調理器具もミシンも作業スペースも300円でシェア! 人とつながる現代の集会所「生活工房」
【森ノオトリポーター養成講座修了レポート(10) 安藤暁子】横浜市営地下鉄線・東急田園都市線あざみ野駅から徒歩5分。アートフォーラムあざみ野の3階に「生活工房」はあります。特徴は、ひとりでもグループでも気軽に利用しモノづくりを楽しめること。間仕切りのないオープンスペースで、その場にいる人たちがワザを伝え合ったりつながりを持つことができると評判の場所に行ってきました。
アートフォーラムあざみ野。あざみ野駅からゆるやかな坂道を登るとあらわれるスタイリッシュな建物だ

アートフォーラムあざみ野。あざみ野駅からゆるやかな坂道を登るとあらわれるスタイリッシュな建物だ

アートフォーラムあざみ野3階にある生活工房は、取材当日もモノづくりを楽しむ人たちの熱気でムンムンでした。個人利用の方だけでも月利用人数が380人になることもあるという人気ぶりに驚きです。

 

また生活工房では、周りの人が作業中に困った様子でいれば、面識のない方でも声をかけ、利用者同士で助けあうという場面も珍しくなく「利用者のみなさんがこの場を作ってくださっている」と生活工房担当の高橋史子さんは嬉しそうに話してくれました。

黙々と作業をしたり技術を教えあったり、和気あいあいと

黙々と作業をしたり技術を教えあったり、和気あいあいと

私が生活工房を知ったきっかけは、一目惚れして購入した布です。その布でエプロンを作り、それを身につけて料理をする自分を想像するとワクワクしました。しかし、私の家にはミシンがありません。気軽にミシンを使える場所があったらいいのになあと、インターネットで検索して見つけたのが生活工房です。

 

初めて利用した生活工房はとても快適でした。間仕切りのない部屋は明るく開放感があり、広い作業台は使いやすく、この場所を知ったことが心から嬉しかったです。

久しぶりの洋裁。少々の縫い間違いはあるものの、自分で作ったエプロンへの愛着はひとしおだ

さて、生活工房には2つの特徴があります。

 

1つ目は、その使い勝手の良さ。電話で簡単に予約ができ、予約なしでも来館した時に空いていれば利用することができます。また、1歳6カ月〜未就学のお子さんを対象とした保育(有料)があるもの魅力。お子さんは保育ルームで楽しく遊び、ご自身は自分の時間を満喫できます。

 

2つ目は、調理スペースと作業スペースの間仕切りがないこと。同じ空間で作業をしているので、他の活動をしている方と出会えることも嬉しいですね。それぞれ楽しそうに作業に没頭している姿が気になって、いつしか仲間になることもあるそうです。

生活工房入口の受付で利用料300円を支払う。受付の方の親しみやすい柔らかな雰囲気が利用者の心を和ませる

生活工房入口の受付で利用料300円を支払う。受付の方の親しみやすい柔らかな雰囲気が利用者の心を和ませる

それではまず、調理スペースのご紹介です。

調理スペースには調理台が3台。それぞれにガスオーブンがついています。

使いやすい大きめの流しと4個口コンロのついた調理台。天井には大きな換気扇がついている

使いやすい大きめの流しと4個口コンロのついた調理台。天井には大きな換気扇がついている

 

鍋などの調理器具や食器類も種類が豊富で、どんなものでも作れそう

鍋などの調理器具や食器類も種類が豊富で、どんなものでも作れそう

 

ケーキの型だけでもこんなにもたくさんの種類が!

ケーキの型だけでもこんなにもたくさんの種類が!

個人利用の他に、食育や薬膳など、現在たくさんの料理のグループが活動しています。

 

その他にアートフォーラムの主催講座もあり、なかでも「男が作る日常食入門」は大好評の講座。参加者はパパになりたての方や70代くらいの方など、年齢層も幅広く、料理通から「お味噌汁ってどうやって作るんだろう?」といった初心者まで色々な方が料理を通じで集まり、野菜の切り方などの基本的なことから学んでいます。

 

次に作業スペースのご紹介です。作業スペースには作業台が6台あり、直線縫いできる職業用ミシン5台、家庭用ミシン2台、ロックミシン2台、さおり織機3台、染め用タンク、木工室などもあります。

 

こちらも個人利用の他に、さをり織りやフェルトのグループなど、たくさんのグループが活動しています。その他に主催講座として「手編みでつながるニットカフェinあざみ野」があります。取材当日はミシンを使って手作りするのが大好きなグループ「ミシンカフェ」さんがいらっしゃいました。

 

一番上のような基本の2枚をもとに名札も手作り。お子さんが愛用していたカーディガンについていたお花をワンポイントとしてつけたものもあり、まるでコサージュのよう

一番上のような基本の2枚をもとに名札も手作り。お子さんが愛用していたカーディガンについていたお花をワンポイントとしてつけたものもあり、まるでコサージュのよう

「ここにくるとミシンが得意な方がたくさんいるので、ちょっとしたコツやアドバイスをもらいながら作れるから仕上がりがいい! だから初めての方でも達成感を味わえるのでは」とグループの利用者さん。

結婚式を控えているという女性。クッキーを入れる巾着を縫っていた。「結婚式の時にお友達にプレゼントするから、たくさん作るんです!」

結婚式を控えているという女性。クッキーを入れる巾着を縫っていた。「結婚式の時にお友達にプレゼントするから、たくさん作るんです!」

ミシンカフェでは、グループ活動のほかにも人それぞれ、その時々で作りたいものを作っていて、まっさらな生地から作る方もいるし、リフォームして新しいものを作りなおす方も多いいとか。

 

「頭を使っていかに蘇らせるか」と、グループの方があっと驚くリフォーム作品を見せてくださいました。

着物やセーターから作った巾着。ころっとした丸い形が可愛らしい

着物やセーターから作った巾着。ころっとした丸い形が可愛らしい

ミシンカフェには幅広い年代の方々が参加しているので世代間交流ができるのも魅力なのだそう。お嫁さんと姑さんほどの年齢差がある人達と一緒に作業することで「お嫁さんが言っていたのはこういうことだったんだな〜、と理解が進むこともあるのよ」と、グループのみなさんは本当に楽しそう。モノづくりだけではなく人との触れ合いを楽しんでいる様子が印象的でした。

昨年6月の展示風景。ミシンカフェは年に一度アートフォーラムあざみ野館内で展示会を開く(写真提供:生活工房)

昨年6月の展示風景。ミシンカフェは年に一度アートフォーラムあざみ野館内で展示会を開く(写真提供:生活工房)

設備や空間をシェアする生活工房ならではなのが、作業終了後の片付けと利用者が書くアンケートの一言欄です。

 

使ったテーブルを雑巾がけしたり、ごみは自分で持ち帰るという、一見当たり前のことを一人ひとりが徹底しています。「もしかしたらそのことが生活工房を使う上での気持ちよさにつながっているのかもしれませんね」と高橋さん。

 

アンケートには使用中に感じた設備や備品の不具合が書かれていることもあり、その指摘によって修理が必要なときは専門技術者に修理点検を依頼するのだそう。

気さくに利用者さんに声をかける高橋さん(右側)

気さくに利用者さんに声をかける高橋さん(右側)

「今後、活動中のグループの情報などをスタッフ日記や掲示板などで積極的に紹介していきたい」と高橋さん。また電話でお問い合わせいただければ、活動しているグループに情報を確認しながら、参加・見学方法などのご案内もしてくださるそうです。

 

モノづくりを通じて人と人がつながる、ここはまさに現代の集会所!

 

作る楽しみ、つながる楽しみ、シェアする楽しみ、様々な楽しみ方ができます。出会いやふれあい、そして集中して作業ができる空間を求めている方はぜひ、生活工房へ!!

 

**<エリア特集>暮らしを楽しむあざみ野 記事一覧はこちら**

Information

「生活工房」 アートフォーラムあざみ野3階

http://www.women.city.yokohama.jp/find-from-c/c-kita/floormap/atelier.html

〒225-0012

横浜市青葉区あざみ野南1-17-3

平 日9:00-21:00

日・祝9:00-17:00

「生活工房」

利用料:1人300円

予約・お問合せ先:TEL 045-910-5700

保育(子どもの部屋)要予約・有料・先着順

予約・お問合せ先:TEL 045-910-5724

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この記事を書いた人
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