにカットしていく。刃の表面はダイヤモンドだそう!!ランダムとは言っても、それはまさに丹精なる職人技

表面をカットして水洗いしたもの。まるで光が入った障子紙のよう

この表情にうっとり……友梨香さんは、幼少の頃から透明感のあるものが好きで、鉱物やガラスの欠片などを集めていたのだそう。それに加え、手を動かすことが好きだったことから、進路を決める時は迷わず「ガラスという素材でモノをつくる」ことができる女子美大に進路を決めたそう。好きをかたちにする、友梨香さんの作品に真摯に向かう姿に魅了される

ランダムにカットし、ところどころ釉薬をつけたものを、最低でも3時間以上かけて、525度まで上げた電気炉でゆっくり温める。その後、溶解炉で溶けたソーダガラスを巻いた竿をさし、取り出す。これはお内裏さまのからだ

グローリーホールに入れて、表面を焼いて溶かしてツヤを出す。「ファイヤーポリッシュ」という技

お雛さまの顔をつける

かわいい。大垂髪(おすべらかし)をつけてもらったお雛さま。お雛さまの髪型には古典下げ髪もある

最後に金箔入りの髪飾りをちょこんとつけてもらうお雛さま。あっ、友梨香さんの方を向いてる!

髪飾りの形に切る

切った後の鋭利な部分に熱を加えて丸みをつける。そして480℃の徐冷炉に入れて、ひと晩かけて冷ます

はあ……なんてなんて美しいひな人形なのでしょう……。やわらかな光がツヤとグラデーションを生み出し、ランダムな釉薬によりガラスの中の金箔を上品にうつしだしている。「ガラスのひな人形」は場所や時間によりどんな色にも染まり、様々な表情をみせてくれる魅力がある。参考までに、このひな人形の大きさは……お内裏さま(11×5.5cm)お雛さま(9×5cm)。一点ものため、他のひな人形と誤差あり
友梨香さんは普段、器や花器、ジュエリーやガラス胎七宝などを制作しています。季節ものの「ガラスのひな人形」は今年で6年目。今回ご紹介したひな人形の他にもさまざまな姿をした「ガラスのひな人形」があり、その作品は近いうちにホームページに載せるそうなので、ぜひご覧になってください。
また、作品をご希望の方は、直接友梨香さんにメールをだしてみてくださいね。

透明感のあるかわいらしくやわらかな面とガラスはスポーツのように反射神経や俊敏さが必要で、技を磨きたい!!もっともっとうまくなりたい!!という熱い想いを兼ねそなえている友梨香さん
先日、旅先で30歳のお誕生日を迎えた友梨香さん。この記事がわたしからの小さな小さなギフトになればしあわせです……。

藤井友梨香(ガラス造形作家)
Yurika Fujii web site
http://yurikafujii.com/
https://www.instagram.com/yurika_fujii
メールアドレス
leap_no_mimi@yahoo.co.jp

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