イベントの主催者である越尾裕美さんにお会いするため、待ち合わせをしたのは、たまプラーザの主婦なら誰しもが知っている（はず！）人気のベーカリーカフェ「THE EARLY BIRD CAFE（ジ・アーリーバード・カフェ）」でした。今回のコンサートの会場でもあります。

越尾さんは千葉県船橋市在住ですが、この日は2歳のお子さんと1時間以上かけて、たまプラーザまで足を運んでくれました。

「0・1・2歳親子に“ちょうどいい音楽会”-otra casa-(オトラカーサ)」は、昨年12月に第1回目を船橋市で開催し、大変好評だったので、第2回目をこの横浜・たまプラーザで開催することになったのだそう。

それにしても、なぜ、たまプラーザで？　と思うところですが、越尾さんは5年ほど前、結婚する前までは青葉台のウィズの森の近くに住んでいたため、この地域に愛着があり、音楽会が開催できる場所がないかを青葉区周辺で探してみたところ、今回の企画に至ったのだそう。

越尾さん自身お子さんを出産したことで、親子で行ける“ちょうどいい音楽会”がない、ということに気づいたといいます。

「0歳からの子どもが参加できる素晴らしい音楽会はたくさんありますが、ホールでじっとしていない子どもを膝の上に座らせなければいけなかったり、立ってあやしたいのに、他のお客さんの迷惑になってしまうだろうとじっと我慢したりと、ママ自体が楽しめないことが多いのではないかと感じた」と話す越尾さん。

なるほど！　“ちょうどいい”とはそういう意味だったのですね！

リポーター持田も子連れOKのイベントに参加したり、企画した経験があるので、越尾さんの想いにたいへん共感しました。

子連れOKとうたうのは簡単ですが、会場づくりをはじめ、子どもやおかあさんが本当にリラックスして楽しんでもらえるよう、細やかな配慮をしたイベントづくりをしなければ、それは本当に子連れOKとは言えないなあ……と私もたびたび感じています。

前回の船橋開催の様子（写真提供：越尾さん）。通常のコンサートのイメージとは違い、広いスペースで子どもたちが自由に動きまわっていて、とっても楽しそう♪

前回開催の様子を見ると、親子が心から楽しめるよう、会場づくり等をとても工夫されているのが分かります。

プログラムは、子どもがおもわず踊りだしてしまう幼児向け番組のテーマ曲を、普段なかなか聴く機会の無いグランドピアノで演奏したり、ピアノはもちろん他楽器とのアンサンブルや、絵本にオリジナル音楽をそえての読み聞かせ、参加者のリクエストをその場でアレンジするリクエストコーナーなど……楽しみな企画が盛りだくさんです！

越尾さんは、洗足学園大学音楽学部を卒業後、電子オルガン講師や携帯着信データ・カラオケデータのアレンジや制作、コンサートの企画・運営などその豊かな才能を活かし、幅広い音楽関係の仕事をされてきたものの、当時は仕事に追われ、音楽を楽しむ余裕はなかったと言います。

しかし出産後、子どもにとって音楽は成長に密接で効果的だと、改めて音楽の素晴らしさを感じ、技術だけを子どもに教える音楽ではなく、子どもと一緒に楽しむツールとして音楽を見直した越尾さん。試しにイベントの企画・演奏をしてみたところ、自分が楽しいだけでなく、みんなが喜んでくれて、そんな活動が段々と発展し、「otra casa(オトラカーサ）」開催というかたちになったのだそう。

越尾さんは、自分が主催、演奏するイベントでも、自分のお子さんもあくまで一緒に参加するということにこだわっていて、そこは譲れないと言います。それは、「子どもの記憶に残るかどうかわからない時期の出来事もおろそかにせず、親子で多くの体験を共有したい」という想いがあるから。

イベントの企画・演奏活動が、千葉から横浜へと広がっているにも関わらず、一番近くにいるお子さんとの時間を大事にしながら活動している越尾さん……素敵なママさんだなあ、と思いました。

「-otra casa-(オトラカーサ）」とは、スペイン語で「もうひとつの家」という意味。

いつもとは少し違うけれど、親子でゆったりとリラックスして楽しめる「もうひとつの家」のような音楽会♪……ぜひ、みなさんも行ってみて下さい！

そして、これからもいろんな場所に親子の「もうひとつの家」が広がるといいですね♪♪