誰しも一度は、太陽がカンカンに照りつけた車のボンネットを眺めて「目玉焼きが焼けるな……」などと思ったりしているはず。
ソーラークッキングはまさにそれをやってしまおう! というシンプルな発想から生まれています。電気もガスも、火さえも使わずにお料理をしちゃおうというものです。
ソーラークッキングのエネルギーは空から無尽蔵に降ってくるわけで、化石燃料を使わないので、当然、CO2はゼロ! 安全かつ究極のエコ。調理時間はおひさま任せ、ゆっくりのんびり……今すぐ森の住民デビューがかなうかもしれませんよ!
ソーラークッキングには、車のボンネットは必要ありません(笑)。
まずは、効率的に太陽光を集めてくれるソーラークッカーを手に入れるところから始めましょう。一言にソーラークッカーと言っても、金属製の大きなパノラマ型から、段ボール製のパネル型まで、様々な大きさと形があります。共通しているのは、銀色の鏡面を利用していること、太陽に向かって開かれていることでしょうか。どれも効率よく太陽光を集めるつくりになっています。
達人たちの中には、20年も使い続けている方や、大きなものを独自に改良し、同時に幾つも使用しながら、ソーラークッカーで3食作ってしまう方もいるそうです。
まずは「入門編」ということで、自分でソーラークッカーをつくってみるところから始めてみましょう。熱を集める効率は市販のものの方がはるかに優れていますが、手を動かし仕組みを知ることで、太陽の光や熱の効率的な取り込み方を学ぶことができます。キャンプなどで家族や仲間と一緒に挑戦したら、盛り上がること間違いナシ!
【材料】
・市販のアルミ製ガス台シート(サイズ50〜70cmくらい。ホームセンターなどで購入することができます)
・ビニールテープ
・カッターかはさみ
・クリップか洗濯バサミ
【つくり方】
(1) 図のA、Bの部分を切り取り、図のように上辺にテープではります。
(2) 図のC、Dの部分約20cmの切り込みを入れます。
(3) E、Fの部分4cmくらいの切り込みを斜めに入れます。
(4) C、Dの外角部分をE、Fの切り込みに通して、クリップや洗濯バサミ等で留めます。風で飛ばされないように、C-Dのカーブの背面にレンガなどで重しをすれば準備OK!
(5) 調理器具は、飯ごうや黒い鍋など、何でもよいのですが、太陽熱を効率よく集めるため、外側が黒いものが最適です。もしお手元になければ、空き缶を利用してみましょう。外側を黒く塗るか、黒いテープ等を貼れば、即席のミニ鍋が出来上がります。面倒なら、黒ビールをグビッといって、黒い缶をゲットしてください!
これで準備は万端です。
早速ソーラークッカーを使ってみたいところ……ですが、注意点を幾つか。
・調理器具はとても熱くなり危険です。調理を始めたら素手でさわらないように注意しましょう。
・ソーラークッカーは太陽の光が集まってとてもまぶしくなります。目を守るため、サングラスを着用しましょう。
* * *
さあ、ソーラークッカーを利用して、まずは、お湯を沸かしてみましょう!
調理器具に適量のお水を入れ、ソーラークッカーの中央にセットします。やることは、これだけですが……。
ここで、スマートにソーラークッキングを楽しむコツを3点。
コツ1★ ソーラークッカーに調理器具をセットする際は、熱の回りをよくするために、底に足付きの金網や割り箸などを置いて、少し底上げするべし!
コツ2★ 鍋を覆うように透明なビニール袋を被せる等、風よけをするべし!(ソーラークッキングは、風が大敵です。せっかく暖まったお鍋が風に当たることで温度が下がってしまうのです。ビニールを風よけにした場合、鍋などに熱でくっついてしまう場合がありますので、ご注意ください。大きめのペットボトルを切って蓋にすると、丈夫で再利用可能な風よけがつくれます。←オススメ)
コツ3★ 太陽に合わせてソーラークッカーの向きをこまめに変えるべし!
これを守って、しかも太陽のご機嫌さえよければ、20分ほどで人肌に、1時間ほどで熱々! になるはずです。
コーヒーにしますか? お茶にしますか? 格別な味になること請け合いですよ。]
電気やガスに頼らずにお湯を沸かせると、何だかとても心強くなります。いつかまたやってくるであろう災害時にも、ソーラークッカーはきっと役に立ってくれるはず。それに、おひさまで淹れたコーヒーは、遠赤外線効果なのか? それとも自然の恵みをいただいているからか? なぜかとっても美味しく感じます!
暑い夏、いつもなら太陽が憎らしく思えるこの季節……ソーラークッキングをしていると、太陽が照りつける日がありがたく思えてくるから不思議です。このエネルギー、使わなくっちゃもったいない!
ということで、お天気任せの企画ですが、また次回も「おひさまレシピ」お届けしていきます。
さあ!太陽カモーンッ!!
あざみ野ぶんぶんプロジェクト
東日本大震災を機に横浜市青葉区・都筑区・川崎市宮前区・麻生区周辺の主婦たちが集まり、「足元からのエネルギーシフト」を合い言葉に立ち上げたグループ。エネルギーに関する定期的な勉強会を主催し、お母さん=生活者の総称として『お母さん版エネルギー基本計画』を上梓。自然と共生した未来のエネルギー社会を率先して実験していくパイオニア精神と、女性らしい柔軟性を持ちながら、楽しくエネシフ活動中。森ノオトとは姉妹的な団体で、独立型ソーラーシステムの自作体験記「エレキガール奮闘記」や、電気の仕組みを発明した偉人を訪ねる時空を超えた旅「エレキ女史の電氣文学」に続き、太陽の光で料理をつくる「おひさまレシピ」の連載をマッキー(青木真紀)と、かよ(橋本佳代子)が担当する
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