私は昨年も参加しましたが、童心にかえって田んぼの生物とふれあえるこの日を心待ちにして、子どもと一緒に楽しんできました!(Text:中島美穂)
街中はうだるような暑さでも、土と緑に囲まれたどんぐり農園の木陰は涼やか。今年の「生きもの調査」は、NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワークの会員と「米をつくろう」会員を対象に行われ、10組の家族が参加しました。帽子をかぶって虫取り網を持つ子どもの姿っていいなあ!いつもはのんびり屋の7歳の長女も、本当はちょっぴり虫がコワイ4歳の次女もこの日は大張切りでした。
田中さんの田んぼに農作業を手伝いに来てくれる人から生きものについて聞かれたことがきっかけで、「せめて自分の田んぼにいる生きもののことぐらいはわかるようになろう」と生息する動植物について調べるようになったそうです。田んぼの生物に詳しい田中さんは参加者が思わず「へえ〜」と聞き入ってしまうような、興味深いお話をたくさんしてくれました。
カナヘビ、ニホンアマガエル、シオカラトンボ、アシナガグモ、アメリカザリガニ、サワガニ、タイコウチ、マメゲンゴロウ、タニシ、ヨシノボリ……などなど、40種類以上の生物が見つかりました!
そしてドジョウよりもふっくらしているホトケドジョウもたくさん見つかったのですが、ホトケドジョウは東京都多磨地区では絶滅危惧類に指定されています。同様の位置づけのニホンアマガエルやトウキョウダルマガエルなども見つかりました。
どんぐり農園ではおなじみのタイコウチもたくさんいましたが、生態系ピラミッドの上の方に位置する生物が多く見られたということは、それらがエサとするもっと小さな生きものがたくさんいるということです。農薬に頼らず余計な手を加えない自然農法でお米をつくることで、豊かな生態系が守られているのですね。
大きな魚などの天敵が少ない田んぼには、小さな生きものたちが産卵にやってきます。その田んぼの近くには越冬するための池など水辺が必要だそうです。「多くの生物の生息には田んぼがあるだけでなく環境の多様性も必要です」と田中さん。寺家ふるさと村にはその条件がそろっているといえます。
「こうやって元の場所に返してやると生きものたちが喜んでいるのがわかるし自分も気持ちいいでしょ? それが自然なことなんだよ」と農に学ぶ。代表の木村広夫さんが子どもたちに語りかけていました。
田んぼの中の植物にもシャジクモ、イトトリゲモといった絶滅危惧種がみつかりました。放置された荒れ地から復田することでかつての草地湿地の環境がよみがえり、希少になってしまっていた植物が再び増えることがあるのだそうです。
どんぐり農園で米づくりをすることで、人と生きものは共存していける。私たち人間は自然を壊すばかりじゃなく、生態系を支えることもできるんだ。ココロにふっとあたたかいものが沸いてきました。
都会からほど近い生きものたちの楽園で、子どもたちと土にまみれ虫を追う喜びを感じた1日でした。
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