再生可能エネルギーの電気を買いたい人のためのカタログとも言える「パワーシフトキャンペーン」を知っていますか?
キャンペーンへの賛同の宣言をするのが「パワーシフト宣言」。ネット上からでも、アースデイなど環境系のイベントブースからでも参加できます。
このキャンペ−ンの運営を担うFoE Japanは地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGOの日本支部です。Friends of the Earthの頭文字をとって、通称「エフオーイー」。本部はオランダのアムステルダムにあります。
FoE Japanでは1980年から、気候変動や、環境保全の調査研究、政策提言、普及啓発活動に取り組んできました。2016年4月の電力自由化を前に、エネルギー問題も環境問題と無縁ではないことから、このキャンペーンがはじまりました。
パワーシフトキャンペーンでは、電力事業者へのアンケートを実施して、5つの条件に合う会社をHPで紹介しています。
1、電源構成や環境負荷などの情報を一般消費者に開示していること
2、再生可能エネルギーの発電設備(FIT:再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度によるものを含む)からの調達を中心とすること
3、原子力発電所や石炭火力発電所からの調達はしないこと(常時バックアップ電源分は除く)
4、地域や市民による再生可能エネルギー発電設備を重視していること
5、大手電力会社と資本関係がないこと(子会社や主要株主でない)
「パワーシフト宣言は、再生可能エネルギーを買いたい! という消費者の意思表明なんです。賛同の声がたくさん集まることによって、未来のエネルギー政策や法律が変わってくる可能性があります」と吉田さん。
電力自由化が日本より先行して行われているヨーロッパの国々では、地域に複数の電力会社が存在することは普通のことなのですが、日本の一般家庭では、2016年4月以前は一つの地域で一つの電力会社だけしか選べず、そこと契約するしかなったので、考える必要がないという意味では非常に楽だったといえます。
そのため、電力の自由化が進んで一気に電力会社の数が増え、さまざまなプランの中から一つを選ぶには、最初は決め手がなく、選べない人も多いと思います。でも、電力会社の切り替えは難しくても、パワーシフト宣言をすることならば、簡単です。2017年の3月現在では宣言の数が5000を超えているそうですが、市民の声としては、まだまだ少ないなと感じます。
すぐに電力会社の切り替えをしなくてはならないわけではありません。宣言してから時間をかけて迷ってもよいのです。私、梅原も、宣言をしてから、半年以上迷って、今年に入ってから湘南電力への切り替えをしました。海をきれいにするNPOの活動を応援できるプランがあるからと、神奈川県産の電気の割合を増やしていこうとしている姿勢、また価格も従来契約していた東京電力とそれほど変わらないことから決めました。ちなみに、電力会社を切り替えるには、新しい電力会社に連絡するだけです。
今年から、都市ガスの自由化も始まっていて、ガスに関しては、まだまだ私も勉強不足です。
森ノオトのエネルギー部が実施してきた「おうちエネルギーワークショップ」でも、電力会社の切り替えの前に、まずこれまでの電気の使い方をじっくり見直すことが大切だと伝えてきました。
望まない化石燃料や原子力発電の電気をしかたなく買っている、受け身の姿勢に気づき、「ほんとうはこういう電気を選びたい」という態度を示すことは、自分自身の意識や暮らし方が変わる最初の一歩となるでしょう。電力の消費のカタチを、わたしらしく作っていくために、エネルギーの問題を自分ごとにするために、まずは、小さな声を出すことから始めてみませんか。
いますぐパワーシフト宣言する!
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