
miso汁香房へ行こう!
「miso汁香房」は藤が丘の静かな住宅街の中にある、隠れ家的な味噌汁カフェです。
味噌汁のバリエーションを楽しんだり、味噌を使ったカレーも味わえます。
都内、大岡山からの移転により2021年7月にリニューアルオープンしました。
最寄りの田園都市線「藤が丘駅」からは徒歩5分ほど。駅前にある東急ストア脇の坂道を上がり、そのまま住宅街をまっすぐに進みます。

ガストの看板を左へ曲がり、坂を上がります。坂道をショートカットしたい時は東急ストア内のエレベーターを利用しても
バス停「藤が丘一丁目」を過ぎ、左手にレンガと木製のフェンスが見えてきたら、そこが「miso汁香房」の入り口です。ロゴマークの入った白い看板が出迎えてくれます。

店主の天野さんは「世界中の人に味噌の魅力を発信したい」という思いから店名を「miso」の表記に
エントランスから続くテラス席があり、店内はカウンター席とその奥にテーブル席が続きます。
木のぬくもりが感じられ、気持ちがゆったりと落ち着くスペースです。

このカウンター席で味噌汁をいただきながら、お店のスタッフと話をするのも楽しみの一つ。味噌をはじめ、パンや紅茶にも詳しいスタッフ(ゆりさん、あやこさん、ももこさん)がそろっています
「miso汁香房」では天然醸造にこだわって作った味噌を販売しています。
天然醸造とは、発酵を促進させるための加温や加湿、添加物を使わず、自然の気温変化に任せてゆっくりと時間をかける製法です。天然醸造の味噌には、酵素や酵母、乳酸菌といった微生物が多く含まれ、腸内環境の改善など、さまざまな健康効果が期待できます。
発酵食マニアで味噌好きな私は、この日の取材を楽しみにしていました。

奥側のテーブル席。小さなお子さん連れのお客さまも多く、ハイチェアの用意もあります
こだわりの味噌汁たち
それではさっそく、お店でいただいた、こだわりの味噌汁を順にご紹介しましょう。
<かちゅーゆ味噌汁>
まずは沖縄の家庭で親しまれている「かちゅーゆ」という即席味噌汁です。
お椀の中央に味噌、その上にかつお節がモリモリと盛られて出てきました。

「かちゅー(かつお)」+「お湯」で「かちゅーゆ」です。お椀の味噌は沖縄県「王朝味噌」と熊本県「麦味噌」の合わせ味噌でした
さらにお膳の横にはお湯の入った急須が添えられました。
このお湯をお椀に注ぎ入れ、味噌を溶かしていただくのです。
アツアツのお湯をお椀に注ぎ込むと、かつお節の力強い香りがふっとわき立ちました。
急いで味噌を溶かして、一口いただきます。
思わず一言、「うーん、しみるう」とつぶやいてしまいました。
まろやかな旨みと甘味が口の中に広がります。
存在感のあるかつお節をモグモグとかみしめつつ、梅干しや乾燥にんにくなどで味の変化も楽しみました。
沖縄では、オヤツ代わりに食べることもあるそうで、出汁のいらない手軽な味噌汁です。
<味くらべ味噌汁セット>
次に、利き酒ならぬ利き味噌が楽しめる「味くらべ味噌汁セット」です。
全国の蔵元からセレクトした6種類の味噌の中から3つを選ぶことができます。
この日、私が選んだのは沖縄県「うっちん味噌」、徳島県「ねさし豆味噌」、そして兵庫県丹波篠山(ささやま)「茶大豆味噌」の3種類でした。
具材や薬味は味噌汁とは別添えで出され、好きな組み合わせを楽しめます。
アオサ、乾燥えのき、アオミズ(山菜)、ハトムギなど、素材を活かしたシンプルな具材です。

味噌汁の色からもそれぞれの個性が見られます。左から「うっちん味噌」「ねさし味噌」「茶大豆味噌」です
味噌は産地の気候や風土によって味や色、材料などもさまざまですが、こうして並んだお椀を見ると、本当に個性豊かな食品であることがわかります。
3種類の味噌はそれぞれに素材の旨みが引き出されていて、角張った塩気などはありません。
これが天然醸造の特徴でもあり、この店で扱う味噌は塩分濃度の高過ぎないものを揃えているとのこと。
お膳のごはんやおかず味噌にも丹波篠山の食材がふんだんに使われ、滋味深い味を楽しみました。
黒豆に魅せられて
店主の天野さんはおいしい味噌作りのため、神奈川県と兵庫県での二拠点生活されています。
味噌作りの拠点である兵庫県丹波篠山市や、移住のきっかけについてもうかがいました。
大阪出身の天野さんにとっての丹波篠山はそもそも手近な観光地でもありました。
丹波篠山と言えば、黒豆、丹波栗、山の芋など、おいしい特産物が多いことでも有名です。
天野さんはカフェ運営を始めてからも、おいしい食材を求めて通い続け、すっかり黒豆のおいしさのとりこに。そもそも黒豆とは、大豆の一種で「黒大豆」を指しますが、丹波篠山産の黒豆は大粒で、最高級品とも言われます。栄養面でも黒豆は優秀で、豊富なタンパク質やビタミンなどの他、皮にアントシアニンというポリフェノールがたっぷりと含まれています。アントシアニンは目の健康維持や強力な抗酸化作用がある栄養素です。
「この土地で栄養たっぷりのおいしい黒豆を、無農薬で栽培して味噌にしたい」
そんな思いにかられ、ご夫婦で移住したのが2020年のこと。
農業未経験からのスタートでしたが、現在は五反(約5000㎡)ほどの畑で黒豆を中心に生産されているそうです。
天野さんの「丹波篠山愛」はカフェのメニューからも伝わってきます。
天然猪肉、黒豆、大納言小豆。ごはん(コシヒカリ)や山菜のおかずにいたるまで、丹波篠山の特産品がずらり。神奈川県にいながら、ちょっとした観光気分が味わえるかもしれません。アンテナショップとしての一面もあるのが、このお店の面白いところです。

丹波篠山の自然の恵みを活かしたカフェメニューの数々。左上から時計回りに「天然猪肉の豚汁定食」「丹波黒豆粽(ちまき)セット」「黒豆みそケーキ」「大納言小豆と玄米餅ぜんざい」
味噌汁は日本人のソウルフード!
豆の生産から醸造、調理、販売まですべてを手がける天野さんですが、そこまで味噌に惚れ込んだ理由はなんだったのでしょうか?味噌汁のどこに魅力を感じていらっしゃるのでしょう。
「毎日飲んでも飽きないのが日本人のソウルフード、味噌汁です。温かい味噌汁を飲むと、ほっとしますよね。味噌から感じられる『うま味』は日本独自の大切な味覚です。そのうえ味噌にはたんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれます。具だくさんの味噌汁とごはんさえあれば、それだけで十分に栄養バランスのとれた立派な食事です。あれもこれもと栄養バランスに悩む必要はありません。野菜に含まれるカリウムには、塩分を排出するはたらきがありますから、具だくさんにすれば、味噌汁の塩分は必要以上に気にしなくても大丈夫ですよ」
さらには味噌は「防災食としてもオススメ」なんだとか。
「理由は、味噌が多くの栄養素を含んでいるからです。塩分のおかげで常温保存ができますし、調理せずにそのまま食べられる点もすばらしい。水やお湯に溶いたり、ごはんのおかずにもなるわけですから、こんなに頼りになる防災食はありません。その昔、味噌は戦国武将たちの携帯食でもあったんですよ」
毎日の味噌汁が、そのままいざという時の助けにもなるのですね。
ただ、「味噌汁は手間がかかる」と思う方もいらっしゃるかもしれません。そんな方へのアドバイスもうかがってみました。
「出汁を取らないと味噌汁は作れない、と構える必要はありません。出汁は顆粒でもいいし、とにかく味噌をお湯に溶いて飲みましょう。『かちゅーゆ』のように出汁を入れずに作る方法もありますから」
ふだん何気なく使っていた味噌が、実は栄養豊富なスーパーフードで、体だけでなく心まで癒やしてくれる。それが味噌の魅力であり、味噌汁の底力と言えるでしょう。

カウンター後にある大きな保冷庫。全国から選りすぐった味噌は12種類ほどで、量り売りもしています
これからも「ほっとする一杯」を
最後に、これからの抱負についてうかがいました。
「安心して食べられるおいしい味噌を作り続け、皆さんにお届けしたいです。
実は今、黒豆の豆味噌を試作しています。『クラフト味噌』を作りたくて」と目を輝かされました。
「クラフト」とは手作業や、熟練した技術から作られる個性的な製品を意味します。
黒豆から作る豆味噌は、これまでは作られてこなかった新しいタイプの味噌で、味のバランスなどを見ながら、じっくりと仕上げている最中だそうです。
職人気質な天野さんの個性が光る、クラフト味噌にも期待します。
大豆の国内自給率は例年6~7%と低迷を続けていて、先行き不安な状況です。
「miso汁香房」のような、おいしい食にこだわる店が身近にあることを心強く感じました。
毎日の食卓づくりと家族の健康に寄り添ってくれるのが味噌汁です。
ほっとする一杯や、食と暮らしのヒントを見つけに、「miso汁香房」へお出かけしてみませんか?

発酵調味料やおかず味噌の販売コーナーには素材や製法にこだわった製品が並びます
住所 横浜市青葉区藤が丘1-44-6
営業日 毎週土曜日(不定期に金曜日の営業あり)
営業時間 12:00~16:30
電話番号 045-877-6220
公式HP https://www.misoshirukobo.com/
Instagram https://www.instagram.com/misoshirukobo/
facebook https://www.facebook.com/rojinoki/?locale=ja_JP
天野さんご夫妻の移住Blog「丹波篠山便り」 https://rojinoki.exblog.jp/
※営業日、時間が変更になる場合もありますので、SNS等で確認してください。
東急田園都市線・藤が丘より徒歩5分程度
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