9月の末、新百合ケ丘の昭和音楽大学横の芝生の公園で行われているイベント、Air Greenにtriccco(トリコ)がやってくるというので、わくわくしながら会場に向かいました。
朝場さんはとても面白い活動をされています。
ひとつは、“triccco(トリコ)”として、子ども・マタニティ用品の物々交換の場を作っています。
もう一つは、“おさんぽ図書”です。
tricccoの始まりは、5年前。パルシステムという生協の中の「ヤムヤムベイビークラブ」というコミュニティの中で出会ったお母さんたち5人で始めた活動です。
2011年からは、おさんぽ図書の活動も加わり、公益財団法人キリン福祉財団の助成も受けるようになりました。
tricccoの中の3つのcはecology,economy,communicationのcからきていて、トリコのコンセプトとなっています。
私は「ぶつぶつこうかん」という古くて未知なる仕組みにものにすごく興味を感じ、どのようなルールで「もの」が交換されているのかお話を伺いました。
tricccoが扱うのは、こども・マタニティ用品です。
洋服、靴やおもちゃ、絵本もありました。自分の家から持って来たものと、会場に並ぶものと交換する場合は、1点につき100円をtricccoに支払います。何も交換するものを持って来ていない場合は、1点500円で希望のものを購入できます。
あくまでも「ぶつぶつこうかん」を大切にしているところが、リサイクルショップやフリーマーケットとは大きく違うところです。
取材中に訪れるお客さんは、たいてい小さな子を抱っこしているママ・パパです。「わー!お久しぶりですー!(お子さん)おっきくなりましたねー!」と、常連さんに話しかける朝場さんは、まるで近所の頼りになる肝っ玉母ちゃん的なオーラが漂います(失礼! お若くて、とてもチャーミングな素敵な女性なのですよ。でも、そう呼びたくなるほど、とても親しみを感じる方なのです)。
朝場さんも2人のお子さんのママです。
ベビーちゃんをつれて、服選びに迷っている方には、先輩ママとして体温調節の仕方など的確なアドバイスをしてくれます!
初めて足を運んでくれたママたちには、「ぶつぶつこうかんのトリコです!」と気持ちのいい、はつらつとした朝場さんの声が飛びます。
また、何回か足を運ぶうちにいつのまにかママ同士も知り合いになり、情報交換をしている方たちもいて、tricccoから、新しい人とのつながりが開けていく様子に驚きました。
コンセプトにもあるコミュニケーションの場がここにありました。
「blogやfacebookはすごく便利だけど、そこに全ての情報をのせてないのは、直接話したいなという思いがあるんです」と朝場さんは言います。
「話をしたら、理解してもらえるのではないかなーと、リアルな人と人とのつながりがあるのが好きなんです。tricccoって何だかよくわからないなー思いながら、友達に引っ張られてきたり、もしくは友達を引っ張って来てくれるような人がいたらもう、嬉しいですよ! その中で、100人中2人くらいが、次も行くわ! って思ってくれたら私はそれで幸せ」と言う彼女は、本当に人が好きで、tricccoに来てくれる人たちとの出会いを楽しんでいるのがよく伝わってきました。
ものも情報もあふれている現在、ポッとできた隙間に入っていくものでありたいという朝場さん。
ぶつぶつ交換のtricccoとおさんぽ図書と2つの活動をしているのは、行く場所によって必要な形に変えながら、自然にその場に入っていきたいという思いがあります。今回のAir Greenでは、ぶつぶつ交換とおさんぽ図書が両方並びましたが、出向く先に合わせてどちらかだけの出店もあるそうです。
tricccoは次回のAir Green(10月24日開催)にも出店する予定です。
だんだんと秋が深まっていくこの季節。
羽織物やコーデュロイ素材の服など季節に合わせたお洋服が並ぶ予定ですが、朝場さんによると、マタニティ用品やロンパースの在庫が多くなっているそうです! 妊婦さんや、ロンパースが着られる小さなお子さんがいる森ノオト読者の皆さん、迷う前に、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!