おうちで図書カフェvol.4 おさいほう絵本と八宝茶
ちくちく、あみあみ、カタカタカタ……。あなたはどんな手仕事が好きですか?手作り派の人もそうでない人も、針仕事や編み物をテーマにした絵本を読めば、創作意欲が湧いてくるかも知れません。おしゃれな「八宝茶」をおともに、絵本ならではの手仕事の世界をお楽しみください。

日差しの強い夏になりました。あまりに暑い日は「おうちで図書カフェ」時間を楽しみませんか。

おうちで図書カフェ」シリーズでは、家の中でもカフェ気分が味わえるように、絵本と飲み物をセットにして紹介しています。今回の絵本は、手仕事について書かれたもの。手作り派の人は何かヒントをもらえるかもしれませんね。また、お子さんと一緒に、作ってみたいものを考えたり、お絵描きしたりするのも楽しそうです。飲み物は後半で紹介しますが、絵本に描かれるきれいな色に合わせて、色とりどりのドライフルーツを使った「八宝茶」です。

 

まずは、こちらの絵本から。皆さんもよく知っている定番の絵本ではないでしょうか。『わたしのワンピース』(にしまきかやこ=えとぶん、こぐま社)

 

娘が幼かった頃、たまたま本屋さんで見つけて購入。出会えてよかったと思える一冊

「ミシン カタカタ、ミシン カタカタ」。軽快なリズムに乗って作るワンピース。こんな風に軽やかにワンピースを作ってみたいなあと憧れます。「ラララン ロロロン」と口ずさみながら、ページをめくっていくと次々とワンピースの模様が変わっていきます。どんなワンピースになるのかしらとワクワクしますよ。このお話をヒントに、色々なワンピースを描いて、着せ替え人形を作ってもいいですね。

 

さて、こちらは偶然図書館で見つけて一目惚れした本。

『ナナさんのいい糸いろいろ』角野栄子=作/高林麻里=絵、理論社

 

『魔女の宅急便』で有名な角野栄子さんのお話です。角野さんのお話は、何歳になっても胸をときめかせてくれます。そしてこのお話にぴったりな絵も本当に素敵。絵本作家の高林麻里さんの描くナナさんの洋服のセンスもピカイチで、洋服選びの参考にもなりそうです。

 

気に入ったので絶対買うぞ!と思って調べてみたら残念ながらこの本は絶版です。みなさんも図書館で借りて読んで見て、気に入ったら版元の出版社に再出版をリクエストしましょうね

 

ナナさんは編み物屋さんです。編み物のお話ということは寒い季節のお話なの?と思いますよね。いいえ、そんなことはありません。ナナさんは毛糸以外の素材も糸として編み物を作ります。どんな作品が出てくるのかは読んでみてのお楽しみです。

私は、小学生の時に、左右全く違う大きさのミトンを編んでしまったことにショックを受けて、それ以来、編み物には手を出さないことにしていますが、ナナさんのようなこんな編み物屋さんの仕事に憧れます。

そして、ちょこっとロマンスも入っていて、乙女心くすぐられること間違いなしですよ。

 

最後は、韓国のおはり仕事の道具たちの本です。こんな道具を使って丁寧に作るのだなあと、自分の持っている裁縫道具を見直すきっかけにもなります。

 

この絵本を見ていたら、幼い頃、裁縫をする母の近くでまち針を並び替えたり、裁縫箱の中身を入れ替えてみたりした時間を思い出した

 

『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』

イ ヨンギョン=ぶん・え/かみやにじ=やく、福音館書店

 

おはり仕事の上手なあかてぬぐいのおくさんとお裁縫の道具たちのお話です。ものさし、はさみ、はり、いと、ゆびぬき、のしごて、ひのし。この7つの道具たちは、あかてぬぐいのおくさんがうたた寝している間に、いちばん大切な仕事をしているのは自分だと主張を始め、ついにはけんかを始めてしまいます。目を覚ましたおくさんに怒られてしまいますが……

 

それぞれの道具のアピールも楽しいし、服の色もきれいでじっくり見入ってしまいました。

 

では、最後に見た目も美しく、飲んでも美味しいお茶「八宝茶」を紹介します。

 

このお茶は、私が20代の頃、中国茶の世界にはまっていた時に出会いました。本場の八宝茶は、中国の緑茶、菊花茶、氷砂糖、白きくらげなどが入っていて、かなりボリュームがあったように思います。

ここでは比較的手に入りやすいものを使い、甘さはドライフルーツからしっかり出るので、氷砂糖も省きました。見た目も楽しめるこのお茶は、時間とともに味や香りが変わっていくので、ゆっくり過ごす絵本時間のおともにはもってこいです。

 

八宝茶の材料と淹れ方

 

<材料>

ジャスミン茶

好みのドライフルーツ(デーツ、クコの実、アンズ、イチジク、レーズンなど)

 

 

左上から時計回りに、ジャスミン茶、レーズン、ナツメ、クコの実、イチジク、アンズ

 

 

<淹れ方>

ガラスのポットにドライフルーツ何種類かと茶葉を入れ、熱湯を注ぎます。

(茶葉は濃さを調節するためすぐに引き上げられるティーバッグがいいと思います)

時間とともに、茶湯にドライフルーツの甘みが染み出てきて、味も変わっていきます。また、ドライフルーツにもジャスミン茶の香りが移り、おいしくいただけます。

 

茶葉の種類は、香りが上品すぎるものはフルーツに負けてしまうので、はっきりした香りのジャスミン茶がおすすめです。茶の色が濃すぎないものがい いですね。

 

「八宝」とはたくさんのという意味。ですから、8種類まではいかなくても、ドライフルーツは何種類か入れましょう。

 

実は、『あかてぬぐいのおくさんと7人のなかまたち』を読んだときに、このお茶がぴったりだと思い、いつか記事にしたいなと温めていた組み合わせ

 

絵本を読んで、何か作りたくなったけれど、手元に布がないという方はぜひ、

月に一度開かれるAppliQue(アプリケ)の「めぐる布市」へ。ここで販売される布は、お店では売っていないものも多く、ここでの出会いは一期一会とも言えるでしょう。「私のための布」が待っているかもしれませんよ。

Avatar photo
この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森ノオトのつくり方

森ノオトは寄付で運営する
メディアを目指しています。
発信を続けていくために、
応援よろしくお願いします。

もっと詳しく