ただいま育休中、働き方を見つめ直しています|「女性としごと応援デスク」体験記
私は、3か月前に初めての子どもを出産し、現在育児休業中です。会社員として約10年、仕事最優先だった私が、結婚・出産を機に仕事から強制的に距離をおくことになりました。家族で生きていくこれからの人生、働き方をあらためて考えてみたいと思い、アートフォーラムあざみ野にある「女性としごと応援デスク」でキャリアカウンセリングを体験し、事業課の浜本紀子さんにお話を伺いました。(ローカルライター講座修了レポート:取材・文・写真=松田朋子、アイキャッチ画像提供=横浜市男女共同参画推進協会)

横浜市青葉区にあるアートフォーラムあざみ野「女性としごと応援デスク」は、働くことにまつわる不安や悩みを抱える女性を対象に2015年に開設されました。キャリアカウンセリングなどの相談事業とミニセミナーを事業の軸としています。今すぐに必要とされる就職活動にまつわることはもちろん、自分自身の内面を見つめ、未来の自分を想像し、今の行動を考えていく、というような長期的な視点でのカウンセリングサポートも行っています。

 

東急田園都市線・横浜市営地下鉄線ブルーラインあざみ野駅を出て、江田駅方面へ坂道を上ると、左手にアートフォーラムあざみ野があります。私が訪問したのは、12月の急に寒くなった雨の日でした。7キロを超えた子どもを抱っこ紐で抱えながら駅から歩いて5分ほどで到着。入り口を抜けると、広く開放的な空間が私を迎えてくれました。目の前には案内板があり、右手には総合受付があるので、迷うことはありません。

早速、事前に予約をしていた一時保育「子どもの部屋」へ向かいます。アートフォーラムあざみ野では、施設を利用する方のお子さんを有料で預かってくれます。

たとえ子どもが寝ていたとしても、視界のなかにいると自分のことに100%集中することが難しい私にとって、ありがたいサービスです。子どもの部屋は広く明るい空間で、自分の親以外に預けることが初めてでしたが、安心してお願いできました。

 

一時保育は、4日前までに要予約(先着順)。対象は1歳6カ月~未就学児、料金等は要問合せ、1歳6カ月未満の場合は要相談。私は10時30分から12時まで預かってもらいました。授乳室もあります

 

女性としごと応援デスクは、子どもの部屋と同じフロア1階にあります。私が入り口付近で迷っていると、カウンセラーの方が声をかけてくださいました。初めての場所は緊張しますが、声をかけてくださったことで、リラックスして入室することができます。

私は今回カードを使ってワークを行い、自分の強みについて分析してもらいました。このカードは強み分析以外にも、価値観やwork value(仕事に求めるもの)について知ることができます。

「相談に来る方々は、不安や自信のなさから、自分自身の強みが見えなくなっていることが多いです。このカードを使って新しく気づき、再認識されます。」と担当の茨田聖子さんは話していました。

 

 

カウンセラーの茨田さんは元々IT系エンジニアのお仕事をしていて、その後人事を経てカウンセラーになって10年。この仕事は天職だと思っています、と笑顔でおっしゃっていました

 

このワークでは自身の強みのタネを見つけて履歴書や面接でPRするために、どういった表現にできるかを解説してくれます。「これまでの経験をふりかえって、エピソードを交えて具体的な言葉にすることが効果的です。」と教えていただきました。

私は「論理的に考えるチカラ」が強みとしてでてきました。生活のなかで考えると、私は段取りをすることが得意です。動線をとりやすい生活空間、モノを見つけやすくてたくさん収めることができる収納、最も効率的な家事の順番……。こうして考えると自分の強みは生活あらゆるところに生きている、と気づきました。

 

 

横浜市は2016年度から5カ年で計画している第4次横浜市男女共同参画行動計画において「誰もが安心と成長を実感できる、日本一女性が働きやすい、働きがいのある都市」をあるべき姿として掲げています。重点施策のひとつに、女性の就労支援とキャリア形成やネットワークづくりの推進があげられており、その支援の相談窓口としてアートフォーラムあざみ野の男女共同参画センター横浜北の中に「女性としごと応援デスク」は開設されました。その後2016年に戸塚と南太田の男女共同参画センターに展開して3館での実施となり現在に至ります。

利用者数は徐々に増え、今年度4月~11月では1200人を超える利用がありました。当初は出産子育てをきっかけに離職した方を中心に30代~40代の利用者が約7割となっていましたが、今では50代以上の方の利用も増えてきています。

 

「働くことを考えるうえで、長期的な視点がすごく大切です」と事業課の浜本さんは言います。「今は様々な事情によって働くことから遠ざかっていたとしても、3年後10年後その状態がずっと続くわけではない。将来を見据えて今の過ごし方や働き方を考えることが重要です。」

日々の家事育児に追われて、自分自身の将来を考えることはなかなか難しいかもしれません。働くにしても、まだ先のことだし、と考える気持ちもわかります。

「そのときに向けて、できる準備をすることで得られる成果(ゴール)はまったく変わってくる。」と浜本さんは言います。

女性としごと応援デスクは、短期的ではなく長期的なライフプランをともに作成してくれます。フォーラムのキャリアカウンセリングは就職することだけが目的ではありません。浜本さんは「一度就職したけれど続けられそうにない、など迷ったらいつでも利用してほしい。」と言っています。

 

 

アートフォーラムあざみ野1Fエントランス。地域情報などもたくさん。(画像提供=横浜市男女共同参画推進協会)

 

 

みなさん、働くうえで得られるギフトは何だと思いますか? 日々が忙しくなり時間が奪われるだけだと思いますか? 得られる対価はお金だけですか?

「働くことは、自分の世界を広げてくれますし、自分のあらゆる場面での選択肢を増やしてくれます。仕事には大変なことやストレスもありますが、達成感や成長の喜びも感じられるもの。いろいろな人と接することで自分の考え方が広がる、ということもありますよね。」と浜本さん。

私はカウンセリングを受けることで、今の自分自身の状況を客観的にとらえることができました。仕事を休んでいる自分に焦りを感じながら、今は何もできないと勝手に諦めていることに気づきました。育休中の今の私だからこそ気づくこと、できることを言語化して、仕事復帰にむけて準備していこうと思うことができました。

働くことに悩んでいる方も、そうじゃない方も、女性としごと応援デスクのカウンセリングを受けることで、きっと何かを得ることができると思います。カウンター相談は予約なしで受けることができますので、まずはぜひ一度立ち寄ってみてください。

Information

女性としごと応援デスク

住所:横浜市青葉区あざみ野南1‐17-3 アートフォーラムあざみ野内

TEL:045-910-5700

開室日:日曜・火曜・木曜(祝日等は休み)9:30~16:30 ※昼休みあり

横浜市営地下鉄・東急田園都市線「あざみ野駅」徒歩5分

Avatar photo
この記事を書いた人
松田朋子ライター卒業生
神奈川県逗子市在住。約12年間、猛烈サラリーマンを経験。出産を機に仕事以外への視野が広がり縁あって森ノオトライターに。ワークライフバランス、子どもの教育、食や健康に興味あり。趣味はヨガと海。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森ノオトのつくり方

森ノオトは寄付で運営する
メディアを目指しています。
発信を続けていくために、
応援よろしくお願いします。

もっと詳しく