野菜も農家もお店も客もみんなハッピー! センター南「ワイルドライス」
毎日じめっとしたお天気に気持ちまでどことなくどんよりしがちな今日この頃。そんなときこそ体が喜び、心が幸せを感じるような、新鮮でおいしい野菜をお腹いっぱい食べられるあのお店に行ってパワーをチャージしに行かなくちゃ! と、いつも行けば必ず元気をもらえる私の大好きなレストランをご紹介します!

センター南駅から歩いて7分ほど歩いた交差点の角に、雰囲気のいいウッドデッキが目を引くテナントがあります。小さいけれどかっぷくのいいコックさんの置物が目印のお店が今回ご紹介する「ワイルドライス」さんです。

写真では見えにくいが、店舗入口の左横には自慢の野菜たちがどっさり置いてある

実はこのお店、ランチタイム時にはいつも地元の主婦の方を中心に、行列ができるほどの人気店なのです。

私もいつも行くときには30分から1時間待ちは覚悟の上。普段、待つのが苦手な私ですが、ここのお店は待ってでもいいから食べたいと思うほどです!

平日のランチメニュー。人気のお肉ランチ1680円。25種類ほどの野菜の中には新鮮でジューシーなお肉がどっしりとした存在感。お肉の種類も日替わりで、いつ来ても飽きることがない。パンか雑穀米を選択。デザートとドリンク付き

その理由は、これだけのボリュームとクオリティにも関わらず、お値段がリーズナブル!「一体なぜこんなに安いの?」と思ってしまうほどです。

気になる秘密に迫ってみました!

 

オーナーでシェフの加藤さん。フレンチからキャリアをスタートし、いまは店舗プロデュースなども手がけるそう

ワイルドライスのオーナーでシェフの加藤康昭さん。

若かりし頃、シェフとして訪れたドイツでは、はじめから素材が用意される中での仕込み作業がメインだった日本のレストランとは違い、早朝から自らが市場に出向いて、素材を選ぶことから担当したそうです。

そうして半年ほど毎日市場に通っているうちに、はじめは言葉も通じずなかなか相手にしてもらえなかった生産者の方たちとも少しずつ交流を深め、生産者だからこそ知っている本当にいい素材を取引できたり、海外ではなかなか手に入らない大葉やネギなどを栽培するところから携わったりと、自分で素材を吟味し、調達するおもしろさを感じたと言います。

その後、日本へ戻ってきてからもこの経験を活かし、自らが農家に足を運ぶことで、生産者の方たちとの縁をこつこつと築き上げ、現在では地元を中心とした複数の農家と提携するに至っています。

なんと、年間40品目以上も提供してくれる農家もあるそうです!

そのほとんどは無農薬栽培であるというから驚きです。

時にはアメリカからビーツ、ハンガリーからパプリカ、沖縄から島らっきょう……という風に、加藤さんが各地から取り寄せた自家採取の種(一般に流通している種は、一代限りしか育たず種をとることのできないF1と呼ばれる種。毎年種苗会社から種を買わなければならない。一方、自家採取の場合は花を咲かせてから種をとり、毎年種をとり継ぐことが多い。その風土に適した種として固定されるので「固定種」と呼ぶ)を、農家に直接渡して育ててもらったりと、種からも多様性と安全性を意識して徹底的にこだわっているというのです。

店舗を入ると提携する農家でとれた自慢の野菜たちの写真がズラリ

加藤さんはさらに、野菜を一つのつくり方、使い方に限定せず、育て方や使い方にも新しい取り組みを始めています。

例えば、白菜などの菜花系の野菜はとうがたつ前に出荷するのが通常ですが、それをあえてとうを立たせて花芽を摘み、それを楽しむ使い方も提案しているそうです。

通常は捨ててしまう間引き菜も、育てて食材として使ったり、ブロッコリーは横芽から何度も採取することで、できるだけ長く食材として楽しむという使い方まで、農家と一緒になって、安全で美味しく、しかも野菜のライフサイクル全般で変化するその時々を楽しめるような野菜のつくりかた、育て方までサポートしています。

野菜は、種をまいて芽が出て花が咲き、途中、間引きや摘果など、育つまでには捨てるところも出てくるのですが、それを余すところなく使い切ることで農家にも利益が上がります。

一方、レストランでも珍しい食材を使った、シェフの腕が光る独創性あふれるメニューが生まれます。一つの野菜をとっても使い方のタイミングで、見た目も色も表情も味も異なる、様々な顔が見られるのですから!

そうしてお店を訪れる人々には、いつでも驚きとワクワクが提供されるという、まさにみんなハッピーな一石三鳥!?

それがワイルドライスの最大の魅力ではないかと思います。

店名の由来でもあるワイルドライス。店内にて販売もしている

ところで店名の「ワイルドライス」の由来も聞いてみました。 ワイルドライスとは、もともとアメリカのネイティブインディアンが食べていたと言われる滋養の高い黒いお米で、お店ではサラダに入れたり、それを精米し米粉にしたものを使って調理しているそうです。

もともとお米と野菜をテーマにしたお店にしたいと考えていた加藤さん。

あまり知名度のないワイルドライスの魅力をもっと広めたいという想いもあったといいます。

そしてワイルドライスの魅力のもう一つは、なんと言っても沖縄のフォーマルシャツ「かりゆし」や、アロハシャツがトレードマークの明るいスタッフのみなさん!

個性あふれるフレンドリーで明るいスタッフのみなさん

店内は厨房全体が見渡せるつくりなのもあり、お客さんも一体になって、いつも活気に満ちあふれています。 お店のドアを開けると、「いらっしゃいませ」ではなく親しみを持って「こんにちは!」と声をかける姿も印象的でした。

チームワークのよさが垣間みられる

また、ディナー時のメニューにはオリエンタルなものが多く、時にはタイ・ベトナムフェアだったり、かと思えばスペインだったり……。

リピーターや常連客の多いワイルドライスでは、いつ来ても飽きないようにと、毎月、世界の色んな国をテーマにしたフェアを行っているそうです。

他にも、毎月第1月曜日はデザートまでついたスペシャルランチが980円で食べられるなど、長蛇の列とはわかっていても、並ばずにはいられないイベントも……!

デザートの盛り合わせ。シェフズデザート1260円。中には野菜を使った赤ピーマンのアイスも

我が家では、夫婦+3歳の娘でディナー時にもよく行くのですが、とにかくボリュームがすごい! お腹がいっぱいになるのはわかっているのに、それでもあれこれ食べてみたい、と、ついいろんなメニューに手が出てしまいます。

今度はぜひ大人数で訪れて色々なメニューを食べてみたいと思っています。

Information

WILD RICE natural dining(ナチュラルダイニング ワイルドライス)

住所: 横浜市都筑区荏田東4-1-1 ボードウォークガーデン

TEL: 045-942-8884

営業時間: ランチ11:30〜15:00(L.O.14:00)/ディナー 17:30〜22:00(L.O.21:00)

定休日: 毎週水曜日・第三火曜日

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この記事を書いた人
高山えりかライター卒業生/デザイナー
森ノオトの花形デザイナーでおしゃれ番長。キャッチーなデザイン、キュートなイラストは見る人の心を鷲掴みに。写真の腕前も相当なもので、Instagramで発信する愛犬とのユーモラスな生活にファンも多い。料理、お酒、キャンプ、インテリア、ハワイが大好き。北海道出身で愛称は「ピリカ」。
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