わらべうたで遊びながら家庭科力をつけよう
季節のわらべうた講座、3回目となりました。前回はお外で楽しめるわらべうたを紹介しましたが、取り入れてもらえたでしょうか。まだ遊んでいないという人はぜひこちらの記事を読んで、体を使って遊んでくださいね。大人の運動不足にもお勧めですよ。
さて、夏のわらべうた、裏テーマは「自立」です。みなさんのお子さんは、お手伝いをしてくれますか?お手伝いは、自分のことは自分でできるようになる自立への一歩。強制的にやらせようとすると嫌いになってしまうかもしれませんが、遊びの中に取り入れて楽しくお手伝いできるようになったらいいですね。
今回、記事全般にわたり協力をお願いしたのは横浜市青葉区にある家庭文庫「おはなしのへや『ぽっぽ』」(以下ぽっぽ)の二塚はる子さん(以下、はる子さん)です。はる子さんは、毎週水曜日にぽっぽで読み聞かせやわらべうた遊びを紹介しています。また年に一度、福島県いわき市に出向き、東日本大震災の原発事故で避難してきた親子に向けてわらべうたを届ける活動もしています。
はる子さんのもう一つの顔は通信制高校の家庭科の先生です。実際に高校生に家庭科を教えているはる子さんから、家庭科力のつきそうなわらべうた、そして自立心をくすぐるような絵本の紹介をしてもらいます。
まずはお洗濯遊びから。
■ももや ももや(洗う)
まずはハンカチやタオルを使ってお洗濯の真似をしてみましょう。それから実際、家のプールやお風呂で洗って、絞って干すという体験をしてみるといいですね。
ももや ももや
ながれははやい
せんたくすれば
きものがぬれる
あ、どっこいしょ
■ももやももや(たたむ)
「畳むときにも歌うと楽しいですよ」とはる子さん。お洗濯たたみも子どもと一緒にやれば楽しい遊びになりますね。
■もどろう もどろう
お片付けの習慣をつけるチャンスです。歌いながら、使ったおもちゃを片付けていたら、なんだか楽しくなってきます。また、帰る時間になっても公園から帰りたくない!というときにも大いに役立ちます。
もどろう もどろう もものは もどろう
かえろう かえろう かきのは かえろう
■『ほたるこい』『ほ ほ ほたるこい』
二つの曲を同時に歌います。歌うだけでも心地よいのがわらべうたです。はる子さんと私で歌いました。
相手の声を聞きながら自分の旋律を歌うのは、人のお話を聞く練習にもなるそうですよ。それぞれの曲を練習してから挑戦してみてください。
『ほたるこい』
ほたるこい やまみちこい
あんどのひかりを ちょいとみて こい
(こちらの曲は2回繰り返す)
『ほ ほ ほたるこい』
ほ ほ ほたるこい
あっちのみずは にがいぞ
こっちのみずは あまいぞ
ほ ほ ほたるこい
子どもたちの自立心をくすぐる絵本
後半は、絵本の紹介です。はる子さんは、「児童書評価のページ」というブログを司書の先輩である大宮祐子(さちこ)さんとお二人で更新しています。このブログには3,763冊(2024年6月23日現在)の児童書や絵本の評価が書かれています。司書の視点を超え、良い本を子どもたちに伝えたいという思いが伝わってきます。子どものための本を選ぶときの参考になるのはもちろんのこと、大人である私たちが読みたい本が見つかります。
たくさんの児童書、絵本を読んできたはる子さんに、子どもの自立につながる絵本の紹介とコメントをいただきました。
■『はちうえはぼくにまかせて』(作:ジーン・ジオン/ 絵:マーガレット・ブロイ・グレアム/訳:森 比左志/出版:ペンギン社)
得意なことでご近所さんに喜ばれ、ちょっとした対価も得る満足感。夏休みの成長体験が描かれます。
■『きれいずきティッチ』(作:パット・ハッチンス/訳:星川菜津代/出版:童話館出版)
ティッチのお手伝いは、片付けになってない!?でもたくさんのカラフルなおもちゃに囲まれてご満悦なティッチの姿はこちらもなんだか楽しい気分に。
■『ぶたぶたくんのおかいもの』(作・絵:土方久功/出版:福音館書店)
パン屋のおじさんの顔つきパンや、八百屋の早口おねえさんに、お菓子屋のゆっくーり話すおばあさんが、とにかく唯一無二で個性的。ぶたぶたくんがおつかいした道をたどる地図があるのも楽しいポイントです。
■『ものぐさトミー』(文・絵:ペーン・デュボア /訳:松岡享子/出版:岩波書店)
オール電化生活のトミーを襲った、停電後の“悲劇”に大笑い。小型絵本ですが、学校の読み聞かせにもおすすめです。
子育てに悩むお母さん、お父さんに
最後の2冊ははる子さんから子育てに悩めるママ、パパへおすすめの本です。
■『母の友2022年4月号』(福音館書店)
「待つ」「がんばりすぎない」「平均を生きることを目標にしない」など、子育てが楽になるヒントがコマ切れ時間で読めておすすめ。疲れたときに親子で楽しめる絵本も紹介。
■『不登校でも大丈夫』(末富 晶 著/出版:岩波書店)
子ども時代を「ただ子どもとして」過ごせたことの学びと成長を、やわらかい文章ながらきっぱりと示してくれて、親子で読める。高学年から。
いかがでしたでしょうか。読んでみたい本、子どもに読ませたい絵本はありましたか?わらべうたや絵本をきっかけにして、「自分でできること」を子どもと一緒に考えてみてもいいですね。
「季節のわらべうた講座」、最終回は秋にお届けします。「お手伝い、わが家ではこんなふうにやっています」「わらべうたやってみました」など、みなさんの子育ての様子も教えてくださいね。
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