森ノオト編集部が行く!大学学食めぐり 國學院大學たまプラーザキャンパス編
東急田園都市線・たまプラーザ駅から徒歩5分ほどの便利な立地ながら、広い敷地に充実した設備が整う國學院大學たまプラーザキャンパス。こちらには二つの学食があり、どちらも一般に開放されていることをご存じですか。今回はそのうちの一つ「スカイレストランヒルトップ」を訪ねてみました。

國學院大學たまプラーザキャンパスとは

國學院大學は日本の私立大学の先駆けとして誕生し、140年以上の歴史を誇っています。国文学や神道の研究などでよく知られていて、渋谷とたまプラーザの2カ所にキャンパスがあります。たまプラーザキャンパスは2025年で開設40周年の節目を迎えるそうです。キャンパスの再開発が進み、現在は「人間開発学部」と2022年に新設された「観光まちづくり学部」の二つの学部の学生が学んでいます。

 

観光まちづくり学部は、地域を支える学問を理論と実践の両面から学ぶ、という特徴的なカリキュラムで、今年度初めての卒業生を世に送り出します。ローカルウェブメディアである森ノオトとも親和性があり、今後観光まちづくり学部の卒業生たちが、どのような活躍をしていくのか、とても楽しみです。

 

今回は観光まちづくり学部の下村彰男(しもむらあきお)教授の紹介で、下村ゼミから安藤遥夏(あんどうはるか)さんと、前田貴哉(まえだたかや)さんともう一名別のゼミから学生さんが取材に同行してくれました。

左から観光まちづくり学部4年生前田貴哉さん、下村彰男教授、4年生安藤遥夏さん下村ゼミはとても仲良しで、一緒に学食でランチをすることも多いそう

最上階にある眺望抜群な学食

スカイレストランヒルトップのある、「若木21」という建物。最上階5階のアーチ状の窓の部分が学食です

スカイレストランヒルトップ(以下ヒルトップ)の中に入ってみると、眺望が良く明るく開放感があるのが印象的です。名前に「スカイレストラン」と付くのも納得です。長い壁の一面が窓で、目の前に広い野球場と球技場が並んでいるため視界が開け、その先にはキャンパスの豊かな緑や渋谷キャンパスから移築してきたという神殿が目に入ってきます。桜の季節は特に見事な眺めだそうです。たまプラーザキャンパスは、近隣の方には桜の名所としても知られています。私も近くで勤めていた時は、桜の時期にキャンパスの桜並木を眺めるのが楽しみでした。

食券を購入した後はトレーにカトラリー類を準備して、厨房前のカウンターで食券を出す流れ

お邪魔したのは水曜日の13時すぎで、混雑も一旦落ち着いた時間帯でしたが、運動部の学生が多いのが印象的でした。赤いユニフォームを着た野球部の学生たちの若さが眩しく、これぞ学食の風景といったところでしょうか。早速、メニューを物色。定番の定食・麺類・丼・カレーライスの他に日替わりランチ、期間限定のお好み定食、週替わり丼、月替わりの麺とメニューも豊富です。

この日の日替わりランチ。グラタン風スパゲッティーにコーンサラダと味噌汁。 定食のご飯は学生は大盛無料。4~7割が大盛をオーダーするそう

学生限定価格でメインにサラダと汁物がついた日替わりランチが360円と、まずはその値段に驚かされました。これには理由があり、「若木育成会」という学生の父母・保証人などで構成された組織が食事代の一部を助成しています。以前日本体育大学の学食取材をした際にも同様の助成がありましたが、これから世に出る学生(若木)たちをサポート(育成)してくれる組織の存在、学生にとってはなんとも心強いことでしょう。一般価格でも日替わりランチが630円と周辺の相場からするとかなりリーズナブルです。

券売機は学生用と一般用があり、キャッシュレス決済などにも対応しています

食券を買うところから、注文・受け取りまで、慣れない私はもたついてしまったのですが、ヒルトップには心強い「コンシェルジュ」がいらっしゃいました。フロアに立って学生や利用客たちにどんどん声をかけて明るく親切に誘導してくれる男性は、ヒルトップを運営している株式会社つくばの取締役、坂入忠義さんでした。取締役みずから現場でサポートに入ってくれるというスタイルは学食としては珍しいのではないでしょうか。

 

同行の学生さんや坂入さんにおすすめを伺って、券売機で食券を購入。学生さんたちと「唐揚げ定食」「日替わりランチ」「冷やしきつねうどん」「メガ盛りそば」などをいただきました。一番人気という唐揚げは、ころもにべたつきがなく、サクサクかつジューシーでとてもおいしかったです。生の肉から仕込んで作るという唐揚げは、混雑時以外は揚げたてを提供してくれます。定期的に変わるという2種類から選べるソースもポイントで、同じメニューでも飽きさせない工夫がされています。

一番人気の唐揚げ。取材に同行してくれた学生さんは普段あまり唐揚げを食べないけれど、ヒルトップでランチをする時は唐揚げ一択だそうです

実家を離れて一人暮らしをしているという前田さんと安藤さんは、学校に来る日のランチはいつもヒルトップを利用しているそうです。利用していて感じるのは、メニューの豊富さ・価格の安さだけでなく、スタッフさんの優しさと言います。

 

コンシェルジュ的存在の坂入さんはじめ、厨房のスタッフさんたちも顔を覚えてくれていて、混雑時以外は苦手なトッピングを抜いてくれたり、ちょっとした気遣いがうれしいと教えてくれました。

前田さんのお気に入りメニューはきつねうどん。混雑時以外は苦手なわかめのトッピングを抜いてもらっているのですが、快く対応してくれると言います

 

こちらも人気メニューの一つ、メガ盛りそば。結構なボリュームです。メガ盛りうどんもあります

運営会社「株式会社つくば」さんのお話

3代目の坂入忠義さん(写真左)と、父親である2代目。祖父の初代社長はもともと渋谷で精肉店を経営していたそう。ハチ公が生きている時を知っているというのが初代社長のちょっとした自慢だったとか

食事のあとは坂入さんにお話を伺いました。株式会社つくばは坂入忠義さんが3代目を務める家族経営の会社で、忠義さんの祖父である初代社長が当時の学長と同級生だったことをきっかけに学食を任されることになったそうです。同社は現在渋谷キャンパスの学食2店舗とたまプラーザキャンパスのヒルトップ、野球部の寮の食堂を運営しています。スタッフさんもベテランが多く、長い方だと勤続30年以上だとか。取締役自ら現場に出て接客しているところなど、独自の運営ポリシーを感じさせます。

 

しかし、学食運営もこのご時世難しいことが多いようです。少子化で学生数が減ると提供する食数も減るため、メニューを絞らざるをえません。その中で少しでも学生たちに飽きずに食べてもらえるように、日替わり・週替わり・月替わりメニューを用意したり、それでもメインは極力肉・魚の両方を用意したりと、工夫していることを教えてくれました。特に今は米の価格高騰で本当に苦労されているとのこと、学生においしくお腹いっぱい食べてもらうための努力と工夫は想像以上のものがありそうです。

 

一方で「大学は毎日がお祭りのようなもので飽きない」とも坂入さん。4月に新入生が入って、一年中いろいろなイベントがあるので、その度にメニューや飾りつけを工夫しているのだそうです。「例えば7月は七夕の頃に合わせて学内で『和装DAY』というイベントがあって、ヒルトップもそれに合わせて縁日らしいメニューを提供したり、店内装飾をしたりね。学食は滞在時間こそ短いけど、常連ばかりの店のようでもあるから、なかよくなった学生がメニューの感想を伝えてくれたりするとやりがいを感じるよね。仕事でうれしいのは、卒業した学生が久しぶりに顔を出してくれたり、(運営している野球部の寮の)学生がドラフトに出たりするときかな。会場まで応援にいったりしてさ」と語る坂入さんの笑顔がとても印象に残りました。

 

 

取材を終えて

國學院大學たまプラーザキャンパスは2学部だけのあまり規模が大きくないキャンパスだからこそのアットホームさがあるようです。ヒルトップはどこか家庭的な雰囲気があり、スタッフさんたちの学生への気遣いにこちらもほっこり、やさしい気持ちになりました。

 

ヒルトップは最上階にあるため、一般に開放されていることに気付きにくいですが、おすすめです。ご利用の際は学生で混雑する曜日・時間帯を避け、比較的空いている水曜日又は土曜日に訪れることをおすすめします。大学の休み中も一部期間を除いて営業しています。

 

今回の取材で「地域ヘルスプロモーションセンター」や「共育フェスティバル」など、学食以外にも地域に開かれた学びの場があることを知り、子どもを連れてイベント参加からの学食ランチを体験してきました。他にも多くの家族連れでにぎわっている学食を見て、学食には地域と大学をつなぐ役割もあるのだなと感じました。

 

同じ地域で暮らし・学ぶもの同士、学食を通してぐっと気持ちが近くなるかもしれません、みなさんも一度訪れてみませんか。

Information

学校法人國學院大學

https://www.kokugakuin.ac.jp/

たまプラーザキャンパス

横浜市青葉区新石川3-22-1

たまプラーザ駅南口から徒歩約5分

 

スカイレストランヒルトップ

https://www.kokugakuin.ac.jp/about/information/p13

https://www.cs-hilltop.com/

 

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この記事を書いた人
坪井陽子スタッフ/ライター
横浜市戸塚区出身、森ノオトの記事にあこがれて青葉区に移住。20数年の会社員生活を経て、2024年から森ノオトに参加。地域や人に興味があり、なんにでも首を突っ込みたがる良くも悪くもおせっかい。4児の母。
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