リビングや寝室に植物があるとなんとなく心穏やかになりますよね。賃貸やマンションでも手軽に始められるのは、室内の観葉植物の栽培だと思います。世話も簡単で丈夫な品種が多く、小さなものなら安価で手に入るからです。
私は家庭菜園や生花を欠かさない生活に憧れてはいるものの、虫が苦手なため、庭で伐採した枝はもちろん、枯れてテーブルに落ちた花びらすら怖くて触れません。それでも緑のある生活を目指してリビングやトイレ、玄関、洗面台と部屋中に観葉植物を配置したところ、癒されはしますが、ずぼら主婦の私お得意の世話サボり癖が発生し、気付いた時にすでに手遅れということも多々あり……。
また、猫(8歳、メス)と、高速はいはいが移動手段の娘(1歳0カ月)がいるために植物を置く場所や品種、大きさなど、慎重に選ばなければなりません。そこで、ずっと気になっていた水耕栽培にチャレンジしてみることにしました。
水耕栽培ならひっくり返されても土がないため片付けが楽でなにより安心、さらに植木鉢のような重い器が必要ないので、子どもがケガをする危険も少ない。そして、照明と昼間差し込む日光で育ってくれるので、お世話は水の交換だけでいいのです! 聞いただけで面倒くさがり屋に向いていると思いませんか?
とはいえ、水耕栽培に適した植物なんて何かわからないし、入手が面倒だと感じた私は、理由はともあれ、エコライフを目指して野菜くずの再生栽培に挑戦することにしたのです。
再生栽培で育てられる野菜は、ネギ、豆苗、小松菜、セロリ、チンゲン菜、水菜、ミツバ、大根、人参、キャベツ、ハーブなど。案外たくさんありますよね!
記事にするにあたり、すべての野菜で一斉スタートしたかったのですが、そこはエコに忠実に、普段の調理に使った野菜だけを、順に育てていくことにします。
使った容器は、最初はタッパー、そして豆腐の空き容器と発泡スチロールのトレイに入れ替えていき、約2週間観察しました。
最初は人参と大根、チンゲン菜、水菜をキッチンのカウンターの上で育て始めました。1週間ほどしてから豆苗も追加。それぞれ3、4日経ってからぐぐっと葉が伸び始めたように感じます。
面白かったのは、どれも朝と夜でちょっとずつ長さが変わっていたこと。植物の成長を逃さず観察できるのは、室内ならではです。私ですらこんなに成長していく様子を楽しんでいるのだから、娘が大きくなったら絶対一緒に育ててみたいと思いました。
栽培に大切なのは衛生面だそうで、面倒でも水を毎日取り替えないといけません。ただこれは、キッチンという水がすぐに手に入る場所で、しかもまとまったスペースにあるので、全く面倒な作業だとは感じませんでした。ずぼらな私がせっせとお世話していることに、自分で驚きました。もはや成長していく楽しみから、「早く明日にならないかなぁ」というわくわくした気持ちまで感じていました。
我が家のキッチンは北側で小さな窓しかなく、日当たりのいい部屋ではありますが、直射日光が届かない場所に置いていました。そのため、成長が鈍かったのかなという気はしますが、食べるだけでなく観賞用としても本当に楽しめるので、これからもキッチン菜園を続けていきたいと思いました。
切られてすぐ、邪魔だからとゴミ箱に投げ込まれるだけの存在だった野菜くずが、我が家にこんなに大きな楽しみをもたらしてくれるというのは驚きでした。
虫が苦手で土いじりができなくても、ずぼら主婦でも、家庭菜園による自産自消や再利用、エコの入り口に足をかけられた喜びは小さな自信につながり、これからの私のライフスタイルにちょっとした変化を呼んでくれそうです。
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